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余章

人には言えないような事って一つや二つはあるんじゃないだろうか。


例えば、簡単な例で言うならオタク趣味。

アニメであったり電車であったりアイドルであったりとにかく様々なオタク趣味と言うのは存在している。


同じ趣味仲間に対しては、その話題で熱く語り会えたりできて非常に楽しいだろう。


...しかし、例えばアニメだ。

アニメ大好き趣味をアニメなんて興味もない人にアピールできるか?

このキャラクターがまじ萌えるよな

など話せるか?


俺には少なくとも無理だ。

それに、あまり公表するものではないと思う。


ましてや...それがアニメなんかと違って性癖ならどうだろう?


友達同士で半ば冗談気味に話すのは、いいだろう。


しかし、あまり親しくない人に真剣な表情で


「俺...足で踏まれたいねん」


なんて言ってみろ。最悪、薄暗い部屋の中で人生を過ごす羽目になる。


結論をまとめてみよう。




俺は.....女の子の腋が大好きだ。





ーーまず、腋と漢字の響きもいい。

つきへんに夜。


つきへんには身体の一部を表す。と授業で習った事がある。


それに夜。夜という響きは何やらいやらしい響きに聞こえるのは俺だけだろうか。


身体の一部の夜。


なんと素晴らしい響きだろう。こんな漢字が存在していいのだろうか。


腋....


素晴らしい。漢字を眺めるだけで思わず舌舐めずりしてしまう。


電車の隣の座席に座っている女性、道路でランニングをしている女性、ジムで汗を流している女性...


様々な場面で俺はまず腋に目がいってしまう。



嗅ぎたい...!!!


思わず涎が出そうになる気持ちをグッと堪えて、内なる理性と闘う。

この時、俺はパブロフの犬の如く条件反射で女性の腋に向かって飛び出そうとして理性で無理やり押しとどめる。



っと...!!


ダメだダメだ。話が逸れてしまった。


なんの話だったっけ...?


そうだ。あまり性癖を明かせないことだ。


人にはそれぞれあるだろうが、その中でも俺はずば抜けていると思う。


まだ自分の性癖を自覚していない小学生5年生の夏の出来事だった...


小学生5年生と言えば、人それぞれ個人差はあるだろうが男の子と女の子の違いを意識してしまうお年頃だ。

少なくとも俺はそうだった。


定番であれば、女子のリコーダーを盗んで吹いてしまう など挙げられる。


女子のいない教室...自然と性的な話に行きやすい場所。

俺の小学生の友人もリコーダーを盗んだ経験があるらしい。周りは興奮気に、


「どうだった?」


と、質問を投げつける他の友人を横目に、

俺はそんな事を自慢げに語る友人に一つの疑問をぶつける。


「それ...汚くない?他人の唾だよ?」


僕のその何気ない発言は、血気盛んな小学生の空気を凍らせるには十分の発言だった。


それ以来、俺の周りで友人から性的な話をする機会はなくなった。


そうして、俺がいない時などを狙って性的な話をするようになった。

朝...俺がいない時に、教室に入ろうとした瞬間、いつも聞き慣れた友人達の声が聞こえる。

それも教室の外から聞こえるくらい大きな声で楽しそうな笑い声が聞こえる。


俺は、興味半分に人目を気にしながらドアに耳を近づけると会話の内容が聞き取れる。


「平海のおっぱい最近やばくね!俺..前体育の時、体操服からブラが透けてるのを発見したんだけど小学生とは思えないブラしてるんだぜ!」


「ま..まじかよ!!!何色なったんだよぅ!!」


ドア越しだから表情までは判別つかないが、恐らくその表情は興味津々で楽そうな笑みを浮かべているのだろう。


俺も..混ぜてもらおう!!


そう、決意し勢いよくドアを開けた瞬間......


あれだけ盛り上がっていた性の話から、みんなが大好きなゲームの話に変わったのであった.........



ーーさっきの話に戻すと、好きだけどあまり一般人には公表したくないっていうあの気持ちに繋がる。

その好きな気持ちを共有できる友人としか、話すことはできない。


一度、その話に興味がないって事が判明するとその友人達が自分の前では決して話さなくなるのだ。


そして、次第にその友人達とは疎遠になり.....

クラス替えが起こった6年生の時、再びその友人と話す事はなかったのであった。



だが...違うのだ。



俺の、この時の趣味は男子と女子の合同体育が終わった後...誰もいない教室に忍びこむのだ。

そして、ひっそりの女子の机にぶら下がっている体操服を取り出す。


そして体操服を広げ両脇の部分を思いっきり吸い込むのだ。


運動の汗を染み込んだ独特の酸味の匂い。

鼻の髄まで刺激する、この堪らない汗の匂いに卒倒してしまいそうだ。


しかし...この背徳感は恐らく自分ぐらいしか味わえないだろう。


他の人に共有はされない。

......むしろして欲しくない。

この温もりは自分だけのものだ。

この征服感は自分だけのものだ。


誰にも邪魔されたくない...



思えば、小学生の頃からおれは異常アブノーマルだったのだろう。

その影響もあったのか、なかったのか、俺は友達を作るのが苦手なタイプになったのだ。


そして...その小学生の性癖は、世間一般では、青春真っ只中の高校生まで引き継いでしまうことになってしまったことになるとは...



思いもしない事はなかった。

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