第121話 精霊
「ねえセレスさん、異世界って精霊はいるの?」
ある夕方のこと、家のリビングで漫画を読んでいた唯がふと、そんな問いをセレスに投げかける。
「そうですね、イースガルドにも精霊はいますよ」
「いるの!どんな感じなの?」
「そうですねぇ、まずは見た目でしょうか?といっても精霊って基本的に目に掛かる機会は少ないんですよ。普通に過ごしていて遭遇することはまずあり得ないですし、出会ったとしても小さな光の玉程度にしか見えないはずです。アニメや漫画みたいに所謂人型をしている精霊は大精霊などと喚ばれることが多いですね」
興味深そうに聞く唯に微笑ましそうな視線を向けるセレス。
「精霊とは草木や動物、人や無生物など万物に宿り、それを司るモノ。神のような仰々的な立ち位置ではなく、我々生きとし生けるものの隣に寄り添う存在。いわば隣人です。まあ、精霊信仰なんてものもありますけどね」
「エルフは特にそれが顕著で、精霊教会なんてものもあるくらいだ」
「古くから森と共に過ごしてきたエルフは精霊との親和性がとても高くて、精霊の力を借りる精霊魔法の適性が高いんです。かくいう私も精霊魔法を使いますしね」
「精霊魔法って他とは違うの?」
唯は当然の疑問を投げかける。
「精霊魔法は先ほども言った通り、精霊の力を借りて魔法を行使します。魔術が理に沿って現象を再現するもの。魔法は理そのもの、奇跡の技。精霊魔法はその中間、自然的存在である精霊の力を借りて現象を起こす。あまり詳しく解説すると魔法学的になってしまいますから、今回は省きますが、だいたいこんな感じですかね」
「魔法学ってなに!?超気になるんだけど!」
「そうだなぁ、例えるなら歴史と化学を足して2で割ってさらにプラスアルファした感じかな」
「えっと、なんだかむづかしいのはよくわかった」
唯の答えに俺は軽く笑う。
俺も勉強し始めた時は魔法・魔術という新しい概念に触れながらだったから動揺したなぁ。
「さっきのセレスさんの言い方、この世界にも精霊はいるの?」
「いますよ?流石にイースガルドと比べれば微弱ですけど、確かに存在しています」
「いるんだ〜!じゃあさ、自動車にも精霊いるのかな?」
「精霊は魔力に起因して現れると言われています。もしかしたらいるかもしれないですね」
今度魔法学の本を見せたら喜ぶかな?
そんなことを思う午後であった。
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