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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第63話 運動会そのいち

 そして迎えた運動会当日。

俺たちは用意した弁当を持って保護者席へ。

高校の体育大会と比べて人が多くて驚きつつ良い位置を見繕い敷物を広げる。


 『選手入場』


 その掛け声と同時に自陣に控えていた生徒が一斉にグラウンド中央に集まる。

体育大会では行わなかったセレモニー的なこともやるのか。俺の頃はどうだったのだろう。昔すぎて記憶が定かではない。


 『えー、本日は晴天に恵まれ――』

 校長先生の話は変わらず長いことに妙な安心感を抱きつつ見守る。

 つい一昨日は選手側だったので、この視点で見るのはなんだか新鮮だ。


 開会式を終えた後は種目に移る。

 事前に受け取ったプログラムをみるが、流石に体育大会との差異はない。でもアリシアの活躍が見れると思うと楽しみだ。


「アリシアが出る種目って聞いてるか?」

「確か、障害物競走とリレー、借り物競走に出場すると聞いていますよ」

「リレー?凄いな」


 他にも全員参加の種目があるようだから見逃さないようにしないと。

 そして、アリシアというと、隣前後と談笑しているようだ。

 綺麗な白髪がよく目立つ。なので、何か嫌がらせのようなものを受けていないかと心配な親心もあったが、どうやら杞憂のようだ。


「なんか仲良く話しているな」

「そのようですね、よかったです」

「ああ」


 『続いての種目は女子100m走です!』


 どうやらアリシアたちが出場するらしい。席を立ち、準備を始める。


「うまく加減できるかな」

「大丈夫ですよ」


 『位置について、よーい』


 スターターピストルの音と共に一斉にアリシアが他の走者と一緒に駆け出す。

 綺麗なフォームで走る彼女はセレス譲りの綺麗な白銀の髪をたなびかせる。


「疾いな」

「それはあなたが一番よくわかってるじゃないですか」

「それもそうだが、それでもさ」


 アリシアに訓練をつけているのは俺なので彼女の身体能力はよくわかっている。

 しかし、加減をした状態でのアリシアを見るのは久しく、また同世代と一緒に走っている様子を見るのは初めてだ。

 下手な陸上部員よりも早いんじゃないか?

 そんなスピードで駆け抜ける彼女は堂々の一位でゴールテープを切った。


 上がった息を整えながら彼女はキョロキョロと見渡す。

 俺たちと目が合った瞬間、花が咲いたように笑いながらピースをして見せた。

 さすが、セレスの娘だ。


 普段の訓練とはまた違う娘の成長を実感した俺たちは無意識に口角を上げた。

 

読んでいただきありがとうございます!



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