ピアスホール
小さな穴ひとつ
たったそれだけで
大人になれると思った
変われると思った
小さな穴ひとつ
たったそれだけで
見え方が変わると思った
世界が変わると思った
突き刺さった音は思ったより大きくて
少し怖くなった
突き刺さった針は思ったより痛くて
少し涙が出た
そのことに瞑目した
自分はやはり子供だと気づいた
そのことに項垂れた
自分の浅はかさを嘲笑った
この程度で大人になれるわけがない
こんなことを考えているうちは
この程度で世界が変わるわけがない
心に触れる小さな痛みに嘆くうちは
それでも私は
馬鹿のひとつ覚えみたいだけど
だからこそ私は
いつか変わる日を求めて
耐えるようにそっと
耳朶に針をあてがう
令和になりました(0時からですよね?)から、新しい時代になってもぶっちゃけ自分は変わらない、新しいことをしても自分は自分のまま、という少しひねくれた詩。
痛くないなんて嘘です。痛いです。
皆様、ピアスホールを開けるときは病院でやりましょう。それから秋か冬に。膿んでしまったら最悪ですから。