始祖も認めぬ悪法
クモガタを前にした朝海は、カミュールの肩を掴む手が震えた。
「あ、……ぁあ……」
名状しがたき存在、脳の理解の範疇を超えたものを前にして、恐怖する。
「なん、ですか。なんですか、アレ……蜘蛛…?いえ、は、花?」
戸惑い、抱いた恐怖を深め、理解を拒むように思考停止しかけながらも目の前の存在から目を離せずに硬直する朝海に対し、吹き荒ぶ風に白絹の髪を靡かせながら赤の隻眼を僅かに伏せたジルが物静かに答えた。
「…アレは、クモガタの。アストリネの顕現状態、本体だ。花の根元には[核]がある。私たちの、全てだよ。あれが壊されたら死んでしまうんだ」
「……っ、ぇ?」
「…ああして空気に晒せば、何かしらの作用が働いて咲き誇る性質があるんだよ。同じ血縁、姓名であろうとも個々で異なる花に変形するらしい。………普通なら、アストリネの継承の時にしかお目にかかれない」
「えっ、え。あ、継承って…えっと。確か、アストリネが代が変わる時のなんちゃら……って、言い方変えればそれ葬式みたいなもので。…え?…あれ?ならなんで、見えて…それにこの方は…胸元に…」
思わず肩を支えていた白百合を咲かせるカミュールに視線を向ければ、ジルは否定するよう小さく首を横に振る。
「いや、この子は例外だ。それに……継承は基本は物言わぬ骸ではなく、終わることを決意した者がする行為だから」
ただ、カミュールが特殊なだけで。
本来ならばアストリネの終幕にしか見られないものであると。アストリネの継承について隠さずに告げるジルの説明を受けても朝海の戸惑いは止まらない。動揺を覚え紆余曲折するように満開の紫花と冷静沈着なジルを交互に見てばかりだ。
「…ッ…」
しかし一つの予感を得て、生唾を飲む。
[核]について開示された情報は少しだけだというのにひどく胸騒ぎがした。
「それって、………それで、アレはいったい、こんなの絶対。継承じゃない、ですよね。何が…起きてるんですか……?」
それでも、さらなる真相を求めて口を開く。
「ぜん゛ぶ……わたくしで、この手、でぇ゛…」
交わされる会話が聞こえてないのだろうか。距離としてはそう遠くないはずだというのに。
それとも今のクモガタは感覚が遠いのか?
はたまたもう正気を失い、泥濘の狂気に沈みつつあるのだろうか?
数々に浮かぶ疑問の解を求めて、朝海は口にする。
「何が彼を。ここまで、…動かすんですか?」
「フハッ」
それはまるで質問に応じるようでありながら、窶れきった吐露。
「主人公にも、上に立つ者にもなれないなら、あとは悪役になるしかないだろう」
誰に向けたのかもわからない言葉だ。力が抜けて観念に満ちた笑みを浮かべてるようにも伺えた。
「っは、はは」
しかし、それからはクモガタの堰が、壊れていく。
ミシッと木板が割れたような音が立てば、固い顎めいた箇所を外すように開き鳴らし、噴出したような高笑いが起こる。
「…は、ははは!フハハハハ、ははっ、ははは、ふはははは!ハハハ!ハハハハハッ!アハハハハ!」
振り子時計のように左右に身を揺らして肩を何度も上下した。
「ーーーーはーーーー…はは…ッッぁ、…はは……」
そのように一頻り笑った後、クモガタは一歩大きく踏み出しては戸惑う人々に向けて、決して軽快ではない緩慢な動きで己の巨体を足を、引きずるように近づけてくる。
一人合唱が続く孤独の喧騒でも、淡々としたジルの声はやたら明瞭に響いた。
「…人が【火事場の馬鹿力】を瀬戸際で放てるように、アストリネも己の限界を超えた異能を扱う為の最終手段がある。それが、これだよ。継承という散り間際で扱えるんだよ」
結論からしたら、継承の儀の悪用だ。
アストリネの心臓である[核]は晒せば花の形に開花する。
しかし散り間際の最後の灯火のように咲いた花が枯れるまで――異能保有者は飛躍的に身体能力が向上し、本来の潜在能力を超えた異能の行使を可能とさせるのだ。
過去に実行された一例として挙げるなら、石操作の間陀邏が地形操作を行い数千キロメートル以上先に発生しかけた大地震を抑え、浄化機能を持つカフラが数十キロメートル先まで『陽黒』により汚染された大地を浄化した。
あるいはグラフィスが砂漠地帯の一部を湖に変えてしまったか、ネルカルが大災害級の竜巻を対消滅させた…なんて事例もあるが、そのどれもが共通して規格外の偉業と言えるだろう。
