第46話 朝
朝、日が上るのと同じ頃に目が醒める。
隣で眠るセレスを起こさないようにゆっくりとベッドから抜けだし、修練場に向かう。
握りから木刀を選び、修練場へ。軽い準備体操を行った後、素振りを行う。
一振り、二振り。
静謐な空気の中、剣が空を切る音が響く。
体が温まったところで木人を相手取る。
下から、上から。
「フッ……! はっ……!」
研ぎ澄まされた感覚に見知った気配を感じる。
「朝から訓練とは精が出ますね、隊長」
「ケインか」
ケインもまた木刀を携えている。きっと訓練に来たのだろう。
「一緒にやるか?」
「よろしいのですか?」
「もちろん」
どちらともなく見合い、構える。
刹那の静寂の後、剣が動く。
一合、二合と剣を交わした後両者後ろに引く。
「本当お強くなられましたな、手が痺れます」
「何を言う、お前もしっかり合わせて来ているじゃないか」
今度は俺が攻め手。フェイントを混ぜつつ剣を振る。
それに対して防ぐでなく、避けるケイン。
「なんの、こちらからも参りますよ」
「こい!」
するとケインは洗練された騎士の剣を振るう。
それに俺は剣を合わせて答えた。
カンカンと小気味良い音を修練場に響かせる。
「いつも剣を合わせてくれますね」
「お前たちと語らうにはそれが一番良い」
「そこまで脳筋になったつもりはないのですけれどねっ!」
そんな会話を交わしながら俺たちは剣を交わす。
一合、また一合。
俺たちの荒い息遣いと剣の音が凛と響く中、また見知った気配を感じた。
「お父様ー! ケインおじ様! 朝食ができますよー!」
その声に両者後ろに引いて答える。
「わかりました!」
「ありがとう、アリシア」
「ここまでですね」
「付き合ってくれてありがとうな」
「何を、こちらの方こそありがとうございます」
互いに礼をし、握手する。
そして修練場に併設されているシャワー室で汗を流す。
ケインとはシャワー室で別れ、リビングに向かうと朝食を用意しているセレスの姿があった。
「訓練お疲れ様です。丁度朝食が出来上がりましたよ」
「ありがとう」
各々席につき、合図を待つ。
「では頂くとしよう」
俺のその言葉で各々食事に手をつけ始める。別に待たなくても良いのにと思うが、これがもう習慣化しているのだ。
「今日はどうする?」
「そうですね、特に予定はありませんし、お出かけでもしましょうか」
「良いですね!」
そんな会話で今日が始まる。今日もまた平和でありますように。
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