襲いかかる狼〜豚を添えて〜
気持ちいい朝だなー!
朝の味噌汁でも作るか!
そして僕は味噌汁を作り始めた。
ドンドンドンドンドンドン
「開けてくれ!!!早く!!!」
まだ明け方なのに兄ちゃん達が何やらやってきたようだ。
とりあえずドアを開けるか‥
「2人揃ってこんな早くからどうしたの?」
「やばいんだよ!!泥棒が俺たちの家に来て今必死に逃げて来たんだよ!あ!早く鍵閉めないと」
かなり焦っているようだ。
「警察には連絡したの?」
「してない!!俺っち達今スマホ使えなくて(^^;;」
「まじ?僕も昨日店にスマホ置いて来ちゃって無いんだよなー。」
「まじか‥」
するといきなりドアをドンドンドン叩く音がした。
兄ちゃん達は震え上がっている。
流石にこの家は丈夫だからドアは壊れないだろう‥
暫くしてドアを叩く音が聞こえなくなった。
ホッとしたその瞬間!
ガラガラガラ‥
窓を開ける音がした。
これはまずい!!!
兄ちゃん達は悲鳴をあげた。
「ぎゃーーーーーーーーーーー」
そして全身黒の男が窓から入って来ようとした。
しかし窓のすぐ下には作りかけの味噌汁がグツグツと沸騰していた。
男はそれに気づかず、侵入して来た瞬間味噌汁の熱湯が足にかかり地面に倒れ込んでもがき始めた。
「ううううぁああああ。助けてくれ‥」
幸いIHだったので、火事になることは無かった。
俺たちは勇気を出して男の方へ向かった。そして、3人で男を取り押さえた。
突然長男が何とも言えない表情になった。
「え??もしかして父さん??!!!」
長男が目を丸くして言った。
よく見ると、確かにそこに居たのは5年前、夢を追いかけるために家を出て行った父親だった。
「あああ‥お前たち‥久しぶりだな‥とりあえず救急車か何か呼んでくれ‥」