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魔王様が恋をしました  作者: 藍哀 蒼碧
III : 魔王城にて…
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メイド長。昇天

メイド長さんだけのため、短いです

美しい金の髪をなびかせ、水色の混ざった灰色の瞳を動かしテキパキと仕事をこなす女性。

この魔王城のメイド長だ。


メイド長の朝は早い。誰よりも早く起きて、メイド達を起こす。その日の役割を伝え、自分の仕事につく。

今日のメイド長の仕事は城内の清掃。開けられた窓からは優しい日差しと暖かい風がカーテンを揺らしていた。ぼんやり外を眺めていたいほど、気持ちのいい天気だ。


(洗濯日和ですね)


くつろぐ考えより先に仕事の考えになる。好きで仕事をしている方の人だから本人はそんな考えになるのも、嫌じゃないのだろう。

メイド長にとって仕事が苦でないのは、ある理由がある。



ーー


城内を見回っていたところ、メイド長は窓ガラスに額を擦りつける魔王様を見た。


(あら、魔王様……。どうしたのでしょうか?)


メイド長は気になり魔王に近付いて声をかける。


「何か、お悩みですか?魔王様」


魔王は少し肩を揺らすと此方に振り向いた。鎖骨につくほどの長さの黒髪はとても触り心地がよさそうだ。魔王はその蒼い瞳でメイド長を見つめる。


「私で良いのなら、相談のりますよ」

「…あっ、いや。何でもない。大丈夫」


魔王は笑顔を作ってみせる。


「そうですか?…まあ、弟さんの方が話しやすいでしょうからね」


少し疑うような表情をしてから冗談ですと笑う。


「うっ…ま、まぁ、そうだな。」


否定のできない魔王を面白そうに見つめる。


「いつでも何でも、私にお申し付けくださいね。」


そう言い、一つお辞儀をするとスカートを翻し足早に去って行った。

メイド長は素早く壁の影に隠れると、両頬に手を当てる。


(わ、私っ、魔王様と、喋っちゃったっ!)


頬を若干ピンクに染めて喜びが顔にこみ上げてきている。今まさに、メイド長は天にも昇る気持ちでいた。


メイド長が仕事を苦に思わない理由はこれだ。つまり、メイド長は魔王の事が好きなのである。尊敬か、恋かは本人もよくわかっていない。

好きな人と同じ屋根の下。それだけで満足だというのに、笑い合いながら話まで出来るとなると昇天してもおかしくない。メイド長は日々思う。



大好きな魔王のためメイド長は今日も働く。

魔王様の為を、魔王様を想いながら仕事をする、それこそメイド長の生き甲斐である。




ーーメイド長が魔王様の異変(こい)に気付いてしまうのは少し先の話…。


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