遊園地とお出掛けで問題発生です4
俺と詩音は映画館に入る。
少し後に霊夢と魔理沙が入っていった。
「映画とか、これは紛れもなくデートだな」
「そうと決まったわけじゃないでしょ!とりあえずなんの映画を見るのか知らないけど私たちも見るわよ!」
「はいはい」
俺は受付に映画のチケットを渡す。
「はい、2名様ですね。お席の方はこちらでよろしかったでしょうか?」
受付が指したのは真ん中辺りの席だった。
「はい、そこで大丈夫です」
「かしこまりました。・・・それではこちらをどうぞ。どうぞお楽しみくださいませ」
「ありがとうございます」
「岳、買ったよ」
受付を済ませると、ポップコーンなどを買った詩音と共に3番スクリーンの部屋に入る。
真ん中の席だったので結構空席なのかなと思ったが、半数以上の席に客が座っていた。
「真ん中だったんだ。よくこの席を取れたね」
「多分お燐から貰ったチケットが特別なものだったからじゃないか?予約してないからな」
「ふ~ん、そういえば映画ってどんなのだっけ?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
俺は映画の内容を詩音に伝えた。
「へぇ~、楽しみだね」
「お、おう」
岳と詩音の会話を霊夢たちは後ろ側の座席から見ていた。
「なぁ、霊夢。この映画何だぜ?」
「知らないわよ」
2人に気付かれないようにひそひそ話している霊夢と魔理沙だったが、上映が始まったのか、部屋が暗くなった。
1時間半くらいで映画が終わり、俺と詩音は映画館を出る。
「・・・最後お母さんに再会できて良かったね・・・」
詩音は目に涙を溜めていた。
「あ、あぁ・・・」
映画では、最後に迷子になった子猫が母猫と再会するのだが、オチとしては、迷子になった子猫は自分が迷子になってしまったという実感を得ていないまま母猫と再会しただけであった。
迷子だった子猫に危機が訪れるのかと思いきや、子猫が蝶を追いかける、風に揺らめいている旗を目で追うといった猫がしそうな事が起こっただけのほのぼのとした映画であった。
可愛らしい猫を見る事が出来た映画であり、感動的だったのかもしれないが、俺自身は涙を流すほどではなかった。
詩音は意外と感情移入しやすいのかもしれない。
「ふぁ~あ」
魔理沙が退屈そうに欠伸をしながら映画館を出る。
「あれのどこが泣けるのよ・・・」
霊夢が詩音を見て呟いた。
「もう昼過ぎてるしどこか食べに行くか?」
「そうだね」
霊夢と魔理沙が尾行していることに気付いていない俺と詩音は喫茶店に入った。
霊夢と魔理沙も喫茶店に入り、岳と詩音が見える離れた席に座った。
「ご注文は?」
「メロンソーダとハムサンド」
「私は抹茶ラテとフレンチトーストで」
「かしこまりました」
店員が去っていくと、霊夢は2人をじっと見る。
2人は楽しそうに話していた。
俺はタマゴサンドとレモンティー、詩音はバゲットサンドとコーヒーを頼むと、会話をしていた。
「やっぱり習い事は大変か?」
「うん、でも幼少の頃からやってることだからね。もう慣れちゃった」
詩音は多くの習い事をしている。
薙刀、書道、茶道、ピアノやバイオリンなどの楽器教室、英会話を習っており、塾にも通っている詩音は時間が取れる方が珍しい。
その中でも薙刀やピアノは小学生の時から習っている。
ピアノについて俺は小学生の時に詩音のピアノ演奏を聴いたことがあったのだが、綺麗な音色だった。
また聴いてみたいものだ。
「すまないな。せっかくの休みを・・・」
「なんで?せっかくの休みだからこそ、こうやって有意義に使いたいと思うでしょ?」
「そ、そうだな」
休日は予定がない限りはゆっくりしたい派なのだが、人それぞれか。
