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第1話 帰宅

お久しぶりです!

新作始めました!

なるべく更新できるように頑張ります

 皆さん、異世界召喚というものはご存知だろうか?

ある日突然剣と魔法の異世界に召喚されてしまう的な、昨今のライトノベルで流行っているやつ。


 最早創作物の中ではさして珍しくなくなったそれは、もちろんフィクション。

実際に魔法なんて使えないし、魔物もスキルだってありはない。

現代に残る伝説や神話が異世界の話だと主張している人もいるらしいが、事実確認ができない以上、それを創作物と捉えるのが無難であり、一番楽しめる。


 ……と、十年前までは考えていた。


 俺――羽鳥和也(17)は、高校からの下校中に異世界へ召喚され、人類の希望・勇者として十年近い年月を戦場で過ごした。


大変だったんだよ?いきなり凄そうな場所に居たと思ったら、王様っぽい人に「よくぞ来てくれた勇者よ」なんて言われてさ?

魔王軍幹部倒したり、ドラゴンと戦ったり、四天王倒したり、なんか形態変化する魔王と死闘したり....


あれでよかったのかどうかは分からないけど、全てを終えた俺は今、元の世界へ帰って来た。


しかも神様の計らいで、召喚された直前の時間軸に、肉体年齢を戻した状態で返してくれたのだ。


10年ぶりに学校や通学路、家を目にした時なんか感涙がダバダバ出てきて本当に、本当に……傍から見たら変人だった。

実際、ご近所さんがすっごい()()()のことをジロジロ見てたし。


玄関のカギを開ける感触にまた感動が込み上げるのを何とか抑えながら家に一歩。


「――ただいま」


帰宅である。

 




 下駄箱を見るに、珍しく父さんが俺よりも早く帰宅しているようだ。もちろん母さんの靴もある。

意を決してリビングの扉を開ける。


「おかえりなさい」


恐ろしい勢いでこみ上げるものを何とか呑み込んで、笑顔で答える。

父さんと母さんはいつもと同じようにソファでくつろぎ、テレビを見ていた。

二人してこちらに視線を合わせると、驚愕に染まった表情を浮かべ、口をあんぐり。


どうかしたのかな?


「おい、おまえ、制服はどうしたんだ?」


「あ」


そうだ、学生は学生服を着ているものだよなぁ。

異世界で暮らすこと10年余り、当時持っていた荷物の殆どが戦乱の中で失われている。

教科書から制服に至るまで、本当にほぼ全部燃えてしまった。

残っている物は.....下着くらいか?


とにかく、今俺が着ている服は全て異世界産な訳だ。今思えば現代日本でこの格好をしている人を見たことが無い。ご近所さんが視線を向けるのも納得できる。


「ちょっと説明が難しいんだけど....端的に言うと、全部燃えたんだ」


「燃えた!?」


記憶の中にある父さんはここまで驚きを見せたことはあっただろうか?

薄れつつある記憶を呼び起こしても精々、Gを見た時ぐらい.....だった気がする。


「ねえ、和也?後ろにいる()()()は?」


今度は台所から顔を出した母さんが俺の後ろに立つ彼女たちを指差し、たじろぎながらに聞いてきた。


「もちろん紹介するよ」


軽く目配せした後、彼女たちは強張った面持ちで挨拶をする。


「初めましてお義母様にお義父様、セレスティーナ・ヴィ・ユグドラシアです」


着色や脱色では表現できないほどに透き通った銀髪に、澄んだ赤い瞳。種族特有の長い耳は、その整った顔立ちを更に引き立たせ、誰が聞いても美人と答えるであろう。


そしてそんな彼女の後ろに隠れている子が一人。同じく綺麗な銀髪に長い耳、俺に似た琥珀色の瞳。美人の素質を大いに秘めた。俺たちの至宝。


「アリシア、アリシア・ハトリ・ユグドラシア....です」


二人とも名乗りを終えると優美なカーテシーをして見せる。


「えっ!?お....えっ!?」

「和也!今、羽鳥って!」


様々な情報が錯綜しているであろう両親は目を白黒させつつも何とか俺に疑問符を投げつけてくる。


「驚かないで聞いてほしいんだけど.....セレスが俺の奥さんで、アリシアが娘。ちょっと俺、異世界に行ってきてたんだ」


俺がそう言い放つと、両親は互いに顔を見合わせた後にセレスたちを見る。その視線は確認を求めているようだったらしく、セレスとアリシアはそれに頷いた。


「「は、ええぇええええ!?」」


読んでいただきありがとうございます!



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