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決意

.....目を覚ますと見たことない世界が待っていた。


周り一面が漆黒の闇に、包み込まれていた。


部屋の灯りを消して寝たからなどという事は決してありえない。


それは...無だ。余りにも無駄な色がこの外界には一切ない。


少なくとも、俺が生きてきた17年間、 これ程の闇というものを見たことがない。


意識は目の前の景色で俺を現実に突き落とした。


...夢なのか...?俺が、ただ寝ぼけているだけでこれはただの夢なのか。


俺は、自分の頬を力の限りつねる。


...激痛が走った。...少なくともこれは夢ではない。


かといって現実でもないのだろう。


自分の身体の感覚はあるが、闇によって姿が見えない。


人は..五感の中の1つ、視覚を奪われただけでもこれほどの恐怖に見舞われるのか。


...目が悪い人や盲目の人はこれ程の恐怖に襲われるのか。


視力が1.5ある事が唯一の自慢である俺にとって、この恐怖は何物にも変えがたい。


俺は...もしかしてこの闇の空間で永遠に彷徨い続ける事になるだろうか。


そんな、一抹の不安がよぎった矢先...


「....光???」


突然空からまるで地上から見上げた太陽のような眩しい光が差してきた。


俺は、あまりの眩しさに腕で光を遮る。

しかし、それでも照らし続けるほどの眩しさであった。


俺は、なんとかその正体を掴もうと薄めで確認を図る。


最初は、暗闇から突如現れた光の影響視界に入れるどころか目を開く事さえまやならなかったが、光を薄れてきたからか目が慣れてきたらかその正体を掴む事ができた。


「お.....女の子?」


...俺と同い年ぐらいだろうか。顔つきも少し幼くあどけやさが残っているのだが、その顔つきには不釣り合いなほどの立派な胸をしている。

爆乳とまではいかないが世間一般に巨乳と言われるような女の子であろうか。

足はすらっとまるでモデルのようにに伸びていて、その手の性癖の持ち主なら土下座してでも踏んでもらいたくなるような足だ。


腋も思わず見惚れてしまいそうだ。

数多の腋を見てきた俺でさえ、今すぐにでもしゃぶりつきたくなるような腋だ。

少し腕を動かした時に見える腋の美しさのチラリズムに興奮を隠しえない。

毛は、付け根すら生えておらず形も美しい。

まさにこれ程の腋にこの17年間出会った事がない。

俺が探し求めてきた全てがこの腋に凝縮されているといっても過言ではないであろう。


「やっぱり腋が気になるのですね?」


...!!?まずい。引かれてしまったか。

思わず涎が出てしまいそうな程眺めていたのが視線でばれてしまっていたのか。

目は口ほどに物をいう。とはまさにこの為にある言葉であろう。


俺は、緊張で汗が流れる。

...悟られて引かれてしまったら俺は、この腋に二度と出会う事はできない。

...それだけはなんとしても阻止しなくてはならない。


「全部わかりますよー。だって、あなたが一番好みになるであろう姿になってるのですから。」


「....え?」


こいつは何を言っているんだ。

ひょっとして私は宇宙人だとかいう少し頭のネジが外れてしまっている系であろうか。


腋が美しい人に悪い人はいないという俺の持論は撤回すべきなのであろうか。


「今の私は、貴方のイメージによって写しだされているに過ぎないのです。貴方が理想とする女性像を模写した後、後は移し替えてるのですよ。...そんなに疑いの目を向けるなら一度試してみますか?」


俺の視線だけで思考を読みとるとは。

もしかして、こいつは宇宙人で思考を読みとる事が可能なのか。

それとも、目は口ほどに物をいうという

事なのか。


「.....えっ!!?」


時空が歪む。目の前に確かにいた女の子が分子レベルの分解を始める。

身体が分子の固まりになったかと思うと、その分子は結合を繰り返しやがて一つの形となる。


そこには、余命いくばくもないようなBBAの姿があった。


身体は干し柿の様に干からびた様な肌をしていて、胸は重量に逆らえずだるんと垂れており魅力の欠片も感じさせない。


肝心の腋も、匂いから強烈な酸味を臭みを帯びた悪臭が漂っていた。

こんな腋を舐めてしまったら恐らく俺の味覚は完全に崩壊する事は免れないであろう。

身体から全身加齢臭と一般的に言われる独特の匂いを帯びて、鼻につく。


「ね?人の目なんて、こんなにも簡単に騙されてしまうんですよ。人は中身だなんて言う人はいますが、今の私を好きになれる人がいると思いますか?」


先ほどまでの少し幼く高い声から一転して気持ち悪いbbaの死にかけの様な声で私なんて言われても吐き気しか感じない。


「無理です」


「じゃあ、元にもどって本題といきましょうか」


また時空が歪み先ほどまでのかわいらしい女の子の姿に戻った。

しかし、先ほどの光景がフラッシュバックしてもう性的な欲望が浮かび上がることはなかった。


目の前の神様は、ふっと吐息を一つ吐いてからこちらに目線を合わせる。

ぶっちゃけすげぇかわいい。

マジ脇舐めたい。


「本題といきましょうか。貴方は、こことは違う別の世界に転生してもらいます。」


「別の...世界?」


「まぁ、これは決定事項なので特に異論反論を認めておりません。まずは異世界での役職を決めましょう。」


「や...役職??」


いきなり、意味のわからない単語を押し並べられ俺の思考回路はパンク寸前だ。


「決め方は...なんでもいいけどですねぇ。今回はダイスにしましょう。1の目が出れば王様、2、3の目が出れば幹部、4、5、6の目が出れば一般市民。まぁ、貴方は雰囲気的に一般市民ですけどね(笑)」


女は少し小馬鹿にした様な笑みを浮かべるがいかんせんこいつがなんで俺を馬鹿にしてるかもさっぱり分からないから、怒りの矛先が見当たらない。

ダイスっていってたな。

こいつを振ればいいのか?


