第51話 楽しい計画
夜、自室で課題の整理をしながらカレンダーを眺めていると、あることに気がついた。
「そういえばアリシアの誕生日もうすぐだな」
「そうですね、今年は貴族向けのパーティーをしないで済むと思うと、ちょっと気が楽に思います」
確かに、それは楽だ。
貴族向けのパーティーの準備となると、食事の用意や会場の飾り付け、メイドや執事の人員配置を考えたりなど、英雄として、勇者として相応しい格を提供しないといけなかったので、何かと準備に奔走したのを昨日の様に思い返せる。
「今年はどうしましょう?」
「そうだなぁ、折角この世界に来たのだからそれらしいものにしたいよな」
「ねえ、カズヤさん、折角ならサプライズなんていかがでしょう?」
「サプライズ? いいね」
そうと決めた俺たちは各々誕生日パーティーを調べ始める。
俺もイースガルドで経験するまでは誕生日パーティーというものを殆ど経験したことがなかったので、ちょうどいい機会だ。
俺たちで調べるのもそうだが、唯や両親にも聞いてみよう。
そんなこんなで夜は更けていく。
◇
「えー! アリシアちゃんの誕生日!」
「サプライズなんだから大きな声で言わないでくれ」
アリシアが課題をやるために屋敷の自室にいる間に話を通す。
「そうだなぁ、チキンとかどう? ピザとか! パーティーぽくない?」
「確かに、食べ物周りは唯に任せるよ」
「やった! それじゃあ見繕ったものを後で教えるね……いや、それもなんか違うなぁ、お兄たちにも内緒にするっ!」
まるで舞い上がるようなテンションで用意を始める唯。
それを尻目に俺たちはアリシアの誕生日プレゼントを考える。
イースガルドならアクセサリーや杖などといったアイテムになっただろうが、ここではそうもいかない。
この世界でアリシアの年代の子供が高価なアクセサリーを身につけているのは違和感しかない。
そうなったらどうするか……
むむむ……悩みどころだ。
「カズヤさん、ケーキのことなのですが、ネットで見ることもできるのですが、やっぱり実際に見てみたくて……」
「そうか……じゃあ、今から見に行ってみるか」
「今からですか?」
思い立ったら吉日、即行動だ。
「そのケーキ屋はどこにあるんだ?」
「この間行ったショッピングモールの近くの駅に入ってるみたいです」
「それなら近いし、問題ないだろ」
「わかりました、用意するのでちょっと待っててくださいね」
「うん、急にごめん、ゆっくりでいいよ」
「はい」
こうして始まったアリシアのサプライズ誕生日パーティー計画、楽しくなりそうだ。
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