第一
・落日の刻、影は彼方へ
簡潔批評:得体の知れない化け物、『蜃鬼』の立ち位置と世間的概説を語る導入部分
感想:ストーリーに入る前の下拵えや仕込みといった印象を受けた。なのでストーリー方面で言えば薄味だろう。だが、不思議や違和感を感じさせるには十分だったと思う。蜃鬼という現代にほぼ明確に存在する怪異との駆け引きが重要になるのだろうと感じた。
・妖怪屋敷の箱入り娘
簡潔批評:誘われた青年と怪異に魅入られた女子の小さな約束と大きな代償
感想:勝手にジャンル分けするのならば恐らくホラーラブストーリーになる。帰らずの屋敷と凛花は関係深くとも独立していて、立場も力も屋敷の方が上だろう。最期はどうやって怪異と立ち向かうのかが少し気になるところだろうか。
・夢の続きを、僕は雨天に綴る。
簡潔批評:時間と世代を超えた切なくも儚い恋の"夢"物語
感想:時間と場所がよく飛ぶが大凡主人公が主視点で分かりやすいとは思う。夢の中で主人公が同化しているのは彼の父だろうか。となると夢は過去の再現か。だが二回目の夢で一気に時間が飛んだのでまだなんとも言えない。手紙の内容はあらすじに書かれていた文でいいのだろう、多分。最後が少し不穏な様相なので一筋縄ではいかないと推測する。
・貴方が落としたのはこの金髪の少女ですか? それとも銀髪の少女ですか?
簡潔批評:サッカリン水をホースでぶっかけられるくらい勢いのあるギャグコメディ
感想:勢いはある。というか勢い8割では?面白いより哀れで笑わせてくる。何も考えなくてもパーっと読めるのはいいと思う。
・俺はサル山のボスになる。
簡潔批評:あえて明かされなかった人物達の関係性を紐解いてゆく一風変わったミステリー
感想:タイトルで提示された『サル山』という言葉自体に作中での人物達が何個か推測の意味を提示している。ここから発展していった問いが結果としてその前に起こった刑事事件に発展し、名前の登場した幼馴染みの4人がそれぞれ指名手配中の容疑者、事件を追う警察官、無知の協力者、そして事件の恩恵を受けた者だったと最後で明かされた。この四人の関係がどうなるのかは少し気になるところ。
・召喚士ルイは友を喚ぶ
簡潔批評:同世界転生モノの王道
感想:ストーリーは薄味だがシチュエーションはかなり美味しい。私が言うのもなんだが簡潔にできるだろう描写が多くてもう少し設定を詰め込めたと思う。ただ"ライト"ノベルならこんな分量がいいのか?わたしには判断しかねる
・悲愛偏哀、あいしあい。
簡潔批評:お互いストーカー気質な男女のヘヴィラブ
感想:心理の傾向は好き。シチュエーションもそこそこ好き。ただ最後の改行連斬は半分くらいでよかった気がする、流石に長かった。ただその点以外は特に非の打ち所は少ないだろう。
・天才どもを、喰い殺せ
簡潔批評:渇望の秀才と無知な天才の物語
感想:シチュエーションはよい。よいのだけど、よいのだけど……吐露が比べて軽い。有り体に言えば子供っぽいかチープ。絵を巡る物語なので主人公が文学的な比喩表現ができないのは分かるのだが私の好みで言うとどうしても軽く感じてしまった。だけど、面白くはありそう。
・妹に殺されるのは俺だけでいい
簡潔批評:能力に振り回される妹を支える兄の話
感想:現代異能モノは進んで読まない私だがこのシチュエーションであればかなり好き。警察の部隊の動きが少し杜撰なのでそこはもう少し有能にしなければならないだろう。新人部隊ならまだしも熟練なら完全鎮圧までは気が抜けないと思う。そして、これは唐突に兄妹に能力が覚醒したって事でOK?唐突に殺されかけてたから三回目読み直すまで気づかなかったわ。
・サクラ、歌ってくれよ
簡潔批評:歌で、音楽で、神隠しを乗り越えるだろう物語
感想:ヤサグレ具合はさておいて、経緯の説明に違和感はそこまでなかった。そうなんだなーと読み進め、件のヒロインの登場と事情説明。これも緩やかなんだけど心理が唐突でもう少し苦悩はあって欲しかったなーと思ったり。
・紅蓮に燃ゆる魔人覚醒
簡潔批評:書き出し最後のインパクト極振り、だが好き
感想:正直簡潔批評で私の意見はほぼ言い切った。ラストまでは怠いなーと思っていたら思っていたより唐突に畳を返してきた。そっち側だったかぁ…というのが感想になるかな。それはそうと主人公はどこの部位が好き?私は[自主規制]
・ハルキゲニアの背中のトゲトゲ
簡潔批評:ラヴじゃねえ、ミステリーだこれ
感想:化石発掘か考古学のラヴストーリーかなーと思っていたらミステリーだったわ。いやほんと。これいい意味でパッケージ詐欺ね。それと、主題のトゲトゲの説明と比喩は書き出し以降は関係あるのだろうか。
・絶望坂を蹂躙するのは悪役令嬢か復讐王子か
簡潔批評:最初の山場、逃げるシーン→巻き返し開始まで
感想:うすあじ。すまん、私この系統やっぱり好きじゃない。私の意見は当てにせずこの作品が好きな人の感想をアテにしてくれ。…一言だけ伝えるのなら会話多い。描写でいける気がする
・世界一のお前を殺せるまで、俺は何度でも殺され続ける。
簡潔批評:イキリをベッキベキに折って好意を向けさせる策士
感想:折れる前は嫌いだけど折れて立ち直って復讐心をメラメラとさせるヒロインちゃん可愛いよ。名前物騒だけど。もう少し日本社会に溶け込める名前でよかったんじゃないかな…雪堕は流石に笑う。どうやって勝つのが見ものになりそう。
・下敷きにしてしまった小柄なあの子と、この頃やたらと目が合う件。
簡潔批評:タイトル通りの素直な作品
感想:角砂糖で私には食えない。ヒロインの押しはいいんだけど受けた時の日和ようはなんか…違うんだよなーという。やるならやるでもう少し押し引きをデカくした方が私好みだった。だけど私の好みは歪んでるし気にしなくていいよ、別の人の感想を参考にしてくれ
・俺のプラモが最終防衛兵器なんだが!?
簡潔批評:戦闘シーン見せずに終わるのは卑怯だと思います
感想:経緯と転換で全部持ってかれて変身+行くぞ!で終わっちまったから良し悪しの評価ができない。かなりうすあじ
・烏森の魔女が助けたのは、『心の欠けた僕』でした
簡潔批評:究極の選択を小学生に迫る悪逆非道の魔女
感想:ヨシヨシヨシヨシ…と読める感じの作品。粗方読めていたが変に裏切られることもなく進行。題材の割に素直で真っ直ぐな作品なので闇性癖の入門向けだろう。私は迷いなく心臓渡す。渡して魔女に呆れた目をされたい感ある
・人形のように生きていたら本当に人形になったので
簡潔批評:名が亡き人形と僕達が織りなす復讐劇
感想:どう能力を活用していくかが楽しみ。復讐モノにおいて私が楽しみにするのはその手口ややり方なので見方が違うと思うがご了承を。個人的に私が見たいのは復習しきったヤツの人体を操り利用して更に復讐を行う傀儡パート。
・あやかしお悩み相談所
簡潔批評:依頼毎に話が大きく変わりそうな作品
感想:同じ世界観で何本も物語を作れるから簡単な反面ネタが尽きるととことんやり辛いような作品傾向。ネタ切れになるまでにどこまで作れるかが肝心になりそう。
・キミは放課後のアイテムマスター
簡潔批評:ありふれているが数が少ない、帰還してきてから始まるラプコメディー
感想:あらすじは本文のシチュエーションに至る前の説明か。全体的に流れが緩やかで優しい感じ。するするーっと読める。私はこのノリが美味しくはないが完成度は高く感じる。放課後の名にふさわしいゆったりした作品だった。
・夜明けの海を歩くには
簡潔批評:ウリのはずのSFがほぼ見えなかった
感想:4000字じゃ足りなかっただろ。状況定義と軽いキャラ設開示くらいで終わった。ストーリーは進展無くうすあじなので続き読まないと何も言えない
・高嶺の花とは呼ばせない!!《クール(と勘違いされてる)系女子とのドタバタ奮闘記》
簡潔批評:会話8割、タイトルと反せぬ怒涛の流れ
感想:最初に言っておくと私は好きじゃない。ただヒロインの観られた後のノリは好き。それくらいかなぁ…とりあえず、何も考えずに読めるのは利点だろう。
・団地の花子さんと死にたい死神くんの人生実況解説動画
簡潔批評:重い設定と緩い雰囲気を混ぜたキメラ作品
感想:主人公がかなりチョロい。さっきまで絶望していたはずなのにすぐ堕ちてて笑う。ただまぁ、最後の意識失ったところを見るにこのまま軽いだけではいかないのだろうな、とは思う
・神の子と魔女見習いの異世界譚
簡潔批評:異世界行き?ファンタジー→現代への逆輸入?まだ先が読めない作品
感想:タイトル的に異世界行きだとは思う。ただ、書き出しの中で移動していないからそのようなまとめにした。感情が色で見えるは数あれど、その設定をどう活かすかが私としては少し楽しみ。
・木星、行きます~人類で初めて超音速へと到達した魔女が木星へ辿り付くまでの物語~
簡潔批評:副題前半回収、竜頭蛇尾にならないことを恐れる
感想:理論的ファンタジーで好き。ただ、この勢いで書いていくと途中でマンネリ・パターン化してつまらなくなるのではないかという危惧があり手を上げて喜べないのも事実。開発中に蛇足な邪魔キャラが出ないことを祈る。