閑話 家具
間話 家具
中間考査、課外学習が終わり、夏季休暇の足音が聞こえてきたある日の休日。
俺たち6人は家具屋に来ていた。理由は先日痛感した通り、ダイニングテーブルが手狭になったからだ。
「凄いです! こんなにたくさんな家具が並んでいるなんて」
家具屋の光景にセレスとアリシアはそんな感想を並べた。
イースガルドでは貴族ということもあって、家具は基本オーダーメイド。その為すでに作ってあるものを売っている光景は珍しかった。
目的の6人掛けのダイニングテーブルを見つけるも値札に父さんが慄く。
「やっぱりちょっと高いな」
「そうなのですか?」
「他のダイニングテーブルと比べるとちょっと値段は張るな」
「だったら俺も出すよ?」
「いいや、ここは俺が出す。家族のものだからな」
「……わかった」
そうこうしていると良さげなダイニングテーブルを発見。機能面も価格も申し分ない。
「父さんたちは契約してくるから好きに見てくるといい」
「わかった」
そう言われ俺たちは店内を見て回る。元々この世界の住人でもある俺もあまり見なかった光景に内心テンションが上がっていると、ふとベットコーナーに目が行った。
「いろんなサイズのベッドがあるのですね」
「一人で使うのか二人で使うのかでサイズは変わってくるからな」
「なるほど」
「向こうの世界と材質がそういえば違ったっけ、セレス、試しに座ってご覧」
「それでは失礼して……わわ」
反発するマットレスに驚くセレス。その様子がどうにも可愛らしく笑ってしまう。
「中にバネみたいな構造材が入ってるんだ。だからこうして反発する」
「なるほど、面白いです!」
イースガルドのマットレスは特殊な樹液を膨らませたものだった。なので優しく受け止めてくれる寝心地が特徴的だ。
セレスにならってアリシアも試してみる。
「なんだか少し跳ねるようです!」
感触を楽しむ二人。その様子をみるとやはり母娘なのだなと感じる。
「いっその事屋敷のベットをこれに変えるか?」
「あれはあれで私は気に入っているのですけれど、変えてしまうのですか?」
「……いや、俺もあれが気に入っているし、搬入を考えたらちょっと面倒だからな」
「確かに、どうやって搬入しましょう」
くすくすと揺れながら笑うセレス。
そんな雑談に花を咲かせていると、父さんたちが戻ってきた。無事に契約が完了したようだ。
「おや、ベットを見てたのか?」
「異世界だと作りが違うからね」
「まあ、異世界だとベットはどうなの?」
「形はほとんど変わらないよ。でも、中身が樹液を温めて膨らませたものなんだ」
「へえ〜、今度寝てみたいわぁ」
「じゃあ今度改めて屋敷に招待するよ」
「そういえば和也たちが住んでいた屋敷は殆ど見たことなかったな」
そんな会話をしながら帰宅の途に着く俺たち。今日も平和である。
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