俺は、ダイスを手に取る。

特に重かったり軽かったりするわけでもない。

恐らくごく普通のダイスであろう。


俺は、ダイスを転がす...


ダイスは、軽快に回り出し、


最後に1の目にとまった。


「す..すごいです!貴方は王様に選ばれたんですよ!」


お...王様???

俺、王様に慣れるのか。

王様に慣れると言われて嬉しくならない人間はいない。

王様なんて、まさに人生勝ち組だろう。

このまま飛ばされた異世界でニートライフをありだなぁ....


「これで、貴方は小さな国の王様!これから戦争をしたりして国を大きくしていって最終的には天下を取ればいいのです!」


「え...戦争?」


戦争ってあれだよな。平和な国日本で住んでいる限りは縁遠いイベントだよな。


「い..嫌だよ!俺は平和主義なんだよ!そんな血生臭い事やってやれるか!俺は王になって一生楽するニートライフを送るんだよ!!」


「なにをいっているんですか。別に、ニートライフをおくるのは結構ですけど貴方の命は保証しませんよ。敵の国を倒していかないと市民すらろくにいない国なのに。」


そ..そんなぁ。

じゃあ、生き抜く為にも戦争しないといけないのか...。


「最初から国にあるのは、一人の王と四人の幹部。それだけです。まぁ向こうの世界に詳しい老人を一人連れているので詳しくはその人に聞くといいでしょう。

...あっ。最後に貴方の国のスローガンと特色と貴方の能力を決めないとですね。」


「なんじゃそりゃ。」


「特色は貴方の国の特徴です。えーと...変態ですね。だから貴方の国は変態揃いにします。」


「ちょ..ちょっとまてい!いくらなんでも俺の国の特色変態はないだろぅ!もっとマシなのにしろ!」


「そんなこと言われても..もう決定事項だから無理ですね。」


この、糞女ァァァ。

決定事項と言ったら許される様な甘い世の中じゃねぇんだぞ。


俺の心境は既に怒りで満ち溢れていたが見た目のかわいさに手が出せずに引っ込めた。


やっぱり可愛いって正義って手を震わしながら切に思う。


「貴方の能力はですねぇ...」


キタキタ。期待で胸が踊る。これで俺の能力が無敵でチートの能力を手に入れて異世界で楽して無双ライフが送れる。


だいたい、王様なんだから凄い能力を手に入れてもおかしくはないであろう。


「うーん....相手の腋を舐めたら絶頂させて虜にする能力...とかですかねぇ?」


えっ、なにその俺が毎日読んでた薄い本の様な能力は。


「えっ...それでどうやって戦うの...?」


「そうですねぇ....まぁ色々と道具を渡しておきます。これを駆使して相手の脇に近づき舐める!...みたいな?」


か...勝てるビジョンが見えねぇ!


「ちょ...ちょっとまて。他の奴らの能力はどんな感じなの?やっぱ俺みたいな変な能力ばっか..?」


「まぁ、一例を挙げるなら翼竜を呼び出したり炎を自在に操ったり物体の重量を操作したり、とかですかねぇ。」


えっ...もしかしてこんな変な能力勝てるビジョン見えないんだけど。

翼竜呼び出す様な奴にどうやって勝てと。

ドラゴンに頭下げて脇を舐めさせて貰うとか...?


「ふ..ふざけるな!俺もなんかそんなのがいい!変更を求める!」


「そんな事言われましても...これは決定事項なんですよ。そんな事より、最後はスローガンです。この内容によって市民や、幹部の方針に影響が出たりします。これは、決定事項じゃないから自分で決めていいですよ。」


俺の反論などまるで意に介さない。

矢継ぎ早に事を進めようとする。

俺はそんな態度に苛立ちが募るがその度に顔を見て怒りが消える。


男って本当に単純な生き物なんだなぁ...


「スローガンかぁ...」


もう終わった事を気にしても仕方ない。スローガンについて考えよう。


俺の国は変態揃いって言ってたな。

なら、俺みたいに他人に打ち明けられなくて困ってるやつだっているかもしれない。


...だが、今から作るのは変態の国。


なら、他人がどんな性癖を持ってしても構わない。

笑って許せる様な空間にしたい。


俺の腹のうちはどうやら既に結論を出していた様だ。


「アブな事を全力で!!!!!で決まりだな。」


神様は少し呆気に取られた表情を浮かべると少し含み笑いをした。

やっぱり女の子って笑ってる姿が最高にかわいいと俺は思いました。


「本当に面白い人が来たみたいですね。じゃあいってらっしゃいですぅ!」


次の瞬間意識が遠のいていくのを感じた。

感覚がなくなり次第に瞼が重くなる。


最後に見たのは...



年相応の笑顔を見せた最高に腋を舐めたい女の子の姿であった。

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