第123話 タピオカ
「ねえセレスさん!駅前に新しくタピオカが有名なお店ができたんだけど知ってる?」
「そういえば、何か新しくお店ができていましたね。そんなお店だったんですね」
午後の授業休みに、セレスは葛西さんと他愛もない話に花を咲かせていた中、ふとそんな話題が会話の中に生まれる。
「よかったら今日放課後一緒に行かない?」
葛西さんの誘いに俺へと視線を送るセレス。
別に何か用事があるわけではないし、むしろ友達と一緒に出かけることは好ましい。だからその視線に対して俺は頷いて返す。
「もちろん、一緒に行かせてください」
「やった!あ、よかったら和也くんも一緒に行かない?」
「俺もか?」
「もちろん!色々聞きたいこともあるし!」
今度は俺がセレスに目配せする。
セレスが肯定の意を示したので俺は二人の輪に入る。
「二人がいいのなら行かせてもらおうかな?」
「一緒にタピオカ飲みに行こー!」
残りの課業を終え、放課後。
俺たちは噂の駅前にできたお店へとやってきた。
「機械でのセルフオーダーなんだ。何だかハイテクだね」
「系列店に行ったことあるけど、そこは違ったから新しい店舗だからなんじゃない?」
葛西さんにオススメを聞きつつ注文を進める。
俺は黒糖烏龍茶ミルクティー、セレスは抹茶オレを選んだ。勿論タピオカ付きで。
暫くすると注文した物が出来上がって来た。
「噂には聞いていましたが、本当に黒い球体ですね」
「早速飲んでみようぜ」
ストローを刺して一口。
甘いミルクティーと一緒にタピオカが口の中に入ってくる。
「ん~、食感が中々面白いですね」
「案外味がないんだな」
「でしょ?これが癖になるんだよね~」
ズズズッと吸うと続々とタピオカが送り込まれて来る。
「なんだか飲み物って感じしないな。食べ物を食べてるみたいだ」
「タピオカって結構腹持ち良いんだよ?元々キャッサバっていう芋なんだけどね」
「これがもとは芋なんですか?ちょっと不思議です」
吸うことに夢中になっているセレスは、なんだか少し子供の様で可愛らしい。
少し様子を見ていると、セレスと目が合った。
「どうした?」
「いえ、ちょっとそちらの味が気になりまして」
「飲んでみるか?」
「でしたらカズヤさんも」
お互いに交換して飲んでみる。
「ナチュラルにやるね、二人とも。家でもそんな感じなの?」
「家ではこんなことやりませんよ?マナー違反ですし」
「今回は特別だ。せっかくのタピオカだ。楽しまないと」
「それもそっか」
俺たちは他愛もない話に花を咲かせる。
そんな様子が何だか学生らしくてちょっと高揚する気を抑えつつ、今この時を楽しむのだった。
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