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まこらみみらせ  作者: しげしげ
33/42

三十二話 「ホワイトベース猫型キューティーハニー」

三十二話 「ホワイトベース猫型キューティーハニー」




みけつ様はオレの部屋に泊まりオレの布団で寝た。


オレはどこで寝ろと言うのだ!


狭い部屋のため石油ストーブ一台で、暖かい。


みけつ様は熱いのか、時折布団を蹴飛ばしていた。


これじやあ、子守だよ。


眠る事ができたのは夜の0時を回った頃だった。


そして夢を見た。



綺麗な金髪の女性がコタツに入ってミカンを食べているのだ。


あったかそーだった。


この金髪女性はソフィーさんではない。


夢には色がついてないと聞いた事があるが、金髪、青い目の外人さんでこたつ布団はオレンジ色だった。


このべっぴんさん、どこかで見た事がある、どこだろう!?


オレは聞いてみた、「あの、あなたはどなたでございましょうか?」と、そしたら


「あっちかえ? あっちは“みけつ“と呼ばれおるえ。」と、答えた。


そう言えば、春名先生に似ている、あ!みけつ様にも似ている、一体誰なんだ!? と、思った。


だからオレは聞いてみた、「あの、あなたはどなたでございましょうか?」と、そしたら


「人の夢とは可笑しな事え、フフフ」と、答えた。


楽しそうに見えた。


オレはボケた老人の様だった。


ボケ老人は夢遊病なのかもしれない! そんな事より、


この綺麗な女の人はミカンを食べているのだ、なぜかミカンが気になって仕方がなかった。


あ!


そうだ! この綺麗な人は言葉の最後に、“え“ を付けている!


だからオレは思った!


「あなたはもしや、みけつ様ではございませんか?」と。


そしたら綺麗なコタツの人は、


「そや、言うておるえに。城島ぁ、おまんもコタツや入ってからミカンでも食べやせ。」と、言うもんだから、


「え!? いいの?」と言うのと同時にコタツに入って、オレはミカンを食べ始めた。

 

オレはコタツ美人を見つめながらミカンを食べた。


そして、この冬はコタツがいいな、なんて思ったりもした。


その時!


こたつの中に何やら柔らかいフワフワするものを足元に感じた。


おれはそのフワフワするものを引っ張り出した!


これは!?


真っ白なペルシャ猫だ!


子供の頃、親戚の家で飼われていた猫がとっても可愛くって欲しかったペルシャ猫だ! と、思った。


だからオレはその猫をギュッと抱きしめ、「可愛いでチュね〜! とっても可愛いでチュね〜!」と、赤ちゃん言葉を使いながら、ほうずりをした。


そしたらその猫が、「キモいんだよ!城島あ!」と話しかけてきたのだ!


だから、ツンデレかな? と、思った。


「足、クッせー! なんでみけつ様のために用意したコタツにアンタが入ってくんのよ!」と、猫は言った。


オレはこの猫が欲しくてたまらなくなった!


そして、




目が覚めたら朝だった。


なんだか心地の良い夢を見た気がして、とても爽やかに目が覚めることが出来た。


今日もいい天気だ!


冬でも元気なスズメさん達が “チュンチュン“と可愛らしくオレを起こしてくれたようだ。


“アーッ!アーッ!アーッ! ア〜ホ〜!“


最近 聞かなかったアホガラスがグッドタイミングでオレの目覚めを邪魔してくれた。


オレは自分の布団で眠っていた、みけつ様はいない。


・・あれ!?


布団の中にフサフサの柔らかい・・


何かいるッ!!


布団から飛び起き、掛布団をめくってみた!


・・・・、


ああ!! ペルシャ猫だっ! 夢が現実となった! まさ夢だ!


「ンン・・ 寒いニャ」


なッ!?


猫が喋った! これもマサ夢か! しかも言葉の最後に “ニャ“ って言わなかった!? それってアニメ言葉!? マジ!? 


オレはまだ、寝ているのか!? だがリアルすぎる、時計の針は朝の七時を回ったところだ、


今日は月曜日、学校行かなくては。


「カチャ・・」


寒! 戸が開いた!?


