閑話 クリスマスの夜
「寝ましたか?」
「ああ寝たよ」
夜。屋敷の自室にて。
自宅でのクリスマス会を終えた俺たちは屋敷に帰ってきた。
もう夜も遅いことからアリシアは寝て、俺たちは食後酒を楽しんでいた。
「もう少ししたらプレゼントを置きに行かないとな」
「そのお役目はカズヤさんにお願いしますね。隠密は得意でしょう?」
「そうだな。戦場のスキルがこんなことで役立つとはなぁ」
「いいじゃないですか平和で」
「それもそうだな」
外を見ると雪がチラついている。
もしかした積もるかも知れない。
ホワイトクリスマスもまたいいなぁ。
そんなことを考えながらグラスを煽る。
「なあセレス、これ」
「はい?」
「クリスマスプレゼント」
「まあ、私にも?ありがとうございます。開けても?」
「もちろん」
セレスは俺から受け取った小さな箱を開ける。
中にはブルースターを模ったイヤリングが入っていた。
「綺麗……これはブルースターですか?」
「うん、セレスに似合うと思って」
「嬉しいです……幸福な愛ですか」
「知ってたんだ」
ブルースターの花言葉は幸福な愛。あしらいが可愛らしいのもあったが、ぴったりな花言葉だと思って購入した。
「愛しています。好き、大好き、愛してる。そんな陳腐な言葉じゃ表せないほどに」
「俺も愛しているよ。セレス。この上ないほど」
自然と距離が近づき、口付けをする。
葡萄の味とちょっとのアルコール。そして筆舌しがたいほどの甘み。
どれだけ時間が経ったかわからない。けど、もっと長く続いて欲しいと願うほどに幸福な時間。
どちらともなく身体に手をやり、互いをより近くにと抱き寄せる。
「カズヤさん……」
「セレス……」
またどちらともなくベッドに倒れこみ、距離をまた近くする。
吐息すら届く距離で、薄手の服装では互いの体温がありありと伝わる。
やがて俺は彼女の頬に手のひらを添え、彼女はまた俺の腰に手をやった。
もはや言葉は必要ない。けれど、表しきれない陳腐な言葉を添えて彼女を求め、彼女もまた俺を求めてくれる。
月が輝く星空の下、俺たちは影を重ねた。
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