閑話 体育大会の昼食
午前の種目を終えた俺たちは、一般観覧席にいたアリシアと合流する。昼食休憩だ。
「障害物競争、凄かったです!」
「ありがとうな」
見られていたなんて考えるとちょっと小恥ずかしい。
「さ、お昼にしましょうね」
「悪いな、こんな日にまで作らせて」
「いえ、好きでやっていることですし、あなたも手伝ってくれたじゃないですか」
「それでも大部分はセレスが作った訳だし……」
「でしたら、アリシアの時に頼らせてくださいね?」
もちろんと返すと、セレスは満足げに笑った。
昼食が入った重箱を開けると、唐揚げにおにぎり、卵焼きといった品目が顔を見せる。
まごうことなくご馳走だ。
「「いただきます」」
卵焼きを一口。程よい甘さが口の中に広がる。セレスの味だ。
「美味しいよ、セレス」
「それは良かったです」
「んっ!唐揚げも美味しいです!お母様」
「ありがとう、アリシア」
いつもと違う場所で食べるご飯はちょっと新鮮で形容し難い高揚感を覚える。
「そういえばお父様、午後はどの種目に出るのですか?」
「借り物競走にセレスが、騎馬戦に俺が出場するよ」
そんな会話をしている俺たちに声が掛かる。
「あれ? アリシアちゃん?」
「葛西さん!」
「え〜来てたなら教えてくれたら良かったのに〜」
直近までお父様呼びされていたので若干心臓が早鐘を打つ。
「なんの話してたの?」
「お……兄様たちが次に出場する種目を聞いてたところです」
「確かセレスティーナさんが借り物競走にエントリーしてたよね?」
「はい! 楽しみです!」
どうやら気付かれたと言うわけではないらしい。
ほっと胸を撫で下ろしていると、アナウンスが流れる。
どうやら、午後の部が始まるようだ。
「そろそろ戻らなきゃ」
「頑張ってくださいね、お兄様、お姉様」
「はい、ありがとうございます」
短いように感じた休憩も終わり、午後の部が始まる。
アリシアが見ていると思うと無意識的に背筋が伸びる。
アリシアに見られて恥かしくないようにしようと思った昼過ぎだった。
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