「おお〜い、城島ぁ〜・・」


・・チッ 朝からバカの上島、


「カップ麺 いっこくれよ〜、腹減っちまって〜、」


朝イチからカップラーメンとは、どんだけ好きなんだよ、


たぶん、カップラーメンをやるまで帰らないだろうから、やることにするか。


「アアアアアッッ!!!」


「なんだよっ! うるせーなぁ、これやるから帰れ!」餌付けみたいだ。


「城島あああ〜ッッ!! 誰だよッあ・の・こ・はッ!!」


「はあ!?」騒ぐ上島の見つめる方角を見ると、


・・・・・?


「なッ!? なんだッ!あの娘はっ!!」とオレも思った!


裸の美少女がオレの布団にいるっ!? 髪は白髪っ!ブラジャーと思しき下着も白っ! 素っ裸ではないと言う事か!?


「お前の彼女なのかアッ!? 裸じゃないかあ〜ッッ!!お前は春が好きじゃなかったのかあ!?」


「と、とりあえず!お前は帰れッ!!」


「アアアアアッッ!!」


「うるせーんだよッッ!!近所迷惑だろッ!!」


「猫耳だあああッッ!!猫耳が付いてるぅ〜ッッ!!」


え!? うそ!?ほんと?


なッ!? 猫耳がついているっ!?


美少女で猫耳だっ! なんで裸なんだッ!? TPOなのかっ!? なんでオレの布団で寝てるんだッ!? 髪の色が白髪だッ! 苦労してるのかっ!? 白髪じゃなくてシルバーと行った方がいいのかっ!? それとも銀髪なのかッ!? まさにアニメだッッ! コスプレだッ!


やはりこれはアレかっ! チョンまげザムライの前に翼のついた天使が現れても鳥人間と誤解されるから、神様も時と場所を考えての演出なのかッ!?


それでオレの布団と言う事かっ! さっぱり分からないっ!


神様も色々大変だなあ〜とは思う!


上島が何やらショック状態なのでそっとカップラーメンを持たせ、玄関の外に追いやった。


そして静かに戸を閉めた。


さて、


あまりの興奮に寒さを忘れていたが、外は小雪が舞っていた。


そっと振り返り、


やはり猫耳がついた白髪の美少女がオレの布団の上にいる。


清潔感を出すために髪の色も明るく設定したという事か・・、それで目の色も青っぽくしてるのか、


・・幸詠さんは髪も目も白っぽかった。


やはりカラーリングは大事だよな、真っ白な姿に青く見える目はまさにファンタジーだ! ふあんたすてぃっくだ。


ホワイトベースで猫耳、さらにカワイイときている、最初のストーリー設定からはずれてきている。


・・疲れているのか、オレは。


・・・裸の! 猫耳がこっちを見ている、なぜ、こんなものがオレの部屋に、


「カチャ・・」


戸が開いた?


冷たい風が入ってきた。


振り向くと、


・・上島が立っていた。


半泣き状態で、右手にカップラーメンを携え、そして立っていた。


何がしたいんだ!? ・・こいつ。


オレはそっと、戸を閉めた。「カチャ・・」


ふぅー・・、これでよし、


・・玄関に鍵はいるよな、そー思って、二学期も終盤にさしかかっていた。


落ち着いて考えてみよう、なぜ、白髪の女の子が居るかだ、まず見た感じ、幸詠さんではない、では誰なのだ?


「カチャ・・」また戸が開いた。


冷たい風が入ってくる、


・・上島が立っていた。


オレはそっと戸を閉めた。


ふぅー・・


オレの部屋には妖怪以外に上島が出る、コイツが一番、質が悪い。


「カチャ・・」また戸が開いた。


鼻水垂らしたデカい小学生に、オレはイラッときていた。


「何がしたいんだよっ! テメーわっ!」


「アアアッッ!!猫耳娘がいないッ!!どこっやたんだよッッ!! 猫耳娘ッッ!!」


え!? 振り返ると猫がいた、ペルシャ猫だ! 子供の頃、欲しかった猫だ!


さっきの猫耳の女の子はどこ行ったんだ!?


