第99話 温泉旅行
文化祭が終わり、一息ついた頃。
学校では期末考査の足音が聞こえてきた。
そんな中俺たちは文化祭の慰労を兼ねて、温泉旅行を計画していた。
行き先は隣県にある温泉旅館。
それなりに山奥にあるが、高速バスが通るなど交通の便がいい。
日帰りでも行ける距離だが、せっかくの慰労旅行だ。ゆっくり行こう。
「お父様と旅行に行けるだなんて、嬉しいです!」
「向こうでは碌に旅行に連れて行けなかったからな」
「そんなことないですよ?5年前に連れて行ってくださったではありませんか」
「よくそんなこと覚えてるな」
「家族のことですもの、覚えていますよ」
電車で街の方に行き、電車からバスに乗り換える。
バスに揺られること3時間弱、高速バスからバスに乗り換えて30分。件の温泉旅館に辿り着いた。
「標高が高いせいでしょうか?肌寒くて息が少ししづらいですね」
「そうだな俺も少し寒い」
早速チェックイン。
決して広いとは言えない温泉旅館。古き良きというべきか趣がある。
「良いところですね。和の雰囲気はとても心地よいです」
「そうだな、ベットもいいけど、たまには布団や畳で寝るのもいいよな」
「これは井草の香りでしょうか?何だか嗅いだことがないのに懐かしい気分です」
「そういえば向こうでは畳は見なかったな」
「遥東の国で使われていたとかそんなことを聞いたことがあります」
「そうだったのか……仕入れればよかった」
荷解きをして早速温泉へ。
宿にほど近いところに併設されている温泉。
疲労回復、リラックス効果、美容効果があるのだとか。
それを聞いた二人は温泉に入ることを早った。
「お父様だけ別なのはちょっと寂しいです」
「流石に今の歳で一緒に入るわけにはいかないかなぁ」
一応家族風呂も取ってはいるが、中学生になる娘と一緒に入るのは憚られる。
確かに一人風呂は寂しいが、せっかくの温泉だ楽しまないと。
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