しかし、これはあくまで最終手段。
始祖エファムすら容認していない、他のアストリネたちが継承時に見つけ出した悪法。
「自爆行為だ。自傷なんて軽い言葉には例えられない。何故なら大抵が、ああなってしまうからだよ。本来継承は他に異能を継ぐためだけの行為なのに使うから……ああいうふうに壊れていく。魂が変化してるから、当然とも言えるのだけれども」
この行為は本来アストリネの代を重ね役割を担う者を交代するためのもの、継続するために終わらせる手段。古き[核]を確実に代える行為も同然だ。
どれだけ維持できるかは多少の個体差があれど、たとえ六主であろうと実行すれば皆、総じて例外なく。
「……五分、持てれば良い方だな」
[核]は問答無用で崩れ、尽きるだろう。
「だからあいつは継承放棄したんだよ。此処にはクモガタの正式な継承先はいない。…世の平和を繋ぐために命を懸けて役目を果たすわけでもなく、この場の隠蔽工作のため…自身のお安い自尊心を優先したんだ」
何がそこまでしてクモガタを動かしたのだろうか。この場に問う者はいない。
朝海も兵士二人の男もカミュールも、ジルの言葉とクモガタの現状を前にして総じて沈黙を選び取っていた。
だからジルは未だ自身に絡む糸で拘束されたままでも尚、侮蔑を込めた紅の隻眼を据えて言い放つ。
「アストリネの恥晒しが」
そしてその有り様を全面的に否定し心底嫌悪する意を込めて、ジルは鋭く睨みつけた。
「ッうるさい゛!うるざいうる゛ざい!!ぁあああああぁあああああ゛!!もってる゛やつが、持ってるやづがぁああああぁああ!……わたくしに!わたしにぃぃいいいいいい゛!」
その蔑みは、確実に伝わったのだろう。
三代目ヴァイスハイトが亡き後、最もコンプレックスを刺激してきた相手はジルだからに違いない。
クモガタは身悶えるように頭を振りかぶり、両腕を広げて仰け反らせ、月夜に吠えるように叫ぶ。
蜘蛛の胴体からは糸が網目上に広がり、巨大な巣を展開する。
意思を持った白糸は細密に重なり、銀の金属板を染め直すように這い始め、まるで蚕の繭のように重ねられた。
「なん…なんなんだ!?」
「…ただの糸か?」
「おい!やめろ、触れようとするなぁ!」
特徴――触れてしまえば、質量を超えた自在に動く糸により全身を囚われる。
「う、わぁああ!?」
獲物を捉える蜘蛛の糸が如く、粘着性の高い糸が対象の自由を奪うのだ。
一人の武装兵が手のひらで触れてしまい、胴から首にかけて全身を呑むように編まれていく。そして、忽ちにして顔全体まで糸が行き渡ってしまう。
白く染め上げられてしまったように、呼吸をも奪われかけていた。
「…ひっ!?」
危険視した朝海が咄嗟にカミュールを抱き寄せて庇うものの、代わりに彼女の腕の表面に引っかかってしまう。糸は秒も立たずに朝海の片腕を白く覆い尽くし、自由を失くす。
腕から少しずつ、顔や胴体に向けて自在に伸び始めていく。
「っ、ぅ、…なに、なんなのぉ!」
思わず片手で糸を引きちぎろうとするものの、その手をカミュールが掴み止めた。
「待ってください!触れないで!気持ち悪いのは重々承知ですが、どうか堪えて!」
「で、でも!」
「悪循環形式です!糸は体温に反応してる触れてもそれを促進させるだけ……貴方も繭に包まれて蜘蛛の餌のようになりたいんですか?!」
睨み罵声を浴びせるようだが決死とも言える説得に、朝海は糸に包まれる手に触れられず硬直してしまうのだ。
しかし、朝海やカミュール、男兵士たち。傷つけたばかりの吏史という捕えやすい獲物にはクモガタは関心を持たない。ダン、と大きく金属床を蜘蛛の前足が殴りつける。
「ジル…ジルコン…ジルコンンンンン!!」
それ以外全てが有象無象とばかりに目もくれず、身を引きずるようにもクモガタはジルに迫る。
金属床に胴体をつけて這いずって近づくその姿には、知性も理性の欠片も感じられなかった。
「…っ、ジル様!!」
危機を感じて朝海が瞠目し声を荒げて叫ぶ。カミュールも声をあげることなく動揺を示すように、見張った瞳が揺れる。
現状、ジルは未だ束縛されたままだ、自由はない。襲われれば一方的に蹂躙されかねないだろう。
「…ああ。それでいい。こっちに来い」
しかしジルは至って冷静に対処した。
鋭利な前足を突き出して串刺しにしようとする撃を見切り、接触するタイミングを合わせて身を捩り紙一重で回避する。
