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精霊と助け人、怜華  作者: 水葉
18/30

不穏な拾い者

 王城からでて、時計を見た。鐘がなるまで30分もない。今日は早めに戻ってのんびりしよう。そう考え部屋に戻った。

 ごろごろしながら過ごし、目覚ましの音とともに起きた。リビングに行くとイリスさんがご飯を作っていた。味噌、煮物、卵焼き。昨日、お母さんにこっちの料理を教わったらしい。

「美味しい」

思わず口からもれた。お母さんの味にそっくりだった。イリスさんは嬉しそうに

「本当ですか!?初めて作ったのですが。上手くできてよかったです」

と言った。初めてにしてはすごい。私はお礼を言って、制服に着替え学校にむかった。

 教室で1限目の支度をしていると、結が来た。

「おはよ。今日はイリスさんこないの?」

「おはよう。来ないよ」

そう答えると少し残念そうだった。時々、迎えに来てもらおうかな。と思うのだった。

「今日、家に帰ったらすぐにあっち来てくれる?怜華の授業が始まる前にやろうと思って」

「わかった」

私は頷く。1日で終わらすには授業の前からやったほうがいいらしい。

 家に帰り、イリスさんに空界に早めにいくことを伝えた。早めにご飯を作ってくれた。お風呂をすまし、ご飯を食べ部屋に入った。

 空界に行くと、作業服に着替えた。いつも着てる服はスカートだが、これはキュロットのようなズボンだった。商店街でお菓子を買い、国の外へ出た。草原が広がり、遠くには木々が見える。門の前で待っていると、精霊を数十匹連れて結が来た。手には袋が握られている。

「お待たせ。はい、これ」

結が私に袋を渡した。

「ありがとう」

そう言って受け取る。そして結は精霊たちを見て

「範囲は草原と林です。なにかあれば私たちに伝えてください。休憩は各自でとってください。それでは始めてください」

と声をかけた。精霊たちはそれぞれちっていくのを見ながら、私も結と一緒に清掃し始めた。一見、奇麗な草原に見えるが、よく見ると細かいゴミが落ちている。

 草原を一通り掃除したところで休憩をした。商店街で買ってきたお菓子をだす。

「はい」

袋をあけ結に渡した。中には個包装のチョコが入っている。

「ありがとう」

結は袋に手を突っ込み、チョコを1つ取った。私もとって口に運ぶ。私たちはそよ風に吹かれながら、ゆっくり休んだ。

 休憩を終え、今度は林にむかった。木は高くまで延び、光がかすかに差し込んでいる。薄暗いのが不気味だった。精霊が通れるように整備されてるところはあるが、そこから離れると、根っこが地面から飛び出していたり、土が軟らかかったりした。足元を見ながら慎重に進む。草原よりも少なかったがいくつか落ちていた。あまり立ち入らないからだろう。結と小話しながら拾っていく。木の根元に黒い袋が置いてあった。袋の口はきつく結ばれてる。なんだろう。そっと結ばれてるのを解いた。すると、酷い臭いがした。

「うっ」

思わず声がでた。急いで閉じる。

「どうしたの?」

結も近づき、臭いが残っていたのか鼻を抑える。

「なにこれ」

私は恐る恐る袋の中身を見た。そこには動かない精霊がいた。血がついている。私たちは何も言えずにいた。恐ろしくてそっと再びきつくしめた。

「ひとまず、警察に連絡しようか」

私は頷く。結が携帯をだし、電話をかけてくれた。

 数分後に警察が来た。精霊の遺体を預ける。私たちも警察の施設に動向することになった。第一発見者のため聴取を受けるらしい。歩きながら、さっきの光景が脳裏に浮かんできたが、考えないように空を仰いだ。発見した人は数時間拘束される。聞くことが多いのだとか。今日は授業無理そうだな。落胆した。

 警察署に着くとモブじいさんに連絡した。モブじいさんは快く了承してくれた。

 そのあと、ある1部屋に通され警察官にいろいろ質問された。私は見つけた経緯を答えた。被害者の写真を見せられ、聞かれるが知らないと答えた。結局、5時間拘束された。

「ありがとうございました。また、なにか聞くこともあると思いますのでその時はよろしくお願いします」

玄関まで見送ってくれた警察官が言った。

「わかりました」

私はお辞儀をして、外へ出た。

 外へでると結がいた。私がでてくるまで待っていてくれたらしい。私を見つけると駆けよってきた。

「大丈夫?」

心配そうに顔をみる。結の顔を見ると、安心した。気が抜けたのか、疲れがどっとでてくる。

「うん。疲れたけど」

最初は動揺していたが、時間がたつにつれ落ち着いていった。悲しいし、恐いという気持ちもあった。同時に怒りもわいてくる。

「ねえ、私たちで犯人探さない?」

結が真剣な顔で聞いてくる。

「いいよ」

すぐさま返事をした。助け人は警察の情報を知ることができる。もし、地界に犯人が逃げた場合、助け人がいたほうが便利だろう。

 そう判断して、私たちは勝手に犯人を捜すことにした。

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