表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生少女はルーン魔法使い  作者: 白星光
6/15

6.宿屋

少し短いかもしれません。個人的には1話3000字くらいを目指したいのですが、切りのいいとこまでとなると難しい……

「いらっしゃいませ!あ、イルナさんにカイジンさん!」

 私と同い年くらいの子だろうか。青髪で綺麗なアクアマリンの瞳をしている少女が奥から出てきた。


「この子を泊めたいんだけど、ライベルトから聞いてないかしら?」

「はい!聞いてます!あなたがネルヴァちゃん?」

 私の方を向いて聞いてくる


「はい、そうです、よろしくお願いしますね、えーと」

「マリナです!こちらこそこの宿を選んでくれてありがとうございます!1泊夕食、朝食付きで小銀貨5枚です!何泊にしますか?」


「とりあえず1週間お願いします」

 私はポーチから銀貨4枚をマリナちゃんに渡す。


「はい!では小銀貨5枚お返ししますね、お部屋は203号室となります!これが鍵です!」

 マリナちゃんから私は鍵を受け取る。


「部屋は2階になるのでそこの階段を上がり、つきあたりを右に曲がってもらえばわかると思います!トイレと食堂は1階にあり、夕食と朝食の際は食堂で鍵を見せてもらえれば持っていきますので鍵は忘れずお持ちください、最後に体を拭くために水の入ったバケツとタオルを1日1回は無料で利用出来るのでその時は声をかけてください」


「ありがとうございます、あ、あの……マリナちゃんって呼んでいいかな?」


 それを聞いた途端マリナちゃんは目を輝かせて何度も頷く。

「勿論いいよ!あと丁寧な言葉遣いもやめてもっと気楽に話してほしいな!」

 マリナちゃんはニコニコ笑顔で距離を詰めてくる。前世でも今世でもボッチだった私にその笑顔は眩しい。宿屋の看板娘をしているだけあってコミュ力も高いようだ。


「う、うん、分かったよ、これでいい?」

「うん!」

 私は初めて友達ができた喜びで笑顔になる。


「「か、可愛い!!」」


 イルナさんとマリナちゃんが私にくっついてきてじゃれあう。私が笑ったのが随分お気に召したらしい。私の頭を撫でたりと子供のように扱ってくる。イルナさんはともかくマリナちゃんはそんな歳変わらないはずなのだがだが、こういうやり取りは新鮮で私はされるがままであった。



 その後2人から解放された私は食堂に向かう、イルナさんとカイジンさんは一旦荷物を置いてからくるようだ。私はこのポーチに荷物が全部入っているため問題ない。食堂に入るとなかなかに騒がしく酒臭い。店の雰囲気から見ても食堂というよりこれは酒場だろう。私は空いている席がないかきょろきょろと辺りを見渡しているとライベルトさんがいた。夕食を食べている最中のようだ。向こうもこちらに気付いたらしく手を挙げてくる。私がライベルトさんのいる席に近づくと座るように促してきたため席に座る。


「宿の方に話を通しておいたが問題なかったか?」

「はい、先に宿を取って下さりありがとうございました」

「気にするな、と言いたいところだがネルヴァは気にしそうだな、礼は素直に受け取っておこう」

 私がライベルトさんと話していると黒狼の残りの2人もこちらに来て席に着く。


「マスター!!宿の定食3つ頼む!!」

 カイジンさんが周りの喧騒にかき消されないように声を張り上げる。するとマスターと思わしきいかつい男性がこちらに向かってくる。


「おう!三人分だな、ドリンクは?一杯までなら無料だ」

「「エールで!」」

 カイジンさんとイルナさんはエールを頼む。ちなみにライベルトさんもエールを飲んでいる。私はアルコールは流石にまだ早いと思いどうしようか考えていると、マスターが話しかけてきた。


「嬢ちゃんはどうする?酒は早そうだからな、あるのは水とミルク、それにオレンジジュースもあるぞ」

「えーと、それじゃあオレンジジュースで」

「わかった、それじゃあすぐ持ってくる」



 料理が来るまで時間があるようなので黒狼の人達と会話する。内容は先輩冒険者のありがたいお話や私が受け取ったペンダントと指輪の話なんかもした。ペンダントは魔道具になっており魔力自動回復(小)の付与、指輪はルーン刻印がされており効果は使い魔召喚(鳥)だった。ルーン魔法で召喚出来る使い魔は、結界でも見た青みがかった透明のガラスのようなもので動物の体を形成したものだ。この指輪だと鳥限定の使い魔召喚で鳥類であればイメージ次第で割と自由にできるようだ。しかし体全体が魔力で構成されているからか燃費が悪く、更には攻撃手段がない。一応体当たりなんかは出来るのだが脆いため逆に使い魔が砕けてしまう。鼠や鳥の使い魔を召喚し、視覚共有を行い偵察するのに使用するというのが基本的な使い方らしい。動物の形をしているだけで意思はないため使い捨てに出来るのがメリットだとか。この辺りのことはギルマスから聞いた。使い魔召喚の指輪はお母さんが冒険者時代でも使っていたため知っていたとのこと。

 ルーン魔法は魔力浸透スキルが必須で、その後ルーン文字を覚えて使えるようになる。しかしスキルレベル1では全くと言っていいほど戦闘では使えないし、スキルレベルが上がっても出来ることは広いが器用貧乏で習得難易度を考えると割に合わないというのがマイナーな理由のようである。これもギルマスから教えて貰ったことだ。ギルマスが何故こんなにルーン魔法について詳しいかと言うと、昔お母さんが空宙に文字を書いているのを見てかっこいいと思って習得を試みたからだそうだ。結局挫折し諦めたと笑いながら話してくれた。

 魔力自動回復が付与されているペンダントの方はイルナさんに羨ましがられた。なかなか珍しいもので効果が(小)でも買おうと思えば金貨10枚は必要だとか。バレたら盗もうとするやつも出てきそうだから基本誰にも言わないでおこうと私が言えば3人共それがいいと賛成してくれた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