第38話 夏季休暇
38話 夏期休暇
夏季休業前最後の学校。
午前授業で終わることも相まって、迫り来る夏期休暇の足音に学生たちは色めきあっていた。
「夏休み中、みんなでどこか行けたらいいよね!」
「それな! 海とかどうよ?」
「さすがに学生だけでいくのはしんどくない?」
「じゃあプールとか!」
もはやいつものメンツとなってきた葛西さん遼、俺とセレスは教室でそんな話をしていた。
全校集会を前にしたこの時間、学生たちの期待感はさらなる盛り上がりを見せていた。
「そろそろ全校集会始まるから移動しろー」
先生のそんな緩い声に学生たちは行動で返す。
「全校集会では何をやるのですか?」
「各部活の大会の表彰だったり、担当の先生からの連絡事項だったりを全体で話す会だよ」
「プリントで行っても良いのでは?」
「全員が全員プリントを見る訳ではないし印刷にもコストがかかるからな。何かと集まった方が都合がいいんじゃないか?」
「なるほど」
そんな話をしながら俺たちは全校集会へと足を向けた。
到着すると、各先生からの夏期休暇中の注意事項が話され、大トリに校長先生からのお話があった。
そして校長先生からの長いお話を乗り切り、全校集会は無事に終わった。
「あ〜、校長先生の話長かったー」
「葛西は寝てないだろうな?」
「何をおっしゃる! 寝るわけないじゃん」
「葛西さん、ちょっと寝てましたね」
「言わないでよセレスティーナさん!」
教室に戻る最中、俺たちはそんな話で盛り上がっていた。
「ねね、みんなは帰ったら何する?」
「俺は買い物に行こうかな。この時間なら空いてるだろ」
「セレスティーナさんたちはどうするの?」
そう聞かれて俺たちは顔を見合わせるも答えは一緒だった。
「課題を片付けるかな」
「そうですね。出された課題を行うと思います」
「ええ〜、学生でしょ! もっと遊ばなきゃ」
「遊びの予定もちゃんとありますよ」
「そんなのじゃ足りないよ!」
そんなこんなで終わった一学期。世間的にみたら何の変哲もない、けれど俺たちからすれば怒涛の一学期だった。
「なんだか悪いことしてる気分ですね」
帰り道、ふとセレスがそんなことを口にした。
「何が?」
「こんな時間に外を出歩いていることがです」
確かに、普通に学校生活を送っていればこの時間は学校にいる頃、外を出歩くなんてことはなかった。
「セレスも学生が板について来たみたいだな」
「もう、意地悪言わないでくださいっ」
「悪い悪い」
「お父様!」
帰路を辿っているとアリシアが合流してきた。今日は中等部も含め全学共通で午前終わりだったからか、一緒に帰ることが出来たようだ。
「アリシア、ダメだろ? 外でそう呼んじゃ」
「今は人がいませんもの、大丈夫です!」
「普段からやらないと癖がつかないですよ?」
「はーい、お母様」
「全くもう」
アリシアを真ん中に置き、歩き出す俺たち。ジリジリと照る太陽が肌を焼くようだ。
「夏休み、どこかいく予定はありますか?」
「そうだなぁ、これ良いって決まってないけど、温泉とかはどうだ?」
「いいと思いますけど、この時期はちょっと暑いのでは?」
「じゃあ海にでもいくか」
「いいですね! 今度は三人で行きたいです!」
そんな雑談に花を咲かせつつ帰宅する俺たち。今日もまた平和である。
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