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桁が違う
「鳶ってのはこの集まりの名前ですか?」
「その通りだ」
シガレットが煙で手錠を作りながら話す。
「君の強さはなかなかなものだけど、まだ強くなる必要があるね」
言われて少しムッとした。
「俺、実技試験はほぼずっと満点でしたから、あなた方にも負けると思いまんよ」
この国に筆記と実技がある。生まれてこの方自分と同い年より下のやつに負けることはほぼなかったあんちにとって、自尊心をにじるようなことだったのだ。
「じゃあ、僕とやってみようか」
マオがすっと出てくる。
「いいけど、怪我しないでね」
向かい合う。先に動いたのはマオだった。
一瞬で俺の眼前にいた。
「全く見えなかった...」
こんな手練、相手にしたことがなかった。
全くの桁違いだ。
もしさっきの相手がこのレベルだったら、そう考えるだけで鳥肌がたった。
「わかったかい、君のレベルが」
「何をすればいい」
シガレットに指示を仰ぐ。
「どうすればこの国を守れる」
シガレットがにっと笑って答える
「修行に決まってる」