第115話 紅葉狩りそのいち
115話 紅葉狩りそのいち
時は過ぎて週末、家のリビングには父さん母さん、そして唯が揃っていた。
「なんだか改まって紅葉狩りだなんて初めてかも」
「そうなんですか?」
「うん、街を歩いてたり、テレビで見たりはしたことあったけど、紅葉狩りを目的としたのは初めて!セレスさんは?」
「そうですね、王家の催しで何度か、後、我が家でも何度か紅葉を見ながらのお茶会を開いたことがありますね」
「すごい!今度そのお話も聞かせてほしい!」
「勿論いいですよ」
そんなことを話しているとインターホンが鳴る。
俺たち二人は玄関に行って出迎えると、そこには見知った顔が二つあった。
「はーい」
「こんにちは、セレスティーナさん、和也くん」
「葛西さんに中島さん!来てくれてありがとうございます!」
「こんにちは、本当に今日お邪魔してよかったのか?せっかく家族との時間が……」
「勿論良いに決まっているじゃないですか。紅葉狩りは人数が多い方が楽しいですから」
「そうだぞ?良くなかったら誘ってないさ」
そう言って二人をリビングに招き入れる。
「こないだ話したけど、紹介するよ、学校の同級生の葛西さんと遼だ」
「アリシアちゃん以外の方は初めまして、葛西茜です。今日はよろしくお願いします」
「中島遼です、今日はよろしくお願いします」
家族との顔合わせが済んだ後、一行は靴を持って俺の部屋に向かう。
「靴をもってお家の中を動くのってなんだか不思議な感じ」
「前回二人が屋敷に来た時はスリッパだったもんな。あの屋敷は基本土足なんだ」
二階に上がり、俺の部屋へ。六畳間にはありえない数の人が詰まっている。
俺の部屋にある異世界感のある二枚扉をくぐると、その窮屈さから解放され、屋敷の玄関に移動した。
靴に履き替え、俺たちは今回の紅葉狩りの会場である庭へと向かった。
「わぁ……!凄い!」
「綺麗だな……」
庭に出ると、見事に色づいた多種多様の木々が出迎えた。
「そう言っていただけると、整えたかいがあるというものです」
「え、これ全部セレスティーナさんたちが剪定したの?」
「頑張りました」
「言ってくれたら私達も手伝ったのに~」
「御義母様方の手を煩わせるわけには……」
「セレスさんの心意気はとても立派だと思うけど、家族なのだから、頼るところは頼ってほしいわ~」
「……今度から気を付けますね」
「よろしい!」
そんな一幕がありつつ、俺たちは料理を提供し始める。
権利やしがらみなんて関係ない、ただ楽しいだけの紅葉狩りのスタートだ。
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