第124話 クリスマスプレゼント
12月23日、クリスマスイブの前日。今日は今年最後の登校日だ。
「ということで、今年の授業はこれでおしまいだ。受験生前の最後の冬休み、存分に楽しめよ?」
先生はそう言ってHRを締め括った。
いつもより活気立つクラスメイトたち。そんな彼らを尻目に俺たちは帰り支度をする。そうしていると、葛西さんが声を掛けてくれる。
「セレスさん!和也くん!この後時間ある?」
「ごめんなさい、今日はちょっと用事がありまして……」
「ちょっと妹のクリスマスプレゼントを買いに行かないといけなくてな」
「そっか、じゃあまた今度だね。今年は……無理そうだからまた来年だね!良いお年を」
「葛西さんも、良いお年を」
他の友人たちにも声を掛けてから学校を出る。
雪が積もった先日と比べれば暖かいが、一桁台の気温が肌を突き刺す。
「セレスはアリシアへのクリスマスプレゼント、決まったのか?」
「はい、ハンドクリームとリップクリームを買っていこうかと思いまして」
「まじか、被った〜」
「カズヤさんもハンドクリームのつもりだったのですか?」
「うん……別のものにするか〜」
クリスマスの足音に気がついた頃、それとなくアリシアに欲しいものを聞いてみたが、誰に似たのか物欲があまりなく、収穫は得られなかった。
なので、自力でプレゼントを決めることになったのだが……まさか被るとは。
年頃の娘なら化粧品が良いかと思ったが、俺はそこまで詳しくはないし、学校では使えない。なので日常遣いができるハンドクリームをと決めていたのだが、買う前に気がつけてよかった。
「さてさて、どうしたものか」
「あの、私が変えてもいいんですよ?」
「いや、ああいうのは同じ女の子のセレスの方がアリシアの喜ぶものがわかるだろうから、セレスが買ってあげて」
「わかりました。でもどうするのですか?」
「う〜ん、お店行ってから考えるよ」
今日はいつも行くショピングモールではなく、別の商業施設。そこも色々なジャンルのお店が集まっている。
そこに辿り着くと、まずは、セレスが選ぶクリスマスプレゼントを買いに向かった。
「さすがクリスマスシーズンですね、ちょっと混んでいます」
店内は少し窮屈に感じるぐらいに客が集まっていた。
「どれにするか目星はついているのか?」
「はい、グリーン系のものをと思って探しています」
アリシアがどの香りが好きなのかはわかっている。あとはそれに合わせて見繕うだけだ。
「これなんてどうでしょう?」
セレスが手に出したハンドクリームの匂いをかぐ。
「そうだなぁ、確かにいい香りだけど、俺には少し香りが強いように感じるな」
「やはりそうですか、じゃあこれはどう思います?」
「う〜ん、俺の好みではないなぁちょっと鼻につく香りだ」
ちょうど良いものは中々見つからない。香りの種類にとらわれずに探すことにしてみる。
「石鹸系のこれなんてどうだろう?」
「万人受けする香りですね。でもせっかくならちょっと特徴的なものにしても良いかもしれません」
そして探していると、面白い香りのものを見つけた。
「紅茶の香り、これなんか面白そうじゃないか?」
「本当ですね、香りもとても良いですね。これにしましょう」
リップクリームは目星があったのかサクッと選び、お会計へ。クリスマス用のラッピングも忘れずに。
「あとはカズヤさんのプレゼントですね」
「さっき良さげなお店を見つけたんだよね」
「そうなのですか?では早速参りましょうか」
そうして件のお店にやってくる。
入ると客は女性ばかり。ちょっと場違い感を感じながらも店内を散策する。
「これなんてどうだろう?」
「いいですわね!可愛らしいと思います」
それを手にレジへ向かう。こちらもクリスマス用のラッピングをお願いする。
「さて、目的は果たしたわけだが、どうする?」
「そうですね、せっかく普段来ないところにきたのですから、もう少し色々見ていきませんか?」
「そうするか。さ、手を」
「ありがとうございます。カズヤさん」
一足早いクリスマスデートを楽しんでから帰宅の途につく俺たちだった。
読んでいただきありがとうございます!
下にある☆を★★★★★にしていただけると嬉しいです!




