閑話 秋の夜
紅葉狩りを終え、屋敷の自室に二人。
「皆さん楽しんでいただけた様でよかったですね」
「ああ、俺たちも楽しかったな」
「はい」
食後酒を楽しみながら昼間に残った前菜たちを食べるという少しいつもより豪華な夜の楽しみ。
「カズヤさん、今日はお酒いつもより進んでいますね」
「そうか?まあ、楽しかったからかな」
そう言いながら俺はまたグラスを煽る。
「……なんだか最近のカズヤさん、気を張っていらしゃいませんか?」
「どうした?急に」
「いえ、なんとなくそんな感じがして」
「……やっぱり隠せないか。ちょっとな」
「はぐらかさないで教えてくださいな。どうしてそんなに気を張っているのですか?」
ずずいと俺の方を見つめるセレスに根負けして俺は渋々話す。
「最近、なんだか自分が幼く感じるんだ」
「どういうことです?」
「肉体の年齢は17で、精神の年齢は27なわけだろ?最近体の年齢に精神が引っ張られているような気がしてな」
「そのようなこと、気になさらなくても良いのではないのですか?」
「でも、セレスや特にアリシアなんかは27の俺に慣れ親しんでるから、そこでギャップが起こって欲しくなくて」
そう言うと、セレスは俺を胸に抱いて寄せる。
「確かに驚きはあるかもしれません。でも、それでカズヤさんが窮屈な思いをするのなら私たちは嫌ですよ?」
「でも親として……」
「アリシアがいる場面では多少気をつけた方が良いかもしれません。けど、私といる時はそこまで気を張らなくても良いんですよ?」
セレスは俺の頭を撫でながらそう言った。
「私はカズヤさんのありのままを受け入れたいのです。かっこいいカズヤさんもちょっと抜けているカズヤさんもみんなカズヤさんなのですから」
セレスの言葉に俺はどことなく体の力が抜けるのを感じた。
そのまま俺はセレスに体を委ねる。
「嬉しいです。こうして体を委ねてくれることが。この上なく」
耳をすませばセレスの鼓動が聞こえる。
瑣末ごとなんかを忘れてただただ安らぎを覚える。
「セレス、愛してるよ」
「はい、私も。愛しています」
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