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ジャスミンさんのアトリエ

私はアトリエのドアに『準備中』と書かれた看板(ジャスミンさんが用意してくれた)をかけ、3人でまずは大通りに向かうことにした。

ジャスミンさんのアトリエは大通りに面しているとのことだったので、せっかくだから案内する、と言われた。


大通りは南側にある門から帝都まで一直線に伸びる、2kmくらいの道。

人通りがとても多く、屋台や露店なんかも点在している、商業の要らしい。

そんな大通りがある南側のエリアをまとめて『商業エリア』と呼ぶらしい。


ちなみに、私のアトリエがあるのは帝都の中央から少し離れた『郊外エリア』。

帝都の地図で見ると東側に位置するエリアで、帝都の住民の多くはこのエリアに住んでいる。だから辺りにはお店が多く、かなり活気づいている。


他にも、帝都の象徴であるガリア城がある『中央エリア』。ここにはラナさんがアトリエを構えているらしい。


北側は『貴族エリア』。その名の通り貴族などの上層階級の家などが多くあるエリア。


西側は『工場(こうば)エリア』。服や護身用の剣や杖といった武具などを作るエリア。

兵の訓練施設や詰め所なんかもここにあるとのこと。


今は、それぞれのエリアに1人ずつ錬金術師がいるらしい。

そんな話をしていると、あっという間に大通りに着いた。


「どうぞ、少し散らかってますが、ゆっくりしていってください」


そんなことを言うジャスミンさん。

だけど、アトリエは塵一つないとても清潔な状態だった。

まるで引っ越してきた初日のよう。

これで散らかっているとは……?


「ラナはいつものでいいよね?えっと、メルちゃんはどうする?ラベンダーとかアップルティーとかいろいろあるんだけど……」

「うん、おねが~い」

「あ、えっと、アップルティーでお願いします……砂糖も入れていただけると……」

「うん、ちょっと待っててね」


ジャスミンさんはにこやかにそういうと、アトリエの奥の方に行ってしまった。


「そういえばなんだけどさ~、メルちゃんってどこから来たの?」

「えっと、ファントっていう大きな街の近くの森で暮らしてて、そこから歩いてセイクリッド山に……」

「え、ちょっと待って、森?森でずっと暮らしてたの?親は?」

「あ、私親なしで……物心つく前からそこで暮らしてました」

「えぇ……」


どこか引かれているような気もするけど……気のせいだよね……?


「お待たせ~……って、何かあったの?」


ジャスミンさんが紅茶を持ってきてくれたことで、この話は一回打ち切りになった。

紅茶はとても美味しく、砂糖の加減も完璧だった。


「この紅茶……すごい美味しいです」

「そう?よかったぁ~!頑張って淹れた甲斐があったよ!」


そういって笑うジャスミンさん。

なんとなくだけど、この人たちとはうまくやっていけそう。そう思った。

ご近所づきあいはいつになっても大切。

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