閑話 焼肉会
文化祭を終えた週の金曜日、予定通り焼肉会が決行された。
学校からほど近いところにある焼肉チェーン店。そこにクラスの皆は集まった。
「お、主役がやっと登場だな」
「何だよそれ、もうみんな集まってるのか?」
「みんななんだかんだ楽しみだったみたいでさ、集合時間前に集まっちまった」
貸切になっている席を見るともうみんな集まっていた。
「何だかすみません、お待たせしたみたいで」
「気にしないでよセレスティーナさん。勝手に早く集まっただけだから」
「よし、みんな集まったことだし、乾杯と行こうぜ!」
そう言って遼は俺たちにジュースが入ったコップを持たせる。
「さ、乾杯の音頭を」
「え、俺たちが?」
「劇の主役だったし、セレスティーナさんは脚本担当だろ?申し分ないさ」
それにクラスの皆は頷いてくれる。
「えっとそれじゃあ、文化祭の無事終幕と」
「劇の成功を祝して」
「「「乾杯!」」」
皆で飲み物を煽り、焼肉を始める。
ジュージューと肉が焼ける音、独特な煙の匂い。
楽しむ皆の声が合わさって三重奏を奏でる。
「にしてもすごかったなぁ劇」
「うんうん、中身を知ってる私たちでもドキドキしたもん」
「和也くんたち、演技の才能あるんじゃない?」
「そんなに煽てるなよ」
「和也照れてる」
「うるせー」
クラスメイトとそう言い合っているのをセレスは微笑ましそうに眺めている。
「セレスティーナさんどうしたの?そんなに和かにして」
「カズヤさんがああしてクラスの方と過ごされているのが嬉しくて」
「そ、そう?別に今まで通りだと思うけど……」
「私の知っているカズヤさんは一人で居られることが多かったもので」
「セレス、それを言ったらセレスもだぞ?」
「わ、私は周りに同年代の方が少なかっただけでそういうわけじゃ……」
「俺もあの時同年代が少なかっただけだからな」
セレスとの会話に葛西さんたちは笑う。
「ごめんごめん、和也くんたちもそういう会話するんだね」
「どういうことだ?」
「だって二人いつもツーカーで熟年夫婦みたいな雰囲気出してるじゃん?」
「そんなつもりはないんですけれど……そう見えますか?」
それに葛西さんたちは頷いて返す。
「そうそう、何だか淑やかに〜みたいな」
「そう見えるのはセレスのせいだな」
「そうなの?」
「セレスは国ではけっこういいとこの生まれだからな」
「へー、じゃあお家とかも大きかったり?」
「そうだな」
なんせ一国の王女だからな。なんて、言えるはずもない。
「お前ら食ってるか?せっかくの食べ放題なんだから元取らなきゃ」
「ちゃんと食べてるよ遼」
今日はちょっとだけまだ続く。
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