店員が頼んだものを持ってきて、俺と詩音は食事を始めた。
「・・・ねぇ、岳」
「ん?」
タマゴサンドを口に咥えたまま詩音を見る。
「ずっと思ってたことだけど、私の顔見ながら話していないときあるよね?」
「そうか?」
俺は詩音の顔を見るが、ふと目を逸らした。
「ほら、今も逸らした!」
「・・・」
俺は咥えたタマゴサンドを食べると、レモンティーを飲んだ。
「そんなに気にしたことないって」
「じゃあ今ちゃんと私を見てよ」
「わかったよ」
俺は詩音をじっと見る。
「「・・・ぶっ!」」
俺と詩音は互いに吹き出した。
「ちょっと!なんでそんな面白い顔をするのよ!」
「違うって!詩音の方が面白い顔してたって!・・・なんか、久しぶりだな。こんな馬鹿みたいな会話したの」
「ふふ、そうね。なんか久しぶり」
俺と詩音は何気ない会話をしながら昼食を食べ終わると、喫茶店を出た。
時間は午後2時になろうとしていた。
「どこ見ていく?」
「う~ん・・・岳が良かったらゲームセンター行きたいな。今日は思いっきり遊びたいから」
「いいよ。行こうか」
俺は詩音とゲームセンターへと向かった。
「次はどこに向かうんだ?」
「知らないわよ。とにかく行くわよ」
霊夢と魔理沙も喫茶店を後にすると、尾行を再開した。
ゲームセンターにはUFOキャッチャーやプリクラ、その他のアニューズメント施設などが揃っていた。
「あぁ~!あれ欲しい!」
詩音がUFOキャッチャーの景品にあるアザラシのぬいぐるみを見る。
「おい、これは大きくないか・・・?」
景品のアザラシは、ぐったりと眠っているゴマフアザラシの赤ちゃんのぬいぐるみであった。
ただ、サイズが40cmを超えていた。
「あれは・・・取れるのか?」
「ねぇ、岳。取って」
「マジか・・・」
俺はとりあえず100円を入れてUFOキャッチャーを操作する。
アームはぬいぐるみを掴んだが、ぬいぐるみは少しズレただけだった。
「こりゃあ、結構額使うな・・・」
ただ、詩音が欲しいものなので、俺はUFOキャッチャーに挑戦した。
・・・挑戦12回目。
「う~ん・・・ここまで来たらアームで押せないかな・・・」
俺はアームでぬいぐるみを押してみるが、ぬいぐるみは微動だにしなかった。
「全く変化なかったね」
「仕方ない、地道に動かしていこう」
俺はその後お金を入れてUFOキャッチャーを操作した。
ぬいぐるみはもう少しで落ちる所までいった。
「これならあと1回で落ちそうだな」
俺は100円を入れて、ぬいぐるみを落とすことに成功した。
「やったぁ!ありがとう~!」
詩音は俺からぬいぐるみを受け取った。
「可愛い~!」
詩音は可愛らしい物が好きだ。
今の部屋はどうなのか知らないが、小学生の頃に遊びにいった時は、ぬいぐるみがたくさん置いてあったのを覚えている。
「まだ部屋ってぬいぐるみでいっぱいなのか?」
「うん!だって可愛いもの!」
「そうか。他は良いか?」
「うん、これだけで満足だよ。お礼にと言ってはなんだけど、私がお金出すから一緒にプリクラでも撮る?」
「うえっ!?」
思わぬことを言われ俺は声が上ずってしまった。
「何?私とじゃ嫌?」
「いや、そうじゃないけど」
「じゃ、入ろ?」
俺は詩音に連れられプリクラの中に入る。
「今時スマホがあるからプリクラってだいぶ減ったよね」
そう呟きながら詩音がプリクラを操作する。
「よし!岳!もっと顔近づけて!」
「まだ近づけるのか!?」
俺はそう言いながらも顔を詩音に近づける。
プリクラの画面には俺と詩音が映し出されているが、お互いの顔の距離が近い・・・
俺はプリクラのシャッターが切られるまで、顔が赤くならないことを願いながらカメラを見ていた。




