助けの褒美
目を開けた。見慣れない天井が見えて体を起こす。そうか、ここは空界か。意識してないと今、どこにいるか分からなくなりそうだった。体を起こし机を見ると、1枚の紙が置いてあった。
『こちらにいらしたら教室に来てください。授業を開始いたします。必要であれば筆記用具と冊子をおもちください』
支度をして部屋をでた。空界は相変わらず天気が良い。王城に入り教室のドアを開け、椅子に座った。かすかな外の光が床にあたっている。今日から学ぶのかそう思うとわくわくした。
少したつとモブじいさんが教室に入ってきた。
「さて、始めます」
冊子を開き、話し始めたのは、精霊の国のことだった。この国は主様が統治する王権国家だ。精霊たちには、階級がある。上から王族、貴族、平民、純民だ。階級によって仕事や住む場所が決められているという。
空界には精霊の国以外に、妖怪、幽霊、鬼..などがいる。それぞれ島の国のため船で行けるらしい。私たちは精霊を助ける役目のため、地界では精霊以外が見えないと言っていた。確かにそう言われるとそうだった。精霊は全部で30万種いる。途方もない数だ。これをすべて把握してほしいと言われるのだから、頭が痛くなった。覚えなくてもいいのが救いだった。手帳サイズの辞書をもらい、パラパラと最後まで見る。いくつか見たことある精霊がいた。しかしこの辞書には雪柳の精霊は載っていなかった。
あっという間に時間が過ぎ授業が終わった。冊子を閉じ、時計を見ると4時になっていた。席を立とうとすると
「ああ、言い忘れてた」
とモブじいさんが言った。私はモブじいさんの方を見る。
「6時の鐘が鳴ったら、地界に戻ってください。これはルールになります。もし、任務かなんかで過ぎる場合は、申し付けください」
そう言ってでていった。
私も教室をでて、商店街を歩いた。ふらふらと雑貨店に入る。葉やツルをイメージしたストラップやアクセサリーなどがあった。お金貰ったら買おうかな。などと思いながらゆっくり見ていると
「なにかほしいのか」
ズンとした声が聞こえた。声がする方に顔を向けると、そこにはオルさんがいた。雪柳の毛がなびいている。
「いえ。奇麗だなと見ていました」
慌てて外にでた。オルさんも後ろからついてくる。私たちは近くのベンチに座った。といっても、オルさんはベンチの前で座った。ベンチからはたくさんの精霊が見える。階級があると言っていたが、関係なく関わっているように見えた。
「良いところじゃろ」
オルさんも、ここから見える景色を見ながら言った。
「そうですね」
「これも主様のおかげじゃな。民のことを1番に思ってくださる。上に立つものにとって大事なことは、民を慈しむことだな。翡夜さんも覚えておくといい。ヒトのために。友のために。そう思い動くことで、役にたてるのだよ」
私を見て微笑んだ。
「はい」
オルさんの目を見てうなずいた。主様が良い精霊なのは、住民をみていて分かった。それにしても側近がここに来て良いのだろうか。
「どうして、ここにいるんですが?私になにかご用ですか」
そう言うと、オルさんは前足を私に見せた。そこにはブレスレットが2つあった。龍の形をした飾りがついている。龍の体には宝石が埋め込まれていた。かすかに虹色に輝いているように見える。
「わしを助けてくれたお礼じゃ。紀夜さんにも渡してくれ。お主らを探していたら、ちょうど翡夜さんにあったということじゃ」
「ありがとうございます。紀夜にも渡しておきますね」
笑顔でブレスレットを受け取った。結の分はポケットに入れ、自分はつけてオルさんに見せた。オルさんは嬉しそうにうなずいた。
部屋に戻り、結のブレスレットを机に置いて、ベットに横になった。腕につけたブレスレットを見つめる。宝石がきらきと光り奇麗だった。




