第41話 課題とお祭り
夏季休業が始まって数日、俺たち三人は休業中の課題を片付けるべく、机と向き合っていた。
「なあセレス」
「そこはこの公式を利用すれば解けますよ」
「ありがとう」
俺はセレスに教えてもらいながら課題を進める。流石と言うべきか、彼女は課題の中身を全て理解しており、行うのは単純にこなすという作業のみのようだ。
「お母様、ここを教えていただいてもよろしいですか?」
「そこは、向こうで言うアルノの方程式を使えば簡単に解けますよ」
「ありがとうございます!」
順調に課題を片付けて昼頃、昼食を取っていると、母さんがふとこんなことを口にした。
「そういえば町内会で夏祭りをやるらしわよ」
「夏祭りとは何ですか?」
「何って言われると難しいな……出店があったり、盆踊りを踊ったり、盆を迎えるためのお祭り……かな」
「みんなでワイワイ楽しむお祭りよ。町内会だから規模も小さいし、行ってみたら?」
「お祭り! 行ってみたいです! お父様!」
「そうだね、課題を片付けたら行ってみるよ」
セレスの方を向くと彼女も楽しそうに頷いた。
そうとなれば張り切って課題を倒さなければ、そう思い立った俺は再び机に向かうのだった。
◇
太陽が出番を終えようとするそんな頃、俺たちは町内会の夏まつりの会場に来ていた。
町内会のため規模は小さく、歩いてもすぐに端に到達できてしまう距離だが、祭囃子に出店、立派なお祭りだ。
「すごいです! あれは食べ物なんですか?」
到着して目を輝かせながら周囲を見渡すアリシア。
「あれはわたあめ。砂糖をすごく細い糸にして綿状に整形したものだよ」
「何だか可愛らしいです」
「お父様、買ってきても良いですか?」
「ちょっと待って、引換券にしないとだから」
そういって夏祭りの運営テントに足を向ける。
「なぜ引換券なのですか?」
「金銭問題を減らすためと、子供達のお金の勉強が目的だって聞いたよ」
「何枚だい?」
「10枚分お願いします」
「あいよ」
現金を引換券に変えてから、またさっきのわたあめ屋に戻ってくる。
「わたあめを一つ」
「はいよ、引換券1枚ね」
「はい」
「まいど」
購入したわたあめをアリシアに渡す。
少し不思議そうにしつつも目を輝かせたアリシアはパクリとわたあめを口に頬張る。
「んんっ! 甘いです!」
「まあ、砂糖だからな」
「でも何だか違う気がします! ほら、お母様も」
そういってアリシアはセレスにわたあめを差し出す。
セレスはそれを控えめに口にした。
「本当です! 何だか別の甘さがありますね」
「お父様も食べてみてください!」
今度は俺にわたあめを差し出すアリシア。
そんなに変わるものかと思いつつ差し出されたわたあめを口にする。
「んん、久しぶりに食べるけどやっぱり美味しいな」
「ですよね!」
「あっちにはベビーカステラって書いてあります!」
「行ってみるか?」
「はい!」
祭囃子に包まれたいつもとちょっと違う空間。今日はまだ終わらないらしい。
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