魔力測定テスト。「魔力ゼロの無能」と判定された日
初めまして!数ある作品の中から本作を開いていただき、本当にありがとうございます。
本日より連載をスタートする本作は、山奥で規格外の師匠に育てられた常識知らずの少年が主人公です。
本人は「自分は魔力ゼロの底辺だ」と思い込んでいるのですが、実は彼の使う魔法は、国宝の測定器をぶっ壊すほどの神級魔法で……。
周りのエリート貴族や天才たちがドン引きしていく中、本人はまったく気づかずに無自覚に無双していく、そんな学園ファンタジーとなっています。
クスッと笑えて最後はスカッとする、そんな爽快な物語をお届けできればと思っています。
それでは、第1話をお楽しみください!
王立アルカディア魔法学園の入学試験。
大講堂には、これから始まる魔力測定テストに向けて、新入生たちの緊張と熱気が満ちていた。
「次、アルベルト・フォン・シュタイン!」
「はいっ!」
自信満々に前に出た金髪の貴族の少年が、台座の上に置かれた透明な『魔力測定水晶』に手を触れる。
途端に、水晶は眩いほどの赤い光を放ち、講堂全体を鮮やかに照らした。
「おおっ! 火属性の適性、魔力量は『S』ランクだ! 流石はシュタイン公爵家の御曹司!」
試験官が興奮気味に声を上げると、周囲の生徒たちからどよめきと称賛の拍手が巻き起こる。アルベルトは得意げに鼻を鳴らし、列に並ぶこちらをチラリと見下した。
「ふん、平民どもとは格が違うのだよ。さあ、次はお前の番だぞ、そこの地味なヤツ」
指を差されたのは俺、レイ。
人里離れた山奥で師匠に育てられ、今年からこの学園に入学することになったごく普通の少年だ。
「次、レイ! 前へ!」
「はい」
俺は落ち着いて台座の前に進み出た。
学園に来る前、師匠からは「お前の魔法はちょっと大雑把だから、人前では加減しろよ」とよく言われていた。だから、あまり目立たないように、ほんの少し、針の先ほどの魔力だけを流し込むことにする。
そっと水晶に手を触れた。
……シーン。
講堂が静まり返る。
水晶は光るどころか、もともとの透明な色すら失い、光をすべて吸い込んだようにドス黒く濁ってしまった。
「……な、なんだこれは? 光らないどころか、濁っているぞ?」
試験官が怪訝な顔で水晶を覗き込み、何度かコンコンと叩く。しかし、変化はない。
やがて、試験官はため息をついて無情な宣告を下した。
「魔力量『ゼロ』。適性属性なし。……ふむ、学園長命令で入学を許可された特待生と聞いて期待していたが、完全な無能じゃないか。お前は最低ランクの『Fクラス』だ」
その言葉を聞いた瞬間、講堂中からドッと嘲笑が湧き上がった。
「おいおい、嘘だろ? 魔力ゼロで魔法学園に入学したのかよ!」
「特待生って、何かの手違いじゃないの?」
「アルベルト様と比べたら、石ころみたいなもんね」
周りの笑い声を背に受けながら、俺は首を傾げていた。
(おかしいな……ほんの少しだけ流したはずなんだけど。まったく光らないってことは、やっぱり俺には魔法の才能がないのかな?)
まあいいか。Fクラスでも、学べることに変わりはない。
俺は「ありがとうございます」と一礼して、そそくさと元の位置に戻った。
ーー俺は気づいていなかった。
魔力ゼロと判定されたその直後、台座に置かれた国宝級の魔力測定水晶に、ピシッ……と無数のヒビが入ったことに。
俺の魔力が強大すぎて、限界値を突破した水晶がショートを起こし、完全に壊れてしまっていたことになど、知る由もなかったのだ。
「ふふっ、面白い子ですね……」
講堂の2階席。その様子を静かに見下ろしていた銀髪の美少女ーー学園一の天才と謳われる公爵令嬢セリアだけが、ヒビ割れた水晶を見て妖しく微笑んでいた。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
次回、いよいよレイの規格外な実力の一端が明らかになります。
周りの反応はどうなるのか……!? ぜひ楽しみにお待ちください!
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