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模倣

「おっ、ようやく出したか、これで面白くなるかな」


柄だけの剣から予備の小太刀に入れ替える。


「始めから全力だ、この傷の痛みを忘れるぐらいな」


ルガートはまた距離を詰めようと駆ける。


どうやら遠距離の能力ではないということがわかる。


スピードも最初に比べると確かに速いが傷のせいか、気を抜かなければ見失うことは無いだろう。


「くらえクソガキ!」


ルガートが攻撃を仕掛ける。


当然持っている新しい小太刀で防ぐ。


今度は壊されないように刃を受け流して対処する。


交差するたび再び金属音が夜空に響く。


何故、また単調な攻撃を・・・・・・


奴の能力箱(マナキューブ)は鈍く発光しているので何らかの能力が発動しているはずだが特に変わったことは無い。


一度距離を取り離れるとすぐに距離をつぶされる。


あくまでも接近戦でってことか、まぁ奴の能力が気になるがなるようになるだろう。


そしていかにも誘っている大振りの攻撃が来た。


不気味なほど隙だらけであきらかに俺が食いつくのを待っている。


俺はあえてこの攻撃を迎え撃つ。


手甲を避け交差気味に小太刀を相手に突き出す。


ドゴッ!


小太刀は奴の数センチ先で止まっており何故か腹部に奴の手甲がめり込んでいた。


「がはっ!」


カウンター気味に攻撃したはずが逆にもらうとは・・・・・・


このまま畳み掛けられると思ったがルガートは距離を取る


俺を思っての行動か、だが逆に俺を苛付かせた。


「おいおい、天パさんよどうした畳み掛けれるチャンスだぜ」


一呼吸置き話す。


「・・・・・・何故、能力を出さない」


と、若干キレ気味で言われた。


「ごろつきから聞いている、炎と氷を操る多重能力者ということを」


「くくっ」


「何が可笑しい」


「全然違うって、大体そんな便利な能力があったらすぐ使ってるわ」


そう言って構え直す。


しばらく硬直状態が続き、ノアはふと腕時計に目をやる。


ルガートから見ればその行動は隙だらけなのだが逆にあれだけ堂々としていると不気味で手が出せなかった。


「そろそろ時間だな」


その瞬間後ろの能力箱(マナキューブ)が鈍く光った。


「へー自分の分身を作る能力か、面白いな」


「なっ」


「相手の不意をついたり、数的有利に立てるし便利だな」


ルガートは目を疑う。


ノアが二人いるからだ。


「お、お前も分身の能力だったのか」


天パはあきらかに動揺している。


「違う違う、これはお前の能力を模倣(もほう)したの・・・・・・まぁ簡単に言うとコピーだな」


「バカな一度見ただけで」


「まぁ、条件がいくつかあるのが弱点なんだよな、相手の能力を見る、受ける、そして十分経過する、最低この三つをクリアすると能力の半分模倣が完了する、まぁ自分の能力として使うようにするにはこの条件が最低必要だから結構手間掛かるんだよ」


「・・・・・・」


「それに折角模倣した能力も二時間ぐらいで忘れるし」


「くくっ、こんなに自分の能力を語ってくれるとは、負けた時の言い訳か」


「いや、俺とお前の差は絶望的に開いてるから、まだ喋り足りないぐらいだな」


その言葉が引金となりルガートはすぐに分身を作り出しノア二人を挟み込む配置に陣取る。


「半分の力しかまだ模倣できていないなら勝てる」


そして一斉に左右から飛び掛る。


「あ、悪い一つ嘘付いたわ」


ノア二人の両手には炎と氷。


二つの炎弾二つの氷塊がルガートに放たれる。


「がああああああっつ、き、貴様その能力は使えないんじゃ」


「俺、天邪鬼(あまのじゃく)だから、正直に捉えると痛い目見るぜ」




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