帝都への道
この世界の通貨単位について書き忘れていたので、説明させていただきます。
この世界では金貨、銀貨、銅貨をメインに使用していこうと考えています。
大きさも大小に分けて、6段階にしようと思います。そのうち増やすかも……?
通貨の価値は下のようにしたいと思います。不明点等ありましたら随時教えていただけると嬉しいです!
大金貨1枚=小金貨10枚 小金貨1枚=大銀貨100枚
大銀貨1枚=小銀貨10枚 小銀貨1枚=大銅貨100枚
大銅貨1枚=小銅貨10枚 小銅貨1枚≒1円
なので、大金貨1枚の価値≒1,000万円となります。
基本的には大きさの変化は10枚ごと、材質の変化は100枚ごとにしたいと思います。
なぜここに書いたかは……察してください。
探すのが大変なんです……(泣)
翌日。
「お兄さ〜ん、持ってきましたよ〜」
「おぉっ!早いね助かるよ!」
私は昨日錬金した栄養剤をお兄さんに渡す。
「早速使わせてもらうよ!ありがとう!これ、少ないかもだけどお礼ね」
そう言ってお兄さんは私に小銀貨2枚を私に渡す。
「え、いいんですかこんなに?!」
「もちろん!メルちゃんにはいつもお世話になってるからね」
「そ、そういうことなら……遠慮なく頂きます」
私は小銀貨2枚をバッグの中にしまい、師匠の待つ山小屋への帰路についた。
メルが帰路についてから数分後。
メルが”お兄さん”と呼ぶ青年に一人の男が話しかける。
男の髪は闇夜のように真っ黒で、腰に剣を帯剣していた。
「失礼、少し時間を頂いてもいいかな?」
「ん?えぇ、別に構わないが……あんた旅人かい?」
「まぁそんなところです。それより……その薬はどこで?」
「薬?……あぁ、これかい?メルちゃんに作ってもらったんだよ」
「メル……?」
「あぁ、山の頂上付近に住んでる錬金術師の子だよ。確か師匠と一緒に住んでたっけな」
「ほう……詳しい場所は分かりますか?」
「奥のあの山が見えるかい?あの山の頂上付近に一軒の山小屋があるんだ。そこに2人で住んでるはずだよ。長めの銀髪の可愛い子だから、見ればすぐわかるはずさ」
「なるほど、ありがとうございます」
男はメル達の住む山小屋へと歩き出す。
「錬金術師……どれほどの物か見極めなくては」
次の瞬間、その姿は霧のように消えた。
「師匠、ただいま戻りました……っと、お客さんですか?」
私が家に入ると、師匠と見知らぬ男の人が話しているのが見えた。
身長は180cmくらいで、少し痩せ型。髪の毛は闇夜のように真っ黒。腰には長めの剣を帯剣しているのが見えた。
「あぁメル、ちょうどいいところに。あなたにお客さんですよ」
「私に……?」
「お初にお目にかかる。私はクロウ。帝都ガリアの王宮騎士を務めている。今日は貴女の錬金術の実力を視察しにきた」
優しく、でも風格のある声でそう話しかけるクロウさん。
「私の錬金術の実力……?でもなぜ……?」
「あぁそうか、君はまだ若いから知らないのか。錬金術師は、ある程度の実力が認められると、帝都に個人用のアトリエが用意されるんだ。と言っても、錬金術師自体少ないから、今帝都に錬金術師としてアトリエがもらえているのは4人だがな。あ、もちろん無償だから、金銭の心配はしなくていい。悪い話ではないと思うのだが」
ふむ……つまり、私の錬金術の実力が高いものだったら、国が住む場所を提供してくれてそこに無償で住めると……確かに悪い話じゃなさそう。
私は師匠の方を見る。
師匠は私を見ると、深く頷いた。
「……分かりました。でも錬金術の腕前なんてどうやって確認するんですか?」
「今から君には”回復薬”を作ってもらう。素材は試験の公平性を保つためこちらで提供させてもらう。できた回復薬の錬金過程、品質、効力等を考慮して結果を伝えさせてもらう」
どうやら簡単には認めてくれそうにないのは、クロウさんの口調から感じ取った。
この錬金、私の全力を出さないとだね。