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じいや


ーー暗転。再び目を覚ました場所は、見知らぬ天井。


「ここは...どこだ?」


どこかの部屋である事には間違いない。

だが、こんな部屋は今まで見たことがない。


家具は最低限揃えてあるが、遊び心がないというか趣味らしい家具は一切揃えられていない。


下には見たこともない絨毯が敷かれていた。


どうやらこの絨毯の上で寝ていたようだ。


絨毯といっても硬いシートの様な感触がする絨毯だ。

間違いなく高級なものではないだろう。


「いったい...どうなってんだ...俺は確か....」


昨夜、日課の腋の画像が眺めていた事までは覚えている。

しかし、いかんせんその後の記憶が思い出せない...


変な夢を....見た様な気がする。


内容もぼやけていてあまり覚えてないが奇妙で不思議な夢を見た気がする。


まぁ..でも、それは所詮夢。


俺は頬をつねり意識を覚ますと同時に気分を切り替えようとした。


「なにかわからないことでもありましょうか?」


なにやら、執事の服を着た初老の男に話しかけられた。

見るからに怪しい。


「いや、わからないことをあげるならまずあんた誰?」


「私はどの国にもいるオペレーター。適当にじいやとでも名乗っておきましょうか。主に、いきなり飛ばされてわからない王様を助ける役を果たしております。」


王様...?俺が、王様?一体何の事だっけ?

確か夢にも出てきた様な..?


俺は薄れ遠のいた記憶の中から昨日の夢を思い出そうとする。


.....うん、思い出せない。


普通の人間は昨日見た夢なんて覚えてないだろう。断片的には記憶にあったとしても線密に思い起こす事など大半だ。


小学生がよく話す鉄板トーク、昨日の夢の話なんて大半は嘘と捏造で塗り固められていると俺は信じている。


「ごめん、特に何一つ思い出せない。一から説明してくれ。」


じいやは、一つ、コホンッと小さな咳をした。


「簡単に言えばですな。あなた様は昨日神に選ばれて王様になったのです。貴方が作った国はアブノーマルな事を全力で行う国です。当面の目的としましては、この国を他の国などど合併したりして土地を増やしていき、貴方様が望むニート生活を送れる様になるまでが目標です。」


「別にいまからニート生活してもよくね?幸い執事も一人いる事だし。」


このじいやには俺が最大限楽できるニート生活を送るための礎になっていただく計画まで頭に思い描いた。


「いえ、今のままでニート生活を送ったとしてもいつ敵が攻めてくるかもわかりません。こんな出来立てホヤホヤの弱小国など格好の餌食です。それにもし、まんがいち敵が攻めてこなかったとしてもまだ我が国には食料を生産する農民が一人もいない状況にあります。このままでは、食料が後1週間ほどで尽きますので餓死する未来しか待っておりません」


...つまり、この国でニート生活を送るためには十分な食料と十分な土地を手に入ればならないのか。

せっかく異世界でハーレムニート生活ざ送れると思ったら現実並みにハードゲームだな。


「次に、戦争。我々はレクイエムと呼んでおります。これは現実の世界とほぼ同じといって過言ではないのですが大きく違う点は各国に王様と幹部の4人はそれぞれに能力を持っていることです。敵国を倒してこっちの配下にすると相手の幹部は能力を失い普通の平民になり相手の王様は自分の幹部と交換で自分の国の幹部にすることも可能です。」


せ...戦争かぁ...


おれは、世界で一番平和な国(恐らく)である日本に住んでいたため縁遠い言葉ではあったが知識としてはもちろん知っている。


だが、兵士の多さは武器などは恐らく現実の戦争の様な戦力差はつくだろうが恐らく肝になるのは王様や幹部と呼ばれる人達の能力にあるだろう。


「ちなみに、貴方の能力は相手の腋を舐めたら絶頂させて虜にする能力ですな。


「つ..つかえねー。」


その薄い本でありそうな能力が戦闘向けが否かで答えると間違いなく後者であるだろう。


相手が黙って腋を舐めさせてくれる訳がない。


「そう言うとは、神様も思ったのか特別に道具も支給されたらしいです。」


そういってじいやはポケットからなにやら取り出すと絨毯に広げた。


「は...花火玉...?」


「いえ、これは煙幕らしいです。使い方は知っての通り下に打ち付けると煙を放出して相手の視界を奪うとか..」


「え...でもこれ自分の視界も奪われるくね?ゴーグルとかないの?」


普通、こういう武器は自分はゴーグルかなにかを付けて視界を防ぐんじゃないの?


「....恐らく神様はそんなことは考えてないでしょうな」


つ...使えねぇ...

能力といい本当にとことん使えない神様だなぁ....


「ほ..ほかにもありますぞ」


俺の絶望オーラを感じたのか話題を切り替えた。

この執事は以外と使えるやつだなと感じた。


「.....ガム????」


そこにはそこらのスーパーでも売ってそうななんの変哲もないガムだった。

ちなみに、どうでもいいけど俺はあんまり好きじゃないミント味。


「いえ..これは普通にすごいですぞ、このガムは通常の100倍膨らむフーセンガム。これを膨らますと巨大なフーセンが出来上がりますぞ。」


「.......使えねー」


何がすごいのかもさっぱりわからない。

神様はこんなにいらないガラクタで戦えってこれなにかの嫌がらせ?


「で、これで道具は全部?」


「...全部ですな。」


落胆の色が隠せない。これでどう勝つというのか。間違いなくボコボコにされてゲームオーバーの未来しかみえない。


しかし、その時先ほどのじいやの言葉を思い出す。


「そういや!さっき王様の他に幹部が4人いるって言ったよな!当然俺の国にもいるよな。」


先ほど説明に上がっていた幹部の事をすっかり忘れていた。

もしかしたら、幹部の能力がめちゃくちゃ強くて俺が楽してニート生活を送れる可能性だってあるのだ。


「そういや、忘れておりましたな。では呼び出しますぞ!」


じいやを手の親指を甘噛みしてその指で絨毯をなぞる。


すると...絨毯から不思議な紋章が浮かびあがる。その紋章の中から4人の男女が現れたのだった。

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