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プレゼント

ちょっとだけ長めです。

いつもたくさんの人に見ていただけてとても嬉しいです!

これからも応援よろしくお願いします!

「あはは、今回もかな~り集中してたね~」

「ごめんなさい勝手に入っちゃって……」

「いいのいいの!メルちゃんのその服着てる姿が見れただけで満足だよ!」


少し慌てているのか、返答になっているか微妙なラインの返答を返すジャスミンさん。


「あはは、よかったね~メルちゃん。完全にジャスミンが心を許してるね~」

「そ、そうなんですか?」

「うん、ジャスミンってさ~、結構人見知りするタイプなんだよね~。だから、ここまで自分の感情を表に出すのは珍しいんだ~。その斧もメルちゃんへのプレゼントだと思うよ~」

「うっ……ばれてる……」


私に……プレゼント?

プレゼントなんて今までもらったことないのに……


気が付くと、大粒の涙が頬を流れていた。


「ちょっ?!メルちゃん大丈夫?!」

「や、やっぱり斧はセンスなかったのかな……」


ラナさんもジャスミンさんも心配してくれているけど、私の涙はしばらく止まりそうになかった。




「ぐすっ……急にごめんなさい……」


若干鼻声になりながらも、私は心境を2人に伝えた。



「そっか~、プレゼントもらったことなかったんだね~……」

「め、メルちゃんの初プレゼント?!私が?!メルちゃんの?!初めて?!!」


しんみりとした空気を壊すように、ジャスミンさんが少し興奮しているような声を出す。

なぜそこまで私に執着するのかはわからないけど、それだけ大切に思ってくれているんだろう。

ただ、はたから見たら一人は叫び、一人は泣き、一人は困惑しているというカオスな状況だろう。



「それでさ~、なんでジャスミンは斧をプレゼントしようって思ったわけ~?」


私が泣き止んだのを見計らって、ふと思い出したようにラナさんが尋ねる。


「ん~とね、メルちゃんまだ採集用の道具持ってないみたいだったし、私の手持ちで作れそうな道具がこれしかなかったから……」

「え、ジャスミン昨日の一瞬でメルちゃんが道具持ってないことまでわかったの?」

「え?うん、こういう道具って寝室に置くのは邪魔だから玄関か1階のアトリエスペースに置くでしょ?でもメルちゃんのアトリエにそういうのは見えなかったから、もしかしたら持ってないんじゃないかな~って」

「うは、さすがの観察眼だね~……」


どうやら、私のアトリエに入った一瞬で私が道具を持っていないことを察したらしい。


「というわけで……はいこれ!私からのプレゼント!」


そういって、ジャスミンさんは私に斧を渡す。


------

そよ風の斧 品質A:鋭い切れ味

カテゴリー:採集道具

特性

・風の加護

------


渡された斧は、重そうな見た目に反して私でも扱えそうなくらい軽かった。

なぜこんなに軽いのか疑問に思っているのが顔に出ていたらしく、ジャスミンさんが声をかけてくる。


「えへへ、驚いた?びっくりするくらい軽いでしょ!」

「は、はい……でもどうして……?」

「ふっふっふ~、それはね」

「特性のとこに『風の加護』ってあるでしょ~?それがジャスミンの得意としてる『付与特性』で、その特性のおかげだよ~」


言おうとしていたセリフを取られたのか、ジャスミンさんが固まる。

でも、私の関心はジャスミンさんではなく『付与特性』に移っていた。


「『付与特性』?なんですかそれ?」

「ん~とね~……細かいとこはジャスミンよろしく!」


いつの間にか部屋の隅でしょんぼりしていたジャスミンさんに話の主導権を戻すラナさん。

これがラナさんなりの心遣いなのだろうか……?


それを聞いたジャスミンさんは目を輝かせながら説明に入る。


「付与特性っていうのはある一定の技量を持った錬金術師が扱える、本来存在しないはずの特性のことだよ。『秘儀』って呼ばれることが多いかな。私が使える付与特性は『風の加護』。効果は『物の強度をそのままに軽量化する』だよ。ちなみに、ラナが使えるのは『光の加護』。効果は『能力の向上』……だっけ?」

「ボクのまで説明しなくてもよかったんだけどな~……でも、イメージとしてはあってるよ~」


加護……


私にも……できるのかな。

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