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レイジと呼ばれた男  作者: 三木小鉄
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最終話 明日も会えるかな

「まったく。魂値60オーバーの人間とはこういうことなのだな」


後姿でよく見えないが、神様の言葉にエルが大きく頷いた。


平均(たいらただし)よ、よく聞くのだ」

「はい」

「エルは、自分の()使()()()()()()と引き換えにお前を生き返らせた」

「だから、エルは死んじゃうってことでしょ?」

「いや、そうではない。エルは天使ではなくなるということだ」

「へ?」

「天使が天使ではなくなる。これは人間に降格するということだ」

「え!! じゃ、エルは人間になるの?」

「そうだ。エルは天使としての命を捨て、お前と一緒に人間として生きることを選んだのだ。ここにいるエルは、もう既に人間なのだ」

「じゃ、俺はこれからもエルに会えるってこと?」

「そうだが、いいのか? こんな出来損ないだが」

(あん? エルのことを悪く言うのなら、俺は神にだって唾吐くぞ、ゴラァ」

「ふむ、いい目だな。エルは天使としては出来損ないでも、人間基準で言えば最上位レベルではあるぞ」

「イエス、イエス、イエス、激しく同意」

「ということで、人間になったエルと一緒に暮らすなり結婚するなり、好きにしてよいぞ」


ケ、ケ、ケッコン!? アンビリーバボー



「エル、本当にいいのか?」


神様につられて呼び捨てで呼んじゃった。しかし、そんなことは意に介する様子もなく、エルが俺のほうを向いて大きく頷いた。相変わらず眩しいほどの笑顔だったのは言うまでもない。


「儂が手を下すのはめったにないことだが、お前たちには少々借りがある。戸籍やら他の人間の記憶やら、面倒なことは全て処理しておいてやろう」


(カミサマ アリガトウ)


「エルは二十一年前から人間として存在していたように振舞っても、なにも問題はない」


やばい...昇天してしまう。


「元気でな、神の御加護があらんことを」


そう言って神様は消えた。最後の台詞は神様しか言えないジョークだよね。エルは体を預けるように俺の隣に座った。




全てが平均値、偏差値50男の俺が天使のような美少女に出会ったが、彼女は本当に天使だった。そして、世界中で俺一人だけだろう、天使と付き合う男になった。



「均さん、貴方は偏差値50なんかじゃありません。今はもう65くらいです。もっと自信を持ってくださいね」


耳元で囁きながらエルが俺に抱き着いてきた。




ー レイジと呼ばれた男 -  完




最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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