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第4章:出たなフラグ確立魔!(6)

「ところで、アーリエルーヤよ」


「何ですの、お父様?」


 シフォンケーキを堪能した皇帝が、ナプキンで口を拭いながらわたしを呼ぶので、さらりと金髪を肩に流して小首を傾げる。

 もうそこに、愛娘にデレデレの父親はいない。一国の皇帝の顔をした男性が、唇を引き結んで、わたしを見つめてくる。


「二年前にコロシアムで襲撃を受けて以来、お前の周りには、暗殺者がうろついておる。イルはお前には言わぬが、儂に報告してきたネズミの数を、儂は正確に把握している」


 あっこれ、この「ネズミ」は、さっきイルが食べようとしていた丸々したやつじゃない。比喩だ。

 というかイル、わたしに黙って、皇帝にはきちんと報告していたのか。この二人の間で、アーリエルーヤ(わたし)を守る為に、男同士の約束でも交わしたのか。

 あー。迷惑かけてるなー。申し訳ないな……。

『セイクリッディアの花輪』だと、「アーリエルーヤ」は国内だけでなく、大陸各地の王侯貴族から命を狙われていた。まあ、そのことごとくを、「ナダ」が潰してきたのだが。


 ……いや。「ナダ」だけじゃあない。


 まるでわたしがその考えに至るのを待っていたかのように、皇帝が続きの部屋を振り返る。


「このままでは、お前の命が危うい。そこで、つ国で占星術にて王族を繁栄に導いたという術士の力を借りる事にしたのじゃよ」


 その言葉に合わせ、続きの部屋から、背の高い一人の男性が姿を現す。


 ……嘘じゃろ。


 わたしは目を見開いて固まる。指先がぷるぷる震える。背中を冷たい汗が流れ落ちてゆく。


「占星術師のディアヘイムダル、と申します。何卒、今後ともお見知りおきを。アーリエルーヤ皇女殿下」


 血のように赤い髪と、底の知れない黒い瞳を持つ、イルとは別種の美貌。

「わたし」が書いた、「アーリエルーヤ」が契約した「悪魔」そのものの姿で、そいつは、優雅な礼をしてみせた。

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