上島がオレの部屋に入ろうとした、「なんだよッ!入ってくんじゃねーよッ!」


その時、外から「どうしたの新ちゃん、」と言うソフィーさん、


「ああっ、ソフィー! 聞いてくれよっ! 城島のヤツ、部屋に猫耳娘を連れ込んでんだぜっ! どー思うよッ!? サイテーだろッコイツッ!! 春に言ってやろーぜっ!! 告げ口してやろーぜ!!」


「え? ねこみみ・・!?」


「ニャ〜・・」と鳴く一匹の猫が玄関先に出て来た。


「わあ〜! カワイイ〜っ!」とソフィーさんがこちらにやって来て、そのペルシャ猫を抱っこした。


「ニヤ〜」「カワイイ〜!城島先生ど〜したんですか!?この猫ちゃん!」


「え!?」 どーしたんですか? ・・どーしたのかさっぱり・・


「あ、あの、・・迷い猫ですかね、朝起きたらぼくの部屋にいたんですよ、」


「おい!城島あッ!さっきの猫耳娘はどこやったんだよ!? 隠したんだなっ!? ソフィーにバレるのが怖くてっ!」と言ってオレの部屋に上がり込んでいった上島、


「なに入ってんだよっ!!」


「おいっ!城島あッ!どこに隠したんだよっ! ぜってー見つけてやんからなあッ!!なんでお前んとこに猫耳娘なんだよおッ!!押し入れの中かッ!!」


逆ギレ!? なぜ!?


オレは押し入れは使わない、「なんにもねーぞおッ!お前の押し入れッ!!」


見つけてその後、どーすんだよ!?


「掃除しといてくれ。」


「掃除だとぉッ!? ふざけんなッ!!」と言って上島が出て来た。


「とこ隠したんだよッ!猫耳娘ェッ!!」と、しつこいので、オレは現在、ソフィーさんがナデナデしているペルシャ猫を指差した。


「・・・・、猫じゃねーよっ! さっきの猫耳娘はどこやったって聞いてんだよっ!」


オレはソフィーさんがナデナデしているペルシャ猫を指差した。


「・・・・、ふざけてんのか? おまえっ!」 それはお前だ。


「あんなクオリティーの高い猫耳娘を見たのは初めてだッ!!」と、興奮冷めやらぬ上島に、現在ソフィーさんがナデナデしているペルシャ猫を指差した。


「そこにいるだろ、猫娘。」


「はああああ!?猫娘〜ッ!? オレが言ってんのはさっきそこにいた猫耳娘なんだよおッ!!」


「だからそこにいんだろ、猫娘。」


「・・・・お前、何言ってんの?」と、冷静に聞く上島に、今日一番、イラッときた。


「俺が言ってんのはぁ、“猫耳娘“で、“猫娘“なんかじゃねーの、分かったぁ?」


殴ってやろうか。


「いっしょだろ、バカじゃねーの?」


「一緒!? ハア〜・・、お前は何にも分かってね〜な、いいかぁ、“猫娘“は鬼太郎のガールフレンドで、妖怪なんだよ、“猫耳娘“は人科獣人族で人間との間で、子供だって作れるんだよッ!分かったかッ!」


