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精霊と助け人、怜華  作者: 水葉
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結の行きつけの場所

 王城の敷地には、王城の他に、私たちの部屋、聖夜堂、温室などがある。敷地の半分が庭園になっているため、とても広く感じる。敷地の外へでると、近くに商店街があった。私たちは見てまわる。結がお団子を食べようと言ってお店に入った。そこで結がこの国のお金を見せてくれた。丸い金貨に人の顔が描いてある。結いわく、この国の主様らしい。主様はこの国のトップのことをいうという。

「人間が主様なの?」

そう聞くと、結は首を横に振った。

「精霊が人型になってるだけだよ。モブじいさんみたいにね。確か、地位が高い精霊が人型になれるらしい。実際の主様のお姿を見たものはいないといわれているの」

と返ってきた。お金はあやかしに助けていると定期的にもらえるという。

「見習いが終わると、助け人は重臣の下で働くようになるの。重臣から要請されたことをやったり、街にでて、精霊の助けをしたり。それでもらえるの」

ということらしい。地界で会ったコロロじいさんのことも重臣から頼まれたことだったという。

「半年たつぐらいに重臣をまとめた書類もらえるだろうから、よく読んだほうがいいよ。派閥とかあるから」

と教えてくれた。

「ありがとう。気をつけるね」

お金を持ちじっくり眺める。この顔、どこかで。人型だし、似てる人を見たことがあるのかなと思っていると、お団子が運ばれてきた。串に6つ餅が刺さっていて、上には空界でとれたという食べ物がのっていた。結にこれがなんなのか聞くと、にこにこしながらスルーされた。結が気にせず食べてるのを横目に、おそるおそる口へ運ぶ。ふわふわとしたお餅の食感と、上に乗ってるコリコリ食感が合わさり、口の中が面白かった。上に乗ってるものは噛むたびに甘さが増していくという不思議な食べ物だった。その甘さがお餅によって上手く相殺されていて不思議と美味しい。

「美味しい」

「でしょ、ここでよく食べるの。他のお団子屋さんにも同じものあるけど、ここが1番美味しいかな」

満足そうに言った。

 話をしながら、お団子を完食した。結局、上に乗っかったものが何か教えてくれなかった。

 お団子屋さんをでて商店街を歩いていると、後ろから声をかけられた。

「紀夜さん。お嬢さん」

振り向くと、 あのコロロじいさんがいた。私たちは驚いた。

「お久しぶりです。よく私たちのことわかりましたね」

結が聞く。

「わしは1度あった者は忘れないからな」

と、笑った。

「それはそうとお2人さん。あの時は本当にありがとう。光のおかげで、夜に地界にいても消えなくなった」

2人で顔をあわせた。光でコロロじいさんの体質まで変えてしまうなんて。あの光は一体。

「そういえば、お嬢さんの名前はなんて言うんだい」

「ひ、翡夜です」

コロロじいさんはうなずき

「良い名前だ」

と言った。

「これからもよろしくね。お2人さん」

「はい」

2人で返事した。コロロじいさんはそれを聞き満足したのか、それじゃと去っていた。

 ゴーンゴーン

鐘が鳴った。

「そろそろ、帰らないと」

と結が言った。

「どうしたの?」

私が聞くと

「地界がもうすぐ朝6時になるという合図の鐘だよ。この世界はずっと明るいままだからね。助け人は鐘が鳴ったら帰らないと行けないというルールがあるの。行こっか」

と言って、部屋にむかった。歩きながら結に聞いた。

「結はどこの建物にいるの?」

「白い建物、白虎殿にいるよ。用があったらきていいからね」

「ありがとう」

にこっと微笑んだ。

 結が黄龍殿までおくってくれた。2人で話していると、いつの間にか時間が過ぎてしまう。気づいたら、黄龍殿の前にいた。

「じゃあ、地界でね」

「うん。またね」

手を振りながら、結を見送った。私たちはそれぞれベットに入り、地界(テラール)に戻った。

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