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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第65話 運動会そのさん

『続いての種目は借り物競走!走者以外も参加するこの企画を楽しみにされている人は多いのではないでしょうか!』


 アリシアが出場する種目が来たようだ。

 俺はスマホをカメラモードにして構える。


 『位置について、よーい!』


 スターターピストルの音と同時に一斉に走者が駆け出す。


「身長180以上の人ー!いませんかー!」

「一番若い先生ー!」


 参加者と観客が一緒になって楽しむ種目はやはり盛り上がる。

お題や探している様子で笑いが起こる。


『位置について、よーい!』


 どうやらアリシアの番のようだ。

綺麗なクラウチングスタートで走り出す。


お題を手に取ると真っ先に俺たちの方へ向かってくる。


「お父様!お願いします!」

「え、俺?」

「ほら、カズヤさん。いってらっしゃいませ」


 促されるがまま走り出す俺とアリシア。

 そのままゴールすると、お題確認の生徒が寄ってくる。


「えっと……これ、本当に言っていいの?」

「はい、大丈夫ですよ」


 ……確認が入るってどんなお題だ?


 そんな疑問はアナウンスですぐに解決される。


『東軍一着!お題は”大好きな異性”です!』


「えっ!?」


 会場は黄色い悲鳴とどよめきが支配する。


「お父様ですもの、一番は当たり前ですっ!」


嬉しいやら恥ずかしいやらで、注目されながらもセレスの待つ観覧者席に戻る。


「よかったですね、あなた」

「ちょっと恥ずかしいけどね……ってどうかした?」

「いえ、なんでもありませんよ?」


そうは言いながらもどことなく視線が鋭い。


「もしかして……妬いてくれてる?」

「そんなこと……ないです」

「本当に?」

「……娘に嫉妬するバカな女だと笑ってください」

「笑わないよ、ありがとう」

「もうっ、ひどいです」

「ごめんごめん」


 少し乱暴に預けられるセレスの頭を撫でながら謝る。

反応に困る外面だが、内心では嬉しさでいっぱいだ。

  

 ◇


 アリシアの活躍を沢山見られた運動会も終わり、帰宅した俺たち。

感想もそこそこに、疲れが出たのかアリシアは早々に眠ってしまった。


「今日、楽しかったですね」

「ああ」


 俺たちも朝早くから弁当を作ったりで疲れていたのでベッドで横になる。

 心地よい微睡を感じながら語り合う。


「次はどんなイベントがあるのでしょうか?」

「そうだなぁ、もうすぐ修学旅行があるな。クラスのみんなと旅行に行くんだ」

「まあ、それは楽しみです」


「他にも文化祭だってあるぞ」

「それはどんな行事なのですか?」

「クラス単位で出し物をしたりするんだ。出店だったりちょっとしたアトラクションだったり、劇なんかをやるところもあったらしい」

「それも楽しみです」


 そんな会話もそこそこにどちらともなく眠りにつく。

 お互いの熱を交換するように、心地よい一体感と共に。


 明日も平和でありますように。

読んでいただきありがとうございます!



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