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プロローグ

俺、岸和田きしわだ わきは、いわゆるどこにでも、普通の17歳の高校生二年生だ。


不登校でニート生活をエンジョイしているわけでもない。

かといって、世間一般で言う所のリア充と呼ばれる種族 (間違っても同じ人間ではない)の様に、彼女を作り、友達も沢山いて毎日を楽しんでいるわけでもない。


部活に打ち込んで、全国でも有数の実力者とかでもない。


ただ...普通の学校生活だ。


毎日特に面白くもない学校に通い、うざったい先生のありがたいご高説を適当に聞き流し、下校のチャイムが鳴ったとほぼ同時に下校する。

もう、さすがに二年も同じ行動を続けると身体が覚えてしまうらしい。



学校が、特に変わっている事もない。


やれ、異能使いの集まる学園やら学園に七不思議があったりしたりする訳でもなければ、急にバトル展開が始まってみんなが殺し合いを始めるような状況を幾度となく願っているがついぞ実現する事は無かった。



特に変哲もない公立高校だ。


美少女が突然、空から降ってくる訳でもない歩き慣れた下校道を真っ直ぐと帰る。

ここは、都会から比べると田舎と評される様な立地場所であり、田園や森林など一度訪れば満足してしまう様な風景で特に学生が放課後に楽しむ様な場所は見当たらない。



そんな面白くもない道を一人で歩き続ける事30分程だろうか...


自分の家に辿り着く。家も特殊な事はない。

一人暮らししている訳でもなく、両親がいない訳でもなく、ラブラブな妹や姉がいる訳でもない一人っ子だ。


豪邸に住んでいる訳でもなく、近所から噂されるような汚い家でもない。


極めて普通の一軒家だ。


俺は、家に入ると真っ先に自室に向かう。


勉強をする訳でもなく、かといって何かしらの趣味がある訳でもない。


本を読んだり、ゲームをしたり...


特に打ち込んでいる訳でもないが、無駄に時間を使い果たす。


.....夜が更けていく。


深夜を回った頃。外も街灯が薄暗く照らすのみで真っ暗だ。

太陽もすっかり姿を隠し、三日月がうっすらと照らし出す。


俺は、外の空気を吸おうと窓を開けると冬の風が俺の身体を急激に冷やす。


「外は寒いなぁ...」


あまり外の風に当たってると風邪でもひいてしまいそうだ。

俺は、慌てて窓を閉め、生活の拠点とも言えるシングルベットに飛び込む。


そして..俺の夜の日課が始まるのだ。


俺は、ベッドに携帯を持ったまま仰向けになる。


明かりを完全に消し、携帯の画面のみが明るく照らされる。


その画面に映されていたのは...



腋の画像だ。


女の子の腋の画像が大量に写真フォルダに保存されているのだ。


むしろ、俺の写真フォルダの9割が腋の画像と言っても過言ではない。


女の子の腋はモナリザを引けに取らないほどの美術品と言っても過言ではない。


何気ない日常の風景...プールなどの風景...ちょっと旅行に旅立った風景


そんな場面でも少し視点を変えれば目の前の芸術の世界が広がる。



芸術と言うものは人によって同じ絵を見てもそこには無限大の感想がある。


感動した、また見に行きたい、こんな絵を描いてみたい、そもそも絵に興味ない、早く帰りたい...etc


だから人によっては腋なんて眺めてもなんの感想も湧かない人だっているだろう。

だが、少なくともここに一人の熱狂的なファンがいる。


大勢な人に好かれる名画と呼ばれる様な作品よりも一部の人に熱狂的に愛される作品


俺が画家になるのならそういう作品を描いてみたいものだ。


芸術と言うのは、元来そういうものではないのだろうか。


俺は、そんなどうでもいいことを考えながら腋を眺めること3時間ほどだろうか...


明け方が近づいてきたと同時に急に眠気が襲いかかっていた。


身体は金縛りをかけられたごとく瞼が重くなり、薄めですら開かなくなった。


だめだ...どうも睡魔と言う魔物は突然襲いかかってくるのだ。


俺は、その魔力に逆らう事なく、


気がつけば意識を失っていた。


........そして気がつけばそこは知らない風景が広がっていた。


「...........腋の世界へ降り立ったのかな?」


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