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まこらみみらせ  作者: しげしげ
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第二十三話 「お爺さんと宴会芸」

第二十三話 「お爺さんと宴会芸」



月曜日、一番学校に行きたくない曜日だ、しかも二日酔いときているようだ。

頭が痛い、気持ちが悪い、吐きそうだ。


ああ、次の日、学校があるなら深酒は禁物だ、とオレは大人への階段を一つ上った事にしておこう。


今日から学校では暖房が入る、田舎では石油ストーブを使うようだ。


母さんが送ってくれたゆうパック、ニワトリの絵の描いた玉子の段ボール箱の中に、学生時代着ていたダウンジャケットと手紙が入っていた。


めっきり冬となり、霜が降りている。


村の東を見渡すと民家が集まっているその上にだけ霧がかかっている、

まるで湯気が立っているようにも見える。



職員室の前で昭吉と平太に 他がいた。


職員室に入ると、そこに大勢の人たちが集まっていた。


小田さんを始め、村町の月輪 大五郎さんや大工の源さん、豆腐屋の主人、知らない人もいる、梶山までいる、バスの運転はいいのか? なんでおまえがいるんだよ!


「おはようございます、城島先生。」と言う春名先生。


「おはようございます。」みけつ様が春名先生の横に、上機嫌でいる。


やはり小田さんたち、村の衆はみけつ様に会いに来たのか?


「おはようございます、城島先生。」校長先生 。


「おはようございます、・・どうしたんですか!?」とりあえずは聞いてみる。


「皆さん、みけつ様に会いに来たそうです。」


やはりそうか、だが会ってどーするんだ!?

みけつ様はまるっきり子供だぞ、何かお願いでもするつもりなのか?


「いやあ、最初に小田さんから聞かされた時は驚きましたよ、アハハハハハ!」と村長さん、アハハハハって、なんでそんなに軽いの!? やっぱりみけつ様なんて信じてないんじゃないの!?


この村の人たちはどこかおかしい、


「じょーしまぁ、今日は良き日とえ、」


「そーですか、それは良かったですね、みけつ様。」と安直に応える。


オレは今一瞬、ただならぬ殺気のようなものを感じた。


ここにいる人たちみんなの目が鋭い!


なんだ怖いぞ!全員がオレを見ている!


オレを睨みつけるかのごとく見つめられている!


なぜだ!


なぜ、オレを見る!


みんな、小田さんに見えてしまう!


ああ・・

みけつ様だけが、何も考えてない無邪気な瞳でオレを見つめていた!


口をポカンと開けている、


両手で大事そうに山田錦のハイグレードボトル720ミリリットルを抱えている。


・・まさか飲む気じゃないだろうな?


「呑むに決まあておろう、あちは日本酒が好きえ嬉しかえぇ フフフ。」


はっ!! また、心を読まれたっ!


「ダメですよ! みけつ様! 子供がお酒なんて飲んじゃあ! ジュースじゃないんですよ。」


「あちはなぁ、こー見えてもぉ三千歳を超えておるんえ、やけえお酒は好きなだけ呑めるんや。」


「おお! さすがみけつ様! 御長寿でなによりです。」と校長先生、


三千歳を超えてたら長寿かなんなのかわかんないよ。



「可愛らしい御姿でお見えになられた めでたいめでたい。」と月輪大五郎こと村長さん 、ドラさんとの交流はまだ続いているのだろうか。


「み、みけつ様・・」小田さん、


「何か、ご入用の物がありましたらおっしゃって下さい、用意出来るものでしたらこちらで何でもご用意しますので・・。」小田さんは少し緊張しているようだ。


「え〜、なんでもかえ〜?」


「はい、なんでも。」


「ん〜じゃああ、みなで宴でもせんかえぇ? 今から。」


「うたげ?ですか、」


「ダメですよ! 今から学校が始まるんですから!」 春名先生。


「ん〜!」


みけつ様は春名先生の言うことなら聞くのか?


「ほたら 学校が終わったあと〜・・、」


と、みけつ様はどーしても宴会がしたいらしく、学校が終わったあと春名先生の自宅で宴会をする事となった。


この後の授業中はいつも通りで進行が出来た。

今中の背中、肩にかけて相変わらず黒い靄がついていた。

家庭訪問で何か分かるだろうか?


「おまんも来ぃえ、宴で祭るえ」とみけつ様は隣に座る北本を誘っていたので、


「ダメですよ!みけつ様、北本はまだ子供なんですから!」と一言、注意しておいた。


だか、その忠告は虚しくほとんどの生徒が春名先生の家に集まっていたのである。


今日は月曜日、一年生を除いた生徒たちは六時限目の授業が終わると同時に、示し合わしたかのようにみけつ様の元に集まって来た、年長クラスの昭吉や黒田の兄や、学級委員長の藤原孝子、みんながついてきてしまった。


この日は六時間授業だった事もあり、春名先生のお祖母さんで玉利荘の大家さんが、少しのお菓子とジュースを振舞うと明るいうちに生徒たちを家に帰らせた。


春名先生の家の西側は広い庭と休耕地があった。


その庭の奥に小さな社が祀られていて、その前で見かけない和服姿と言うのだろうか百姓姿に手拭いを肩からかけた白髪の男と、みけつ様が何か話をしていた。


家の中ではみんなが酒を呑んで陽気に話すのが聞こえてきていた。


「あれ、城島センセ! 何しとるんですか? みんな、始めてますよ、」と言ってきたのは豆腐屋の主人だ。

「城島センセー、トーフ食べてるかい? 一人もんならなおさら食べるもんには気をつけんといかんよ〜」


「あ、はい。みけつ様が、」と言いかけたが豆腐屋の主人が割って入ってきたきた。


「あれっ! みけつ様、何しとるんかね? お参りでもしとるんかね?」


「ええ、誰かと話しをしてますね。」と言ったら豆腐屋は少し驚いて、


「・・・誰かって、・・・誰かおるんかい?」


「え!? ほら、和服姿のお爺さんとみけつ様が話しをしてるじゃないですか?」


「・・・どこにもおらんで、和服姿だって!? ・・・みけつ様しかオレには見あたらんが・・」


豆腐屋にはあの老人の姿は見えていなかった。


これはいわゆる、オレには見えて他の人には見えない、オレは特別、オレだけ特別なのだ!


的な、漫画やアニメで何度も使いまわされ続けた・・


ネタ、


ネタなのだよ!


だがしかし!


思いつかない!


思いつかないんだから、他にどーしろって言うんだっ!


ああっ!


ああ・・、


・・オレはどーも自分に起きていることを、まるで他人事のように捉えてしまうようなのだ、


「城島センセ、・・」


「は、はい、」


「・・・呑んどるね。」


「・・・・、まだ呑んでません。」


そう来たか!


呑んでんのはあんたの方だろ! 豆腐屋!


「・・・城島センセ、」


「・・はい、」


「・・・そのお百姓さん、」


「・・はい、」


「・・一緒に誘って連れて来てくりや。」


「・・はい、」・・くりや・・、か。


「え!? くりやって、どゆ事ですか!? 誘う!?」どこに!?


「頼んだよぉ〜!」


・・豆腐屋、楽しそうに戻って行った、・・何しに来たのでだろう、。


誘うって・・あのお百姓さんを!?


・・ほんとに誘うの!? 誘っていい人なの!?


とりあえすオレはみけつ様に声をかけてみて、


・・それから考える事にした。


「み、みけつ様ぁ〜! そんな所でなにを〜・・」笑顔だ!まず笑顔なら何だか知らなくても、きっと上手くいく! そんな気がする!


オレはみけつ様がいるとこへと小走りに近づいて行った、


ああ、


もしかするとオレは、やや斜め左を向いて走っているかもしれない、


「みけつ様ぁ〜、その人はど、ど、どなたたたぁですかああ〜?」


ああ、意識したら尚の事、変になっていくぅっ!


たぶん、きっと、手の振りが足より多く振られているかもしれない、


・・いや、もしかすると右手と右足が、今、同時に出ているかもしれない〜!


ど〜しよ〜! 間違いないかもしれない〜!


ものすごく滑稽な走り方をしている気がするぅ〜!


よくそんな変な走り方が出来るなと、自分でも思ってしまうぅ!


間違いなぁ〜い!


ああっ! もうダメっ! 言い訳出来なあ〜い!


“いま、この走り方! 流行ってるんです!“て言い訳出来るかなあ〜。あっ・・


転んでしまった!


・・土の上で良かった。


・・痛くなかった。


・・・・小石につまづいてしまった。


・・・こけてしまった。


・・・ど〜しよう。


つまづいてしまった、つまづいてしまったぞっ! そしてそのまま、動けないでいる、・・どーしたものか!


・・・恥ずかしい。


・・・このまま死んだふりするかな。


・・・いやいやいやぁ〜、仮にも神様に死んだふりってぇー、


・・・オレってバカなの!?


「ほほおー、これが今回の人柱かのぉー、」


この声はっ!


・・誰っ!?


お爺さん!?


どこの!?


さっきのお百姓さんかっ!


「今までにない阿呆と見受けられるのおー、」


アホウ!? オレの事を言っているのかっ!?


「じょーしまぁ、死んだふりしておるのかえ?」


・・・・・・・・。


「じょーしまぁ、もおええから起きやえ。」


・・・・・・・・。



「じょーしまぁ、起きえー、」


・・・・・・。


「そこの阿呆、みけつ様が起きろや言うとろうが、さっさと起きや!」


・・・・。


「起きろや言うとるがあっ!」


「はいぃっっ!」オレは起きた。


正座した。


恐る恐るその怖そうなお百姓様を見てみる事にした。


・・・優しそうな、お顔だ、


眉と口ヒゲ、あごヒゲか長く、白髪だった。


・・・かなり前に見た千円札の人にそっくりだ。


「翁、おまんの事を千円札にそっくりや言うておるえ。フフフフ」


「あぁっ!みけつ様っ!違いますっ!違いますよっ!千円札に描かれていた偉い人に似てるかなぁーて、思っただけで、・・千円札に似ているなんて言ってませんよ、それよりみんな、待ってますよ!準備も出来ているみたいです・・・美味しいお酒が待ってますよ、」


「おお! そおやった! 忘れてた!」と言って一人走り出すみけつ様!


「あっ! みけつ様、あの・・こちらの方もご一緒に!」


「あ!そうやった、翁ぁ、おまんも来ぃえ!」


と言う事で。



上座にはみけつ様とさっきのお爺さんが座る事になった。


オレにはちゃんとみけつ様とその横にあぐらをかいて座るお爺さんが見てとれるが、


「なあ、みけつ様の横はどなたが座るんだ?」と大工の源さん。


「みけつ様のお知り合いの方がお座りになるそうです・・」と春名先生。


えへへ、春名先生、オレの横に座ってくれた、やったー!


「・・・お知り合い!? ・・・どなただ!? やはり神様なのか!?」と村人A。


「そーなのかぁ!? 神様なのか!? そーなのかぁ!?」と、村人B。


みけつ様にアンパンマンの絵柄が入った水色の割れないプラスチック製コップを手渡す春名先生は、ミケツ様の横でもある。


すかさずやって来ては酒を注ごうとする村人A。


「みけつ様、一杯どうぞ。」


当然、春名先生は「ダメですよ! みけつ様は未成年なんですから!」春名先生はやはりみけつ様を見た目で判断しているようだ。


やはりそれが正常な判断と言えるだろう。


「あのなあ〜、春ぅ〜! 何回も言うておるが、あっちは未成年とやらではなく、もうすでに三千歳を超えておるて言うておろうがえ!」


「ええっ! みけつ様は三千歳を超えておられるのですか!?」オーバーアクションの村人、誰か。


「いやっ! ほんとは四千歳を超えておるかもしれんえ!」と軽く自慢しようと見栄をはっているようだ。


てきとーか?


「えええっ!? 四千歳もですかっ!? それはすごいっ!」


この人達、みんな 揃ってふざけてんのか?


「こんだけ歳をとるとなー、年齢なんてどーでもよくなってしもーてなぁ〜、憶えておらんえぇ〜! アハハハ〜!」


年寄りの会話だよな、普通、茶番だよ、こんなの。


「ぷはああ〜!」とみけつ様は日本酒、山田錦の高級グレードと思われる酒を一気飲みした。


八歳児が酒を美味そうに呑んだ!


これはイケるクチだ! 八歳児の姿なのに!


アンパンマンの割れないブルーのコップは実に子供らしい!


だが、中味は山田錦だ!


幼児の姿で日本酒を一気飲み、いいのだろうか。


「うまあ〜い! 翁、おまんも呑みえー! 美味かえー!」と隣に座っているお爺さんにお酒を勧めるみけつ様。


「・・・あの、みけつ様、・・・そちらの席に、どなたか座られておるんですか?」


「うん、翁が座っておるえ。」


「ええっ!? 座っておられるんですか!? オレには見えませんがっ!」村の衆。


「もう一杯、注いでくれ〜、おまんらは見えんで当たり前え、やけどな、いつか見えるかもしれんえ。」と、適当な事を言う みけつ様。


みけつ様の隣に座るお爺さんにもお酒が注がれた。


が、そのお爺さんは酒には触れなかった。


みけつ様の言うところでは、このお爺さんは “屋敷神“ と言う神様で、春名先生のこの家とその周辺の土地を守る神様だと言う事だ。


さっき、みけつ様とお爺さんが、話していた裏庭に小さなお社があったが、それの事だろう。


この、お爺さんが、オレにはハッキリくっきり見えているが、・・・村の連中たちには見えていないようだ。



・・・村総出で茶番だろうか?


だが 春名先生にも見えていないようだったので、ちょっぴり怖くなった。


神様かもしれないし、幽霊かもしれない。


みけつ様はみんなには見え、このお爺さんはみんな見えない、


それはつまり、オレがアホになったか、本物の神様かだ。


いまさらに、オレはとっくにアホになっていると考えるよりも、ここでおきていること、それに今まで起きてきた超常現象も全て本物の出来事と考えて行く方が、正しいだろう。


このお爺さんには影がある、物理的に陰影があると言う事だが、


外は薄暗く、部屋には照明がつけられているので明るい。


照明の当たる所は明るく照らされ、その反対側は当然、影が出来る。


これは物体がそこにあると言う事になる。


ではこのお爺さんは 肉体と言う物体が紛れもなくここに存在しているが、皆には見えない、


光は遮断するが人の目はその物体を透過していると言う事になる。


ここで考えられるのは、二つ程思いつく。


ひとつは、マトリックス。

精神世界に意図的に創られた擬似世界を見ていると言う事になる。


が、これはすべての世界を嘘の世界と決めつける事になる、つまり各個人がマトリックスを見ていると考えるのが妥当かもしれない。


たが、

今の技術ではマトリックスは存在しない。


ではオレの頭がおかしいのか?

・・・・正解かもしれないが、先にもそれはオレにとっても正しくはない。


もう一つの考えは、


アインシュタインの理論にもあるが、次元が交差して見える、と言う事だ。


これはつまり、人間の住む世界を “3の次元“ とするならば、神様と言われる存在や、このお爺さんは “4の次元“または、“5の次元“に存在し、その次元が今ここに交差して、オレとみけつ様だけは見えていると言う事になる。


当然、3の次元の人間の目には他の次元、たとえ交差していようが見えないと考えるのは妥当だ思う。


オレはと言うと、


みけつ様と同じで3の次元と別次元両方を同時に見ていると言う事になる。



根拠は説明出来ないが。



そのみけつ様は現在、幼児の姿のまま、ヘベレケに酔っ払っている。


「翁ぁ〜! おまんも呑みえー! エヘヘへへ〜」と、いう具合に。


・・・いいのだろうか。


今、ふと気がついたが、なぜみけつ様はこの世界、3の次元で幼児の体のまま存在出来るのだろうか?

いや、もしかするとみけつ様に至ってはどの次元にでも物理的に存在が可能なのかもしれない、ならこの幼児の姿は本物なのか!?

みけつ様は・・・


みけつ様以外にも神格の存在なら次元を超えて存在が可能なのかもしれない、この翁のように。


萌、を意識した神様は、今の時代のTPOな訳で、幼児の姿であっても、本来は成人女性の姿なのかもしれない、


いやっ!

もしかしたら男!? 仙人みたいな爺さんっ!?隣に座っている千円札のお爺さんみたいな姿だったりするっ!? もしそうだったら詐欺だよっ! すっげーショックだったりするかもしれないよー! 傷ついたゃうよぉ〜!

何にもやるきしないよ〜! も〜ど〜でもよくなってくるよ〜!


・・・はあ、


なんの話しをしてたっけ・・


はっ!! 、殺気!


みけつ様だっ! こっちを睨んでる! ええ〜っ!さっきまで上機嫌に呑んだくれてたのにっ!


もっの凄く不機嫌な顔しているっ ! しかも目が座っているっ! 8歳児の表情じゃね〜よっ!


そうかっ!


呑んだくれててもオレの心を読んでいるのか!?


今にも文句の一つでも言ってきそうだ!


緊急事態だっ!!えっとぉー!えっとぉー!


「みけつ様は美人ダァーっ!」はっ!そうだった!


「なんて美しいんだっ! ああっ!美しいっ!美しいなぁっ!」

あ、目を反らした。


と、思ったらまた睨み返してきた!

「か かわいいっ! かわいいよぉっ! みけつ様はなんて可愛いんだ!」


「城島センセ、何言っとるんだ?」村人A


あ、また目を反らした、


と、思ったらまた睨み返してきたぁっ!


ああっ!もぉーっ!落ち着きがないなぁっ!みけつ様はぁっ!


「・・じょーしまぁ、」


「ひえ〜!」怖いっ!怖いよ〜っ! チビリそ〜なくらい怖いよぉ〜!


「裸踊り、」


「へっ!?」


「しりゃえ。」


「なっ、何言ってるんですかっ! な、な、なにをっ」


「裸踊り、しりゃえ。」


「いやいやいやっ!そんなの無理っ!無〜理〜っ!あっ!? あれっ!?」


手が勝手に!


待て待て待てっ!オレは何やってんの!? なんで服脱いでんの!?え〜っっ!! ウッソぉ〜ッ!! なに躊躇しないで脱いでんの!?オレっ!!

靴下も脱ぐのぉ!?


「城島センセー! あんた男だねー!ほんとに裸踊りするのかい?」村人B!


「いやっ、ぼ ぼくはっ はっ裸踊りなんてしませんっ!」


「じゃあなんで脱いでんの?」村人Bッ!


「脱いでませんッ!」


「脱いでるよぉ、脱ぎながら言うかい? 言ってる事とやってる事が逆だよね〜、ああ分かった! 笑わせようとやってんだなぁ〜」村人!誰だっ、あんたらっ!


「わっ笑わせるッ!?」


「城島センセ!あんたブリーフ派かぁ、ちゃんと洗わんとちょっとばっか黄ばんでんじゃね〜かぁ〜?」


「アハハハハ!」みんなの楽しそうな笑い声。


「城島センセっ!まさかあんたっ!!春名先生が見てっぞッ! ええのかぁっ!?」その辺のオッサンが言ってくる!


「なっ、何がいいもんかあっ!!ああアツ!!ああアツ!!」


「・・・城島センセ、あんた そこまでやるか・・・、本物か・・、」もう、あんたらが誰かなんて、どーでも、いー。


「・・・城島センセ、・・・まさか、・・⭕わっ⭕むりだとは・・、正直、おじさん ちょぴり引いちまったけど、だけどな!城島センセ! それでも止めないあんたは偉いよっ! 俺は感動しちまったよっ! この状況でっ、この状況でっ! 音楽もなしで、なんだか分からないヘンテコな踊りをっ! 素っ裸で、まだ止めずに踊り続けるとはっ!見上げたもんだッ!」


「ああっ、ほんとだっ! 俺には真似できねーっ!」A


「オラもやれって言われても出来ねーよ!恥ずかしくってよぉ!」B


「ほんとだっ!ほんとだっ! これはあれだろ、宴会げーってやつだろ!? 都会でやってるって事だよなっ!?」C


やらねーよッ!!


「こんな恥ずかしい事、都会では当たり前なのかッ!?」そんなわけないだろぉーッ!


「以前によ、岩田村のテレビで見た事あるぞっ!酒飲んでバカみたいに踊ってたぞっ!服着てたがよぉっ!」


「オラぁ、ちょぴり大都会に行くのが怖くなっちまったよぉ、」


「玉村はテレビ映んねーからなぁ〜。」


「城島センセ、まだ踊ってるが、終わりがあるのか!?」


「じょーしまぁ、もーそろそろおわ・・」み、みけつ様っ!やっと開放してく・・

「え!? もー終わりなのかぁ!?」


はあああぁ!? 誰だよっ!! 村人ッ!! おまえッ!!黙れよっ!!


「宴会芸ってやつなんだろ? 城島センセがここまでやってんだぞ!宴会芸の真髄ってやつを見たかねーのか!?」なに言ってんだよ〜ッ!このオッサンっ!!も〜喋んなよっ!!

わざと引っぱろうとしてんのかあっ!? ざとなのかぁっ!? やっぱり村、上げて茶番なのなぁっ!?


「宴会芸の真髄!?」ねーよっ!!そんなもんっッ!!


「例えば、パンツを頭に被るとかよ。」ああアッ!!何言ってんのっッ!! みけつ様が本気にするだろッ!!


「プププ〜。」あああッ!!みけつ様が変な笑い方してるぅーツ!!


「じょーしまぁ、パンツを〜・・」ああああっ!!!