キモ。


「お前みたいな奴の事、中二病って言うんだよな。」


「なッッ! なんだとおッッ!!俺のどこが中二病って言うんだよッッ!!」


「お前の全てだよ。」


「あッ あのなぁッッ! 中二病ってのはアニメの世界の中に生きてる奴の事を言うんだよッ!」


「お前の事じゃん。」


「お、お、俺はアレだっ! あれなんだよっ! と とにかくだなぁっ!」


バカを相手にしてたらバカが感染る。


「あ〜もうこんな時間だよぉ〜! ソフィーさん、その猫あげます。」と軽いノリで言ってみた。


「え!? でも・・」


「それか、その辺に放してやったら自分の家に帰るんじゃないですか?」


「そーですね、でもこんな雪の降る中に放したら凍えたりしないでしょうか?」


「大丈夫ですよ、」


「・・なあソフィー、いらねーんなら、この猫、オレがもらってやるよ、へへ・・」


顔がキモい、なに考えてるか分かるような気がする。


「かせよ、オレがこいつを飼ってやるよ、へへへ・・」


「おまえ、まさかこの猫がお前の言う猫耳娘に変身するんじゃないかと考えてるんじゃないだろうな?」


「そそそ、そんな事ねーよッ! そそそ、そんな訳ね〜だろっ!そそそ、それだったら面白いのになあ〜・・ハハハハぁ城島く〜ん」


・・・・わざとなのか? その喋り方。


「新ちゃんはダメ、自分のご飯すら用意できないのに!」


「まずは自分を飼いならせ!ピーターパン上島よ!」


「なっ・・ なんだとおッ!」


上島を相手にしてると遅刻してしまう。


一旦、ソフィーさんがこのペルシャ猫を預かり、その間、飼い主を探してみましょう、と言う事になった。


上島には、「その猫がお前のフィギュアに噛みつくぞ。」と言ったら大人しくなったので良しとした。



この後、



支度をして、飯食って、出勤した。


学校に着くと職員室に全生徒が集まっていた、と言っても二十人程の生徒だけど。


みけつ様も普通に学校に来ている、昨日、オレの部屋に泊まって、朝には居なくなる、代わりに猫がいた、・・猫娘だったような気もする。


朝、みけつ様が居なくっていても、もー気にしない。


普通だったら居なくなったと分かった時点で探し回るとこだけど・・・みけつ様は神様なんだし、今日も元気に学校に来ている、もうそれでいいかな〜て、思ってる。


そして、みんなが集まって話してた話題は、昨日の釜ボッコの事だった。


「ねえ、先生、先生は釜ボッコが見えるの?」と聞くので、「ああ、見えるよ。」と答えた。


「すっげーっ!! どんなカッコしてんのぉ? “黄昏さん“みたいな感じ?」と、生徒たちが聞くもんだから、「継ぎ接ぎだらけの着物を着て、ホッかむりした女の子だ。」と答えた。


子供たち、「・・・・」無反応・・?


「え!?ホッかむりをした女の子なんですか!?」と、代わりに春名先生、


そうか、春名先生は釜ボッコがどんな姿をしてるか詳しくは知らなかったんだ。


「ええ、十代くらいの腰の低い女の子ですよ、それと、喋られる言葉が限られているようで、“湯加減はどうか?“とか、“熱いかぬるいか?“ とか、風呂に関わる言葉しか使えないみたいなんです、 言葉を知らないのか、釜ボッコの喋れる言葉は少ないみたいです。 」


「オレも釜ボッコの風呂に入りたい!」と言う正吉の言葉に、みんなで釜ボッコの風呂に入りに行こうと言う事になった。


「あのな・・」と、一言言っておこうかと思った、


死神に怯える釜ボッコを見てると、みんなで押しかけることによって釜ボッコが、なんらかの形で迷惑を被ったりはしないだろうかと考えた。


「そうね!」春名先生、


「みんなで釜ボッコさんのお風呂に入ったら釜ボッコさんも喜んでくれるかもしれないわね!」と、明るく元気に賛成した。


・・気にしすぎかなぁ。


・・春名先生は釜ボッコの事情を知らないから、仕方がないとして。


子供たちが釜ボッコの風呂に入るのは、先の事だろう。


今中の背中には黒いモヤは見えていなかった、代わりに笑顔が見える、それは良い事だ。



職員室には今日から薪ストーブが使われていた。


校長が土日の休みに流木や小枝を集めてきたらしく、職員室の東側に積まれていた。


ストーブの煙はスチール管を通して天井から外へと排出されている。


昔はこんな風に薪ストーブが教室でも使われていたから、職員室も既存の設備を再使用したので、どれも古めかしい。



授業内容も二学期分は国語と算数を除いてほぼ終了している。


いつものように一日は終わり、オレは帰宅をする、夕方になると小雪が降るようになり、足場はぬかるみ、長靴が必須となる。



アパートに着くと、


みけつ様がオレの部屋で猫と戯れていた。


「あ〜! じょーしま~、今帰ったかえ、」と、楽しそうなみけつ様。


「みけつ様! なんでいるんですか?」


その猫、ソフィーさんに預けたはずなのに。


「遊びに来た。」


「・・そうですか。」


「カワイやえ〜」と言うみけつ様に、猫、「ニャ〜」ゴロニャン。


「その猫、ソフィーさんに預けたはずなのになぁ・・」と言ったら、


「あのなぁじょーしま~、玉江はおまんに預ける事にしたえに、可愛がりやしやえ。」


「え!? しやえ!? たまえって、・・その猫の名前ですか?」


「うん。」


つまり、


「みけつ様の飼い猫ってことですか!?」


「飼い猫ぉ? 友達やえ、あっちのとこへ遊びに来たいて言うもんえ、連れて来た!」


「・・・あ! あのですね、みけつ様、ぼくは猫を飼う気はありませんよ、だいいち、飼い方なんて知りませんから!」


「あんたねーッ!」と、猫がッ!


一瞬にして人間に変身した!??


猫人間に変身したと言う事なのかっ!?


朝見たあの猫娘だッ!!


半裸姿のいかにもスケベなカッコだっ!深夜アニメで見たアレだっ!


なんて事だ!

やはり玉村もTPOの波が神様通して「ちょっとッあんたっ!聞いてんのっ?」


「なっ 何がだ!?」


「こいつ聞いてな・・」オッパイが揺れている、なんとポヨポヨしていることか! 毛糸のブラジャーなのか? 毛糸のパンツなのか!? 分からない! 分かるのは白っ! 白のパンツと言う事だ! いや、・・白髪? 白髪なんて言っちゃいけない! 銀色なんだ! 白髪なんて表現では夢も希望もないのだよっ! シルバーなんだ! いやっ!銀なのだ!銀髪なのだ! アニメでロシア人を描けばみんな銀髪になってるいわゆるそれなのだ!


「みけつ様ぁ! コイツがみけつ様の人柱なんですかあ? さっきからおかしいですよ! こいつ〜!」


て事は、体毛なのか!? えっ!? て事は、ィ○毛なのかッ!!? そーなのかッッ!!? はいてないのかッッ!!? オープンなのかッッ!!? ヌーディストビーチ状態って事なのかあッッ!!? 剛毛だなッ!


も〜ッッ!!スッげーッッよっ!!


「・・・こいつ、なんかキモいんですけど、」


まさにファンタジー! ヒャッホ〜っ! リアルファンタジー万歳あ〜い! お目にかかれてチョ〜嬉し〜っ!!


「やけど、喜んでるえ、」


「え!? 喜んでる?」


ハッキリ言って、美少女だ! 上島が言っていたとおり頭の上にケモミミがついているっ! しかもっ!


・・ちゃーんと、動いてるぅ〜ッ!!


本物のだあ〜っ!! 本物の猫娘だあ〜っ!! しかもちょ〜カワイイっ!!


「おまんのこと、ちょーカワイイや言よーるえ。」


「え!? そ、そう・・なんですか?」


はっ!! オレは何を考えているんだ! この猫娘、よく見りゃまだ幼い、十代中頃と言ったところか、


「玉江は生まれて、百年も二百年も経ちよるえ。」


「えっ!? 二百年もっ!?」


「うん。」


「みけつ様、あたしは 寛永11年生まれですよ、だから三百と八十程です。 」


「かんえー、? 江戸時代の生まれって事か!?」


「そーよ! あんたよりあたしの方がずぅ〜っと歳上なんだからね、敬いなさいよね。フン。」


「普通は死んでる歳だぞ、」


人と言うのは、ファンタジー娘が二人も目の前にいても、慣れるもんなんだなぁ、と つくづく感心してしまうよ、ああ、そうか、慣れるんだ! だから悲しみも乗り越えられるんだな、そして前に進んで行くんだね、


ZARDの歌を思い出したよ。関係ないけど。


「みけつ様、こいつやっぱりキモいんですけど、」



・・暗くなってきた、日が暮れるのが早い。


「あ、みけつ様! 暗くなるうちに帰らなくていいんですか? 春名先生が心配しますよ!」


「今日はここに泊まって、玉と一緒に寝るやえ。」


「えーっ! ホントですかあ!みけつ様あ〜!」と、みけつ様に抱きつく猫娘。


「あ、それとですね、」 聞くだけ聞いてみるのは、別に悪いことじゃないよな。


オレはみけつ様に死神を祓えるか聞いてみた。


「それは・・今中の母におぶさるマガの事を言うておるのかえ?」


「はい、」


「ハッ!! あんたっ!何言ってんのぉッ!! みけつ様は・・」猫娘? 慌ててる!?


「たま! こっちおいで。」と言って、


みけつ様は、猫娘を小さな胸に引き寄せた。


少しの沈黙の間で、みけつ様は無邪気な瞳でじっとオレを見つめていた。


「あ、あの・・みけつ様、出来ないなら、その・・別にいいんで・・」


「ええのかえ?」


「え!? いや、その・・」なんかマズイかな、よく分かんないよ、未知の領域だもんなぁ、


「死神はほおておいてええのかえ?」


「いや! そ、それは・・、」


・・猫娘、なんだ? 震えてるのか?


「助けて欲しいや思うておるのやえ?」


「・・・・はい、出来れば、あんなもの、」


「願わくば口にしやえ。」


「・・じゃあ、・・今中の、・・母親の、」


な?なに? この雰囲気! オレはいけない事で言おうとしているのか!?


「祓って下さい。あの今中の母親の背に憑く死神を祓って下さい。」


言っちゃった!


「分かったえ、ちと、待ちやせ。 」と、言うと、そのままスッと立ち、そのまま部屋から出て行ってしまった。


「・・・帰ったのかな?」と、オレは思った。


「オイッ!!」猫娘が怒った態度で言ってきた。


「もしッ、・・みけつ様に、何かあったら・・・」


・・・なんだ!?


猫娘が、・・・大きくなってる!? 目の錯覚か!? 猫娘の表情が崩れて・・泣き顔!? いや、違う! これは!


あいつと同じ!!


赤黒い靄が身体から流れ出して、・・・周りの景色を赤黒い靄で覆いつくしていく、こいつの顔が、あいつと同じだ!!


妖怪と言うあの化け物たちと同じだ!


・・人面牛、獣の顔をしたコン太、・・それに人の形を成さない赤黒い塊たち、


・・・あいつらと、同じ靄を纏っている!


だけど・・・、


・・・いや、少し違う!?


「・・お前はみけつ様の何なんだっ!?」 オレは恐怖していたが、冷静だった。


元より三倍はデカく見えるコイツはオレに近づき、そのデカイ 口を見せつけてきた! 何十本とある針のように鋭く細い尖った牙! こんなの、ありえない!


「その姿っ! ・・・みけつ様に見せていいのかっ!」



風が吹いてる!? 


部屋の中で!? 今気がついたが、


風だ! 風が吹いてる、妖怪たちの現れるとき、その時は風が吹いていなかったはず、


こいつの回りで、風が舞っている、・・・みけつ様が呼ぶ風に似たこの感覚、こいつはみけつ様と同じ側でいいのか!?


みけつ様を心配する猫娘の態度、


オレはみけつ様を追いかけ、部屋を飛び出した!


今中の家に行ったんだ、


もう道は真っ暗だ。


あれは、あの死神はヤバイものなんだ、だから猫娘があんなに動揺したんだ、


じゃあ、なんで止めない!? なんで黙ってたんだ!? 居なくなってからオレに八つ当たっても!


訳があるのか!? 神様の事情ってやつなのか? 黄昏さんの他言無用と言った時みたいに。


言葉に出してはマズイと言う事なのか!?


外は真っ暗だ、小雪が降る中でも水はけがいい場所が多いおかげで、歩きやすい。


だが、街灯がまるで無いと村では真っ暗闇となる。


時折、雲の隙間から月明かりが辺りを照らしてくれるので先読みしながら感で前に進む。


田舎はすぐそこと思っていても、実際にはかなりの距離になる、焦る!


みけつ様、一応神様だから川に落ちたりはしないだろうが、と、考えていたら、


「先生! 危ないよ!」と幼い女の子の声がした!「え!?」どこかで聞いた声、「うわッッ!!!」


ザザザザザアアーッッ!!!


落ちたッッ!!


足元に地面が無くなり、オレはそのままどこか下へと落ちてしまったが、


・・止まったっ!?


良かった、大きな怪我はない、 傾斜のある草地だったから、無事で済んだのか・・


・・真っ暗だ!これは玉川の分流か!?


「先生、大丈夫?」


「え!? 誰っ?」こんな真っ暗な中!?


長靴の中に水が入ってきた、冷たい! オレは直ぐに落ちた場所から這い上がった!


なんとか無事だった、だけど、


・・・ビショビショだ。


オレは辺りを見回してさっきの声の主を探した、


・・真っ暗すぎて見えない!


「わたしが案内してあげる、」 と、また暗闇の中から声が聞こえた、・・この声、


「お前っ! 雨宮か!?」


「うん、そおだよ。」


「おまえ!また、こんな夜中にっ!」え!?ちょっと待てよ、夜は外出禁止だって言ってなかったか?・・じゃあ、ここに居るのは・・・


「先生、こっち!」と言ってオレの手を握ってきた! オレは手袋をしていない、この雨宮も。


少しだけ、雲の隙間から月明かりが差した


なんて冷たい手をしてるんだ! ・・オレの手も冷たいと思われてるかな?


「おい、雨宮、こんな夜に何してるんだ? お母さんが心配してるぞ」


「うん、大丈夫、もうすぐ、雪が止んで月明かりがでるわ。」と、雨宮はそう言った。


「え!? そーなのか? なんで分かるんだよ?」


「西の雲が無くなってるから。」


「西の雲ぉ・・?」オレは西の空を、


・・・どっちだっけ?


「ねえ先生、みけつ様は先生の部屋に連れて帰ってあげてね、」と、雨宮は言った。


今中の家の明かりがすぐそこまで見えてきた。


雨宮は握っていた手を放して、「先生、わたし、帰るから。」と言って離れて行った。


「おい!雨宮、・・気をつけて帰れよ!」


「はあ〜い。」と言って、どの辺りにいるのかも分からなくなっていた。


・・・あの雨宮、


あれは雨宮なんかじゃない。


オレはそう、思った。


では、あの雨宮は一体、誰なのか? ・・前にも同じ事があった事がある、北本の時だ。


あの時の雨宮とさっきの雨宮は、たぶん、同じだと思う、


・・オレの知らない神様だろうか?


今はそれくらいしか分からない。


・・・それ以上、今のオレには想像すらつかない、


たけど、優しい気持ちを持っている事だけは分かる。


それに、


雨宮が、あんな丁寧な話し方をするはずがない、


もっとバカっぽい喋り方だ。


さっきの雨宮はお利口するぎる、だから別人だ。



今中の家に着いて、


母親が出て来た、「先生、どうしたんですか!?」とかすれた声で聞かれた。


「あ、はい・・、ちょっとぉ、川に落ちちゃいまして、ハハ・・」


タオルを借り、汚れたところを落とし、家の中へ入らしてもらった。


みけつ様は奥の畳の部屋で眠っていた。


布団敷をかれ、寝息をたてて眠っていた。


取り敢えずは無事で良かった。



話しは、みけつ様が日が暮れた後に玄関先に訪ねて来たので、家に上がってもらった。


一緒に夕飯で食べてもらおうと、今中本人のいる台所の方へ案内した、


そしてみけつ様は何も言わないまま、母親の腕を掴んだままだった、


だから母親が「みけつちゃん、どうしたの? 一緒にご飯食べてってくれるでしょ?」と声をかけたとき、どこからか風が家の中に入ってきたらしい、「あら! どこか戸が開いてるのかしら?」と、母親。


それはきっとみけつ様の風だろう、


その後、みけつ様は今中の母親の頭と背中をさすり、そしたらそのままみけつ様が倒れてしまったと言う事だ。


みけつ様が今中の母親をさすっている間、地震があったと言っていたが、オレは外を小走りで歩いていた感じでは、地震を感じなかった。


釜ボッコの時のように辺り一面を赤黒い穢れで汚しているのかと思われたが、オレの目を通して、穢れ、らしきものは見当たらなかった。が、


・・部屋の薄暗い片隅には、何がうごめく様にも見えた、・・・乱視じゃないよね、邪気を持つそれだよね。


・・それに、


母親の背中の内には、あの死神がまだ、居るのが分かる、・・・最初に見た時より、かなり弱って見えるが、あれはまだ取り憑いたままだと思われる。



この後、普通だったらみけつ様を医者に連れて行くのだが、


さっき、雨宮が「みけつ様は先生の部屋に連れて帰ってあげてね、」と言っていた。


だから、


オレはみけつ様の体が冷えない様に毛布で包み、おぶって帰ることにした。



「みけつちゃん、泊まっていってもいいんですよ、」


「有り難うございます、でも みけつ様は連れて帰ります、それと今中、今日はありがとな。」と言って今中の家を後にした。


・・・雨宮が言ってたとおり、雪は止んで、月明かりが辺りを照らしていた。


オレは眠ったているみけつ様に話しかけた、


「・・・早く帰りましょうか、猫娘も家で待ってますよ。」・・化け猫が。


・・・帰りたくないなあ〜。




三十二話 「ホワイトベース猫型キューティーハニー」



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