立て続けに三度、四度と。執拗な突きが繰り出されるがそれらも無駄なく最小限の動きで回避しきった。
結果は彼女の肩の服がわずかに破れただけとなる。
「ジルコン!!貴様だけは、きさまだけはぁ!」
間違いなくクモガタの不興は買ったのだろう。
正気が見えない狂乱の八つの紫瞳は、一心に、蹂躙を許さなかったジルを睨んでいる。
そしてクモガタは安直にも、身を引き摺ってジルに向かっていく。
全く狙い通り。好都合に。
隻眼の赤は細まる。
今は視野に入らないが、ジルにとってとても気がかりな存在がいるのだ。クモガタが払う際に見せた出血量からして相当深傷を負ってしまったであろう吏史が。
だから、アストリネとしてまとめて皆を救うのもそうではあるが、此処はジルコンとしても、これ以上吏史を傷つけられないよう、守る。
「ッ!」
そしてジルはクモガタを睨み返して足を動かす。
足の方はまだ拘束が弱い。それなりに自由が効いた故の行動だ。ダン!と金属床を蹴り上げて跳躍し距離を取る。
朝海たちとは反対側に。無論、ただ跳んだだけではなく、クモガタが広げた蜘蛛糸の隙間に転がれるよう器用に跳んだ。短い飛距離で的確に、クモガタを翻弄するようにも連続跳躍し続けた。
――やがて、外の方。
本来人が出入りしない屋外がゆえに、防護柵もない空中の方に向かう。
「ジルさん!?まさか…」
落ちるつもりなのかと、暗に伝える動揺の声をカミュールがあげる。
だが、ジルから返事はなく彼女は誘導的な動きを決して止めずに続けていく。
遂にはクモガタの張った巣に対処しあぐねてる他を置いた数秒間の間で、彼女は空中に墜ちる間際に陥り、クモガタとの距離は一メートルを切るという形で追い詰められていた。
「嘘でしょう?」
感情の揺らぎに合わせるようにも、束ねた藍白髪を突風が揺らす。
数百メートル以上から落下すれば普通の人間は即死。全身を滅多うちにされるのだから同然だ。それが健全なアストリネでも、下手をすれば[核]が破壊されるだろう。
――危険な択だ、普通なら行えない。人もアストリネも同様。死を目前にすれば恐怖を覚えて身を竦ませる。
だが、ジルは違う。カミュールは知っている。寧ろ彼女であれば。彼女であるがこそ。
己が標的にされてるのを惜しみなく利用して、クモガタを宙に落とす。心中めいたことを実行するつもりだろう。
何故ならジルは過去『平定の狩者』として助力していた経歴がある。他のアストリネよりもアストリネとしての自覚と使命感が特段強い傾向にあるのだ。
――つまり、ジルは。ジルコン=ハーヴァは。自己犠牲的作戦実行に一切の躊躇いなど、抱かない。
「っジルさん!待って、やめてください、そんなの…ダメです…!」
そこまで分析できた。できてしまった。カミュールは蜘蛛糸が絡むのを構わず踏み出してしまい、あっという間に片足が白糸に囚われてもなお、ジルに向けて細い手を伸ばす。
「…っ」
無理に制止に出ていたカミュールの意を、朝海は察してしまった。顔色はサッと血の気が引いて青くなるが、少女達の戦慄を置いて時は容赦無く流れる。
「貴様、貴様だけはぁあああぁ!ジルコン=ハーヴァぁああああ!!」
怨嗟が籠ったクモガタの咆哮を正面から受けつつも、ジルは己に対して一心の視線を向ける藍白瞳と梅瞳に対し、ゆっくりと瞬きして応えた。
すぐに正面のクモガタに視線を戻して、拘束された状態でも挑発的にも、二本合わせた指で招く。
「ほら、とっとと来いよ。蜘蛛男」
そのまま地獄に叩き落としてやる気概で、大胆不敵に笑う。
ジルは次なる行動を取るため、足の力を強めた。自身が起こす行動の最適な瞬間を虎視眈々と狙うために。
「(――さあ、来い)」
間合内に来た瞬間に脚を頸部に回し締め上げて、ありったけの電気を放つ。
糸のせいで纏まらなくても強烈な静電気として弾けるのは体験済かつ幸いクモガタの[核]は舌。顕現状態であろうとも電気を放てば、否応でも麻痺が起きて怯むはずだ。
「(――来いよ。持てる手を全て使ってアンタの[核]の崩壊まで時間を稼いでやる…!)」
自然と手が拳を握っていた。大事なタイミングを見計らい、ひたすらにその好機を待つ。
グッと無意識に下唇を噛み、秒拍を刻む鼓動を感じながら、窺った。
「…じ、…る……」
ジルが行う決死の行動。彼女の無茶の瞬間は、腹部損傷と出血を経て意識朦朧とする夏空の瞳にも、映る。
呻くