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短編集

ミドリムシの冒険

作者: 栄啓あい
掲載日:2020/01/15

 あるところに、ミドリムシくんがいました。


 ミドリムシくんは、ずうっと水の中にいて、人間には見えないくらいとっても小さな虫でした。


 ミドリムシくんは、


 「ぼくもお外に出てみたいな」

 「だめよ、お外はとっても怖い生き物がたくさんいるからね」

 「出てみたいー!」


 と、いつもお外に出たくてごねていました。


 ある時、そんなミドリムシくんのもとに、とても大きな魚がやってきて、食べられそうになりました。


 ミドリムシくんは助かったけれど、他の仲間はたくさん吸い込まれていきました。


 「ゾウリムシくん、ミカヅキモくんもいなくなっちゃった…」


 しかし、そんなミドリムシくんを気の毒に思ったのか、メダカくんがやってきて、


 「ミドリムシくん、こんにちは」

 「僕、お外の世界に行きたいの」

 「そうかそうか、ならば連れていってあげようか」

 「ミドリムシ、無茶言わないの」

 「お母さん、メダカくん、とっても優しいの!行きたいっ!」

 「でも…」

 「お母さん、心配しないでも、大丈夫ですよ。私がちゃんと保証します」

 「あらそう?助かるわ。じゃあ、メダカさん、お願いします!」

 「いってきまーす!」


 そうして、ミドリムシくんはメダカくんと一緒に出掛けたのだった。


 メダカくんに乗ってやって来たのは、ひろーい川の世界。


 とても大きな魚がいっぱいです。


 「ヤマメさん、イワナさん、こんにちは」

 「こんにちは!」


 メダカさんは、川をぐんぐん進んで行きます。


 突然、メダカくんは、止まりました。


 ある沼に到着したようです。


 「ここからは、カエルさん、お願いね」

 「はいよ!任しとき!」


 ミドリムシくんは、メダカくんからカエルさんに移りました。


 「どうだい、川の外は」

 「すごい!すっごく大きな世界が広がっている!」


 ミドリムシくんは、ひどく感動したようです。


 カエルさんは、ぴょんぴょんぴょんぴょんぐんぐんぐんぐん進んでいきました。


 途中、森に来ました。


 たくさんの植物があることに、とても驚きました。


 しかし、水のない世界、少し不安も募ります。


 カエルさんが森を進んでいくと、カエルさんは何かを呼びました。


 出てきたのは、ヘビさんでした。


 「ヘビさん、こんにちは。」

 「こんにちは。カエルさん、何をしているの?こんなところへ」

 「ヘビさんに、会いに来たんだよ。ほら、全然怖くないよ~」 


 ミドリムシくんは、ヘビさんのことを少し怖がっていました。


 しかし、ヘビさんはとても優しくて、素敵な人でした。


 「そこにいるのは誰だい?」

 「こちらは、ミドリムシくん。」外の世界が見たくて、やってきたんだぞ!」

 「そうかそうか、じゃあ、僕についていったらいいよ!僕はこう見えても、ちょっと早いんだぞー!」

 「じゃあ、今度はヘビさんにお願いしようかな」

 「ヘビさん、お願いします!」

 

 そうして、ヘビさんの上に乗りました。


 ヘビさんは、森をぐんぐん進みました。


 森は暗くて、たくさんの大きな動物がいました。


 「森にも僕みたいな子はいるの?」

 「いるよ。もっともーっと小さな子もたっくさんいるよ。それは、悪い子もいるけど、良い子もたくさーん働いてくれてるんだよ」

 「そうなのか!森ってすごいんだな」


 ヘビさんはさらに進んでいくと、景色が開けました。 


 「うわあーすごくきれい!海よりもっと広いよ!」

 「今度はまたバトンタッチをしよう!鳥さん、おいでー!」

 「はーい、きょーうはどーしたのー?」

 「突然だけど、このミドリムシくんを空の世界に連れていってほしいんだ」

 「おーやすーいごーようー。」

 「ありがとうー!じゃあ、よろしくね」

 「ヘビさん、ありがとう。鳥さん、よろしくね!」

 「いーきましょー」 


 ミドリムシくんはそんなこんなで、空の旅へと飛び立っていきました。


 「空ってすごい!海を見下ろしているみたい!」

 「空はみんなの夢あーるよー♪みーんな楽しく飛んでーるよー」

 「鳥さんも楽しいの?」

 「そーりゃたーのしいよー。みーんなーといっしょーにおーはなしでーきるー」

 「鳥さん、こんな感動ありがとう!」

 「こーちらーこそー。ぼーくの予感だと、そろそろお別れになーるかも」

 「そうなの?短かったけど、楽しかったな。」

 「あーりがーとねー」


 そんなほんわかしていた中、声が聞こえた。


 「ミドリムシ、探知。宇宙へ送ります」


 人間の声だ。


 その途端、謎のもので吸われた。


 「ミドリムシ、見つかりました?」

 「この中にいる。ロケットに積んでください」

 「積んだらすぐ発射だ」 


 「ぼく、どうなっちゃうんだろう」


 最後に出会ったのは、ロケットくんだった。


 「ミドリムシクン、コレカラ、ヒローイウチュウノナカニイクヨ。トッテモステキナトコダカラ、オタノシミニネ」

 「わ、わかったー!」


 そして、ロケットくんの中に乗って、勢いよく地面から離れた。


 それは星を越えていき、暗い世界に飛び込んだ。


 銀河が広がっていて、神秘的な、素晴らしい光景だった。


 「うわあー!すごーい!いろんなところを巡ってきたけど、こんなにきれいなものがあったんだ!」

 「アレハ、カセイトイウノデスヨ」

 「火星、そんなのがあったんだ!海ではわからないことって、たくさんあるんだなあ」

 「コレハ、ミンナカラノ、オクリモノ。ミドリムシクン、ズットイキタガッテタ。ダカラ、ミンナデキョウリョクシタ」

 「そうなんだ!てことは、お母さんも?」

 「ソウダネ」

 「みんな、僕のことを、考えてくれてたんだ、ありがとう!楽しかった!」

 「コチラコソ、ト、チキュウノカタガタガイッテイマス」

 「ありがとう。最高だよ!」 


 そうして、ミドリムシくんは、旅の終わりとなった。


 ミドリムシくんは、みんなのおくりもの。


 そして、そのみんなは、誰のおくりものなんだろう。


 進化があってみんながあるのならば、ミドリムシくんのおくりものかもしれないね。


 みんなで、おくりあって、平和になろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後は宇宙へ! 壮大ですね〜。 ほんわかして楽しかったです。
2023/05/05 17:03 退会済み
管理
[一言] ミドリムシくん、プレパラートにされちゃうのではとドキドキしていましたが、まさかの宇宙へ! スケールの大きな話にわくわくしてしまいました。 ちょっと調べてみると、1970年代からNASAでは…
[一言] ミドリムシくんが託されていく動物が、どんどん食物連鎖の上位種になっていくのが興味深かったです。 この世界ではメダカが蛙に食べられることもなく、蛙が蛇に竦むこともなく、蛇は鳥に食べられない。 …
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