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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第64話 運動会そのに

 東軍西軍両者互角といったところか、点数表示板を見ると50:55と僅差だ。


『続いては応援合戦です!両軍の応援団がさらなる活躍を願ってエールを送ります!』


「応援合戦ですか、一体どんなものなのでしょうか?」

「どんな種目だったかなぁ……」


 彼方の記憶に想いを馳せていると学ランやチアガールの姿の生徒たちが並ぶ。


 『まずは西軍の応援です!』


「GO GO WEST!WIN WIN WEST!レッツゴー西軍!」


 統率の取れた動きでチアガールの魅力を最大限引き出す西軍の応援団。

 

「カズヤさん!あれって……」

「あれは……」 

 

「E!A!S!T!ファイト!東軍!」


東軍応援団を見てみればアリシアの姿があった。スカートだけだが、チアガール姿がよく似合っている。

息ぴったりに動きが決まると周囲から歓声が上がる。

昼食の時に聞くことがまた一つ増えたなと思いながら俺たちも拍手を送る。

 

 『両軍、ありがとうございました、続いて――』


 ◇


 昼食休憩。

 アリシアと合流した後、俺たちは弁当を広げていた。


「わぁ!美味しそうです!」

「今回はカズヤさんもいっぱい手伝ってくれましたね」

「そうなのですか?ありがとうございます!お父様!」


 昼食をとりながら応援団の件をアリシアに聞く。


「そういえば、応援団に出ること、なんで言ってくれなかったんだ?」

「えへへ、ちょっと驚かせてみたかったんです。すみません」

「驚かされましたよ。可愛かったです、アリシア」

「ありがとうございます、お母様」


 そうそう、結局呼び方は高校では気をつけるようにという形で落ち着いた。

 普段から慣らしておかないとボロが出そうだが、特段大した問題でもないので、普段の在り方を変えるよりは良いだろうと結論を出したのだ。

 心なしかアリシアも過ごしやすそうにしている気もする。


「あ、アリシアさんだ!」

「河井さん、お昼休憩ですか?」

「うん、さっき食べてきたとこ。アリシアさんは……お兄さんたちと一緒?」

「いえ、このふたりは……私の両親です」

「え!ご両親!?若っ!」

「羽鳥和也です。いつも娘がお世話になっています」

「セレスティーナ・羽鳥・ヴィ・ユグドラシアです。娘と仲良くしてくれてありがとうございます」

 

 クラスの友達であろう子と仲良さげに談笑しているアリシアの様子を見て内心どこかホッとした。

 この世界の人々は元の世界でいう貴族ではない人、一般人だ。

 そんな中に貴族であるアリシアが一人降り立って大丈夫なのかと心配していたのだが、どうやら杞憂だったようだ。


 娘の日常を垣間見えて嬉しかった昼下がりだ。

読んでいただきありがとうございます!



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