「おおおっ!城島センセがパンツを持って仁王立ちしたあッ!!」


ああ、


なんて事だ、


「城島センセー、パンツは一日はいたら洗わなきゃなんねーぞぉー! ほんと〜。」


「あははははは!」・・笑やれている! 春名先生の顔が、・・・もう見れない。


ご家族の皆さんも、・・・もう見れない。


オレは至上最悪の恥をかいた・・・、


パンツを頭に被ったのさ!


自分のパンツをさ!


世間一般の変質者と言えば、他人である女性のパンツを頭に被ると言うのが主流ではなかろうか?


自分のパンツを頭に被って何が楽しいと言うのだ!?


しかも!


運悪く、三日間はきっぱなしのパンツをだよ!


洗濯は週に一回じゃないのか!?


いや、違うぞ!オレ、

問題はそこじゃない、なにも一週間、はきっぱなしでなくてもいいのじゃないかと言う事だ!


そこでもないか!? わかんないよ!


三枚のパンツがあったら2日にいっぺんは、サラパンがはけることになるのじゃないか!


なぜオレは一週間も汚れたパンツをはき続けていたかと言う事だ!


・・分からない。


だがっ、今回は三日ですんだんだ!


もしこれが七日目のパンツだったらと考えるとゾッとする。


・・・・少し、気が楽になった気がする。


・・・だが、


問題は、裸踊りそのものにある。


みけつ様が神通力でやった事とは言え、裸踊りはやり過ぎだ!


しかもっ! しかもだっ!


は、は、は、春名先生の目の前で裸踊りをしたという事がそもそもの問題なのだ!


よりにもよってだ、春名先生のお母さんとお祖母さんであり大家さんもその場にいた事が更なる重大な問題となるのだ!

お父さんはまー、どーでもいいとしよう。


・・よりにもよってだよ!


・・春名先生の家でだよ!

これ以上ないっ!てくらいバッドな時と場所じゃないかっ!

なんでそーなるっ!

そもそもなんでオレがみけつ様に裸踊りをさせられなきゃいけないんだよ!


・・ああ、なんか腹が立ってきた!


いくらみけつ様が神様だからって、やっていい事と悪い事があるだろっ!


今回だってオレが何したって言うんだよ、


・・・・、


もう、覚えてねーよ! 忘れたよ!


とにかく、このままほっておいたらオレがダメになってしまう! もうすでにダメになってるかもしれないが、


・・みけつ様にはハッキリと言っておかなきゃいけないことがある!


ぼくはみけつ様のオモチャじやありません!


とかなんとか、言うだけ言っとかないと。


・・・・春名先生にはなんて言ったら誤解がとけるだろうか?


・・・裸踊りしたこと。


正直に、みけつ様の神通力をみんなに言えば分かってくれるんじゃないのか!?


そうだよ、そうしよう、明日は学校で春名先生に事情を説明しよう、そうしよう。



オレは夢の中でいろいろな事を考えていた、起きてる時以上に。



裸踊りのあと、


記憶がない。


いつ家に帰ったのかも覚えていない。


だけど夢の中に出てくるみけつ様はリアルすぎて怖い。


「あっちの神通力を他の人に喋ったら、」



「その人間を、」


「呪い殺してやるぇ。」


と、言っていた。


本気で言ったのか!? 本気なのか!?


神様だろッ! 呪い殺すなんて言うなよっ!



みけつ様は時折、オレの夢に現れて、夢の中でオレを弄んでくれる。


・・・夢の中までもだ!


心休まる時がない。


“呪い殺してやる“なんて、よくそんな恐ろし事を子供らしく無邪気に言えるものだ!


その後、なぜか「アハハハハハハ!ア〜ッハッハッハッハッア!オ〜ッホッホッホッホぉ〜!」と、朝 目が覚めるまでみけつ様のバカ笑いは続いていた。


何がそんなに面白いのだ! 違う事考えてんじゃないのか?


最初はヒーロー登場シーンのあれを真似してるようだが・・


ただの夢なのかマジなことなのか分かんねーよー!


なんにしてもだ、夢の中にまでやって来るなんて、ものすごく迷惑な みけつ様だ。


「今日のところはこのへんにしといてやるえ〜!」と言う捨て台詞でオレは朝を迎えた。


一日の疲れ、


そのピークが早朝だよ。




ちゃんちゃん。

つづく。



第二十三話 「お爺さんと宴会芸」







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