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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第60話 体育大会そのに

『午後の部最初の種目は借り物競走です!』


「それじゃあ行ってきますね」

「ああ、気をつけてな」

「はい!」


午後の部の最初は借り物競走、きっとこれが一番ウケが良いだろう。


「メガネの人ー!」

「ポニテの女子ーいませんかー!」


周りも一緒になって盛り上がれる競技は見ている側も楽しいものだ。


「位置について、よーい」


お、次はセレスの番か。


スターターピストルの音と共に走者が一斉に駆け出す。


「なんだあの女子、めっちゃ綺麗なフォーム」


上手に加減しているが、持ち前の綺麗なフォームは隠せていない。


「セレスティーナさんすげぇ、なんかスポーツやってたのか?」

「ああ、ちょっとね」


戦場を駆け抜けていたなんて言えるはずもない。


お題が入った封筒を開け、中身をみると、セレスは迷わずこちらに走ってきた。


「カズヤさん、お願いします!」

「へ?」

「カズヤさんが借り物なんです」


連れ出される手のままに一緒に駆け出す。


「ありがとうございます! あとはアリシアですね」

「え、ゴールじゃないのか?」

「アリシアは外せないので!」


よくわからないがアリシアの元に駆ける俺たち。


「アリシア!」

「おか……お姉様?」

「アリシアも借り物なんだってさ」

「一緒に来てください!」

「は、はい!」


セレスを真ん中にゴールした俺たち、一体どう言うお題だったのだろうか?


『東軍が今ゴール! 二人を連れてのゴールですが、お題はいったい?』


判定係の先生にお題の紙を見せるセレス。

俺たちも一緒に見せてもらうとそこには”家族”の二文字が。


「私たち三人で家族ですもの、どっちか片方だけなんてあり得ません!」

「セレス……」

「お母様……」


思わず俺たちはセレスに抱きついた。


「ど、どうしたんですか?二人とも」

「いえ、ただ嬉しいだけです!」

「ああ、その通りだ」



アリシアと別れ、自陣に戻ると、遼が迎えてくれた。


「おかえり、お題はなんだったんだ?」

「”家族”だってさ」

「そりゃあ、良かったな」

「ああ」

「にしてもなんでアリシアさんも一緒だったんだ?」

「……”三人で家族だから”だってさ」

「ん?」


少し腑に落ちないといった表情だが、仕方ない。


……いつか話せる日が来るといいな。

そんなことを思う昼下がりだった。

読んでいただきありがとうございます!



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