賢者に弟子入り
本日より、サブとしてこちらの小説も書き進めていこうと思います。
理由としては、同じ作品だけを執筆しているとマンネリ化してしまうかなぁ……と思ったためです。
この作品が初めてだという人も、メインの小説を読まれた方も、楽しんで読んでいただけたら幸いです!
今後ともゲームクリエイターもこちらの作品も、応援よろしくお願いします!
ここは魔法が飛び交う世界、”ヴィナヴァロン”。
この世界はかつて、魔王の手によって支配されようとしていた。
しかし20年前、それは勇者が率いるパーティによって阻止された。
そして魔王は討伐され、この世界には平和が戻った。
勇者パーティのその後を知る者は、誰もいない。
そして、現在。
名もなき森に、一人の少女がいた。
彼女の名は、”メル”。魔法使いだ。
齢12にして魔法を習得。そこから3年、魔法を極め続けている。
……が、ある日、あることに気がつく。
私は、人並みの魔法しか知らない。
私は、この世界を知らない。
私は……私には知らない物が多すぎる。
……もっと、色々なことを知りたい。
彼女は旅に出た。
自分の知らないものを知るために。
彼女は、色々な街を訪ねた。
様々な景色を見た。
色々な人に会い、話を聞いた。
しかし、彼女の知的好奇心は収まるところを知らなかった。
そんなある日、彼女はとある噂を耳にする。
なんでも、ここから人里離れた山奥に、かつての勇者パーティの一員である”賢者”らしき姿を見たらしい。
彼女は早速、その山に向かうことにした。
その人なら、私の知らないことを教えてくれると信じて。
山を登り続け、辺りに雪が降り積もり始めた頃。
彼女は、山奥に佇む一軒の家を見つけた。
早速ドアをノックしようとすると、何もしていないのにひとりでにドアが開いた。
「外は寒いだろう。中にお入り」
中から、初老の女性の声がした。
彼女は一礼し、家の中に入った。
中は思っていたより広く、整頓されていた。
様々な場所に本棚があり、住んでいる人はとても本が好きだということが予想できた。
そして、廊下をまっすぐ進んだ先に、リビングが広がっていた。
目の前にはソファがあり、そこに人が腰掛けていた。
「こんなところまでよく来たね。何か用かい?」
女性は気さくな口調で話しかけてくる。
「はい。私はメルといいます。生まれはわかりませんが、ファントという街の近くに住んでいました」
「ファント……東の端にある街だね。そこからここまで1人で来たのかい?」
「はい。この世界を知るために旅をしていました。この付近に立ち寄った際”山奥に賢者らしき人影を見た”という噂を耳にし、ご指南をいただきに参りました」
「なるほど。あなたがここに来たのは、私に弟子入りするためですね?」
「……はい。どうか、ご検討いただけないでしょうか」
「……まぁ、良いでしょう。私のここでの生活も長くは続かないでしょうし、私が教えられること、全てあなたにお教えいたしましょう」
「……!ありがとうございます、師匠!」
こうして彼女は、賢者の弟子となったのであった。
今回は最初ということなので、3人称視点でお送りしました。
少し経ったら1人称にしていこうと思いますので、よろしくお願いします!