閑話 第二回女子会
セレスたちがこの世界にやってきて3カ月が過ぎようとしていた。
最初は戸惑っていた科学技術たちにも慣れ、最近ではひとりで出かけることも出来るようになってきた。
そんなある日の昼食時、俺はいつも通り一緒に昼食を取ろうとセレスの席に向かうと葛西さんと二子山さんがセレスと話していた。
「あ、カズヤさん、すみません今日は……」
「ちょっとセレスティーナさんを借りるね」
「ちょっと女子会したくて」
申し訳なさそうな顔をするセレス。
「そんな顔しなくていいよ、楽しんでおいで」
「……ありがとうございます」
自然と手がセレスの頭に伸び、柔く撫でる。
「私たちも自然に受け入れたけど、よくやるね」
「?何がでしょう?」
「何でも!ささ、旦那さんからの許可も出たことだし行こ!」
そう言って葛西さんたちに連れられ、セレスが教室から出ていく。
今日は遼でも飯に誘うか。そう思った今日この頃だ。
◇
私たちはカズヤさんと別れ、中庭に向かう。もう時期に暑くなるからここに来づらくなるなと思いつつ弁当を広げる。
「それでさ、ぶっちゃけ聞きたいんだけど、和也くんとはどうなの?」
「どう、ですか?」
「ほら、結婚生活!」
「私たちの周りで結婚しているの二人くらいだからさ、気になって」
「前もお話ししましたが、普通ですよ?」
「どんな風?」
どのようなと聞かれれば少し回答に困るが、彼女たちの問いに答えていく。
「そうですね……まずは一緒に住んでいます」
「それは前も聞いた!妹さんと一緒に和也くんの家に住んでるって」
「はい、ご厄介になっています」
「一緒に暮らしてて不満とかないの?」
「不満ですか?」
「ほら、生活って人それぞれ違うじゃん?そんな齟齬で喧嘩とかにならないの?」
「特にはありませんね」
「おおう、即答」
今一度巡ってみてもそのような不満は出てこない。
10年前は多少なりとあった。と言うよりカズヤさんがイースガルドになれるまで時間がかかった程度のこと。
この水準の生活を送っていていきなり戦乱の異世界に舞い降りてしまえば今なら頷ける。
「やっぱり、ありませんね」
「例えば洗濯物出し忘れたり、お弁当出し忘れたりは?」
「どちらもありませんね」
「家事の分担とかは?」
「そうですね……気を抜くと全部カズヤさんがやってしまいますから、そこでしょうか?」
「すごいなぁ和也くん」
「続けると、寝食を共にしていますね」
「じゃ、じゃあ、寝るのも一緒ってこと?」
「ええ」
そう答えると二人は黄色い悲鳴をあげる。
「夫婦ですから、当たり前なのでは?」
「いや、寝る時は別々っていう夫婦も珍しくないと思うよ」
「そうそう、それにずっと一緒にいるのってしんどくない?」
「いいえ、私はこれから先も一緒にいたいと思っていますよ」
彼が許すならどこまでも一緒にもっと近くにと願うのは普通なのでないのだろうか?
「それじゃあさ、和也くんのどこが好きなの?」
「どこが……ですか」
どこが好き、どこが……
「カズヤさんの手が好きです。いつも優しく撫でてくれるから」
「カズヤさんの声が好きです。いつも私の名前を呼んでくれるから」
「カズヤさんの心臓が好きです。いつも優しい眠りを誘ってくれるから」
いつも、私たちを守ってくれる。優しい彼だから。
「好きなんて言葉では表しきれない、私はカズヤさんを愛しているのです」
吐息にも熱が籠る。それも彼がくれる熱なのなら吐き出すのが勿体なく感じる。
「コーラじゃなくてコーヒーにすればよかったかも」
「私も〜」
ちょっぴり甘い昼食は続く。
じんわりと熱くなってくるのはきっと太陽のせいだろう。
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