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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第111話 変わらないこと

 朝、私は太陽が昇る少し前に目が覚める。

今日は屋敷で朝ごはんを食べる日だからだ。


「んぅ……セレス……?」


隣に目を遣れば私を探しながら手をワキワキとさせるカズヤさんが居る。


「はい、もう少しお休みになっていてください」


私は毛布をカズヤさんに掛けてあげながら優しく頭を撫でる。


「……すぅ」

「ふふっ」


しばらくの間、もう一度眠りについたカズヤさんの寝顔を楽しむ。

普段の顔も好みだが、今の緩みきったあどけない表情もまた良い。


15分ほど経った頃だろうか?カズヤさんがモゾモゾと動き始める。


「んん……おはよう、セレス」

「はい、おはようございます」


寝ぼけ眼を擦るカズヤさんとキスを一つ。

小寒い室内若干身震いをしながらも意を決して布団から出るカズヤさん。


「毎度言っているけど、別に寝てても良いんだよ?」

「毎度言っていますが、私はカズヤさんと一緒に過ごしたいので。それに、こちらの世界に来てからはお家でご飯の時、遅くまで休ませていただいていますよ?」

「母さんの料理を手伝ってるのに?」

「はい」


そんな話をしながら私たちは着替える。

私は制服へカズヤさんは訓練着だ。


「それじゃあ行ってくる」

「はい、お気をつけて」


訓練に向かうカズヤさんを見送ってから私は朝食の用意のために厨房に向かう。

厨房はイースガルドの頃から何も変わっていない。というか、この屋敷は何も変わっていない。

強いて言えば、この世界の服が増えたことぐらいだろうか。

そんなことを考えながらかまどに火を入れる。

本来なら火おこしなどが必要になる作業だが、魔術で一発だ。


「今日は何にしようかしら……マフィンにベーコン、卵……以前お話に聞いたエッグベネティクトにしてみましょう」


メニューが決まったら早速調理開始……とはならない。

カズヤさんは訓練に向かったし、アリシアもまだ起きてきていない。何よりもまだ朝6時、後のことを考えると朝食には少し早い時間だ。


その間に私は学校の予習をしておく。

今日は歴史だ。

日本史はとても面白い。西暦が定まる前からの戦の歴史、そしてその後の260年に及ぶ平和。島国ということもあるのだろうが、常に魔王という存在がいて、戦の状態が常態化していた私からすれば、なかなかに興味深い。


そんな日本史の勉強をしていると時刻は6時30分。そろそろアリシアが起きてくる時間だ。


朝食の用意を進める。


「おはようございます。お母様」

「おはようございます。朝食を運ぶのを手伝ってくれる?」

「はい、もちろんです」


出来上がった朝食を食堂に持って行くと、ちょうどカズヤさんが訓練から戻ってきた。

シャワーを浴びてきたようで、ほのかに上気したように見受けられる。


「ちょっとカズヤさん?しっかり拭かないと風邪ひきますよ?」

「おっと、そうだな」

「全く、しっかりしてくださいな」


ガシガシと頭を拭くカズヤさんに魔術で温風を掛ける。


「ありがとう、セレス」

「いえ、乾いたなら朝ごはんをいただきましょうか」

「お、今日の朝ごはんはエッグベネティクトか。凝ったな」

「割と簡単でしたよ?」

「この間テレビでやっていたやつですよね!食べてみたかったんです!」

「そうでしょう?私も食べてみたかったので作ってみました」


そんな会話をしながら朝食を頂く。

他の貴族家がどうかは知らないが我が家の食卓は会話が多い。

別に特段内容はない。その日あったこと、予定していること。本当にただの雑談だ。


「そろそろ行くか」


食事を終えても話していたので時刻は7時30分。食器を片付けて学校に行く準備だ。


屋敷の玄関を超えてお家のカズヤさんのお部屋に、そしてお家のリビングに顔を出す。


「それじゃあ母さん、学校に行ってくるよ」

「行ってまいります」

「行ってきます」

「気をつけてね」


唯さんは部活動の朝練習があるのでもういない。

残り家事をしていたお義母様に挨拶をして家を出る。

これが私の変わらぬ日常だ。

読んでいただきありがとうございます!



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