閑話 アリシアのこと
アリシアの三者面談を終えた夜、屋敷のサロンにて。
「こちらにいらしていたのですか?」
「セレス」
サロンのソファに座る俺に寄り添うように座るセレス。
「何かあったんですか?」
「どうして?」
「あなたがこちらにいるときはいつも何かに悩んでいるときですから」
そう言って撫でられる手が擽ったくも心地良い。
寄り添ってくれることに甘えて彼女に頭を預ける。
「なんだか今日は甘えたですわね」
「たまにはいいだろ?」
「はい、むしろもっとして下さいな」
セレスは愛おしそうに俺の頭を撫でる。
「それで、今日はどうされたのですか?」
「……幻惑魔法で姿を大人に変えた時のアリシアの反応がな、ちょっと……」
「申し訳なくなったのですね?」
「……うん」
「確かにアリシアからすれば、急にカズヤさんが小さくなったように感じるわけですものね。ちょっと気持ちはわかります」
「それにアリシアは俺のせいで急激に環境が変わっている。イースガルドにも友達はいただろうに……」
アリシアにはいつも迷惑をかけっぱなしだ。
普段も仕事であまり家にいないし、家族サービスだって碌に出来なかった。
極め付けは俺の所為で済んでいた世界を離れることに……
悔やんでも悔やみきれない。
「そうですね、そこは私も気になっていたところでした。なので、少し前にそれとなく聞いたんです」
「……そっか、悪いなぁ、いつも任せっきりで」
「いいえ。それで、アリシアに聞いたらこう返ってきました」
『確かに文字通り世界が変わりました。覚えることもまだまだたくさんあると思います。けれど、家族みんなと、お父様と一緒にいられる。それが私の何よりも嬉しいこと、大切なことなのです。お友達に関しては、イースガルドの方には手紙を最後に出しましたし、こちらのお友達は政治や宗教、家関係など度外視でお話しできてとても楽しいんです。イースガルドのお友達を悪く言っているわけではないんですよ?単純に思惑なく接せれるのが楽しいと言いますか……とにかく、心配要りません!』
その言葉を聞いてふっと息が抜けた。
「……そうか」
「私たちの娘は私たちが思っている以上に逞しく育っているみたいですよ」
自然とセレスの手と指を絡め、握る。
「なんというか、嬉しいな。立派に育ってくれて」
「はい、私たちの誇りです」
冷たい秋風が肌を撫でる中、二人肩を慣れべながら熱を交換する。
俺たちは娘の話に花を咲かせながら夜は更けていく。
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