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第5章:聖女が国にやってくる(3)

「『聖女』ニィニナ・アルミナ殿! グランドル・バル・リバスタリエル皇帝陛下と、アーリエルーヤ・ミラ・リバスタリエル皇女殿下に、御拝謁!」


 衛兵が高らかに宣言し、謁見の間の扉が開かれる。

 イルが見えない場所から常に見守っててくれるとはいえ、わたしの手のひらは汗まみれだ。風通しの良い服なので、背中にも汗かいてるのが誰にもバレないのは幸いだけど。

 大丈夫大丈夫。ニィニナは良い子。仲良くやれる。

 わたしが心の中で全力首振り人形になっている間に、二人の人物が謁見の間に踏み込んできた。

 めちゃくちゃガタイの良い若者と、対照的に細長い若者。二人はわたし達と適度な距離を取った所で、ひざまずき、こうべを垂れる。


 あれっ?


 ニィニナどこじゃ?


 水色の髪を、戦う決意をした時に短く切ってなお、少女らしさを失わない『聖女』。華奢な身体に熱意を秘めて、みどりの瞳に強い意志が宿る。

 うん、「わたし」はそう書いたぞ。


「皇帝陛下、皇女殿下、お目にかかれて光栄です」


 ガタイの良い方が口を開く。これまたハスキーなイケボだな。剣を腰に帯びているけれど、どうにも造形がわたしが描写した『セイクリッディア』に似ている。


 ……というか、まんまじゃね?


 わたしの嫌な予感をたしかなものにするかのように、ガタイの良い若者は、ハスキーボイスで名乗りをあげた。


「『セイクリッディア』に選ばれし、ニィニナ・アルミナにございます」


 ハイーーーーーーーーーッ!!

 言った!? ニィニナって言ったその白い歯がまぶしいお口から!?

 いやいやいやいや! 違うだろ、『セイクリッディアの花輪』のニィニナと、似ても似つかんじゃろ!

 いや……刈り込んだ髪はたしかに水色だし、凜と顔を上げてこちらを見つめる瞳は碧。


 だけどな!?


 何その歴戦のつわものみたいな逞しい顔つきと、ムキムキマッチョな体格!? 袖の無い服から見える腕は、力こぶを作るまでも無く筋肉モリモリだし、身長も大分違うぞ!?

 あとその声! 「わたし」はニィニナの脳内CVに、みゆゆこと清白すずしろみゆをあてていた。普段は凜々しい女声が多いんだけど、たまに出す可愛い声が、これまた愛らしいんだ。そっち。そっちあててたのに、今はハスキーで凜々しいみゆゆ声だぞ!


「……あ、ああ」


 わたしが目をおっ開いて固まった理由を察したのだろう。ニィニナが、ごつい顔に出来うる限りの照れを乗せて、自らの身をあらためた。


「『セイクリッディア』は、女の細腕では、振り回すどころか持つ事も難儀でして。ミナ・トリア国王陛下のもとで修行を積んで、この身体を手に入れたのです」


 うんはいそうだよねーッ!

『セイクリッディア』は特殊な金属を使っているので、男子でも振り回すのが大変な剣。「わたし」が書きましたッ!!

 そりゃそうだね筋肉いるねーッ! お引き取りくださいって六年も前に言ったろ、仕事すんなリアリティ警察!!

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