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among of sadness   作者: 瑞姫
1/1

act. 5

朝。


輝希のおはようございますと言う声で声羅は目を覚めた。


声羅は、不思議な顔をして輝希を見つめた。


「どうしました?」


「あ...いや...何でもない」


慌てた様子で声羅が答える。その反応に輝希は不思議と微塵も思わず、話を続ける。


「朝食があるけど、起きれる?」


そう言いながら声羅に手を差し出したが、声羅にパンッと手を叩かれ、ビックリする。その反応を声羅が見て、声羅は少し後悔をした。


「あ...ごめんなさい。大丈夫だから。」


「そう、じゃあご飯食べる?」


輝希に笑顔で返され、戸惑う声羅。


「うん。食べれる。」


「じゃあ、食べようか。」


「うん。」


**************


朝食を二人は食べ終わり、話を始める。


「今日、平日だけど学校大丈夫?」


「どういうこと?」


「学校行けれる?」


「わからない。あなたは?」



「君が行かないなら、行かないよ。ずっと傍にいるよ?」


「ストーカー?」


「違うよ!違うよ!ストーカーは毎日コソコソ見てる人とかだよ!」


「そうなの。」


「そう。そういえば、名前を聞い...」


その言葉を遮るように声羅が答える。


「声羅。」


「え?」


「名前は声羅。」


「声羅。僕は、輝希。よろしく」


お互い黙り込んだが、その淀んだ空気を絶つために輝希が話し出す。


「メールのやり取りやってたよね?僕ら」


「うん。やってた。」


「やっぱり。改めて、よろしくね」


「うん。よろしく。」


「昨日何かあったの?」


「なんで?」


「だってあんな事...言ってたから..」


輝希はモゴモゴと焦らし、照れながら話す。声羅は昨日の事を思い出して、顔を真っ赤にして輝希に背を向ける。


「聞いて、も、いいかな?」


「まだダメ。」


「そっか。

家族の人心配してない?」


「してないよ」


「なんで?」


「私はあの家の犬なの。」


「犬?ってどういう...」


「飼われてるの。」


「声羅が?でも、家族でしょ?」


「お母さんだけ血が繋がってる。」


「そっか。」


「当分、僕の家にいる?」


「なんで?」


「親のところにいるのが良いとかいうけど、声羅が今いるのはいちゃいけない場所だと思う」


「そうなのか...」


「わかんないよ!それは、声羅自身が決める事だからね!!」


「うん」


「分かったならいいけど...」


「...ありがと」


声羅が消え入りそうな声で言ったとたん、輝希はびっくりとしながら微笑み。


「初めて、言われたなぁ」


「そう?」


「うん」


お互い目を合わせ、(笑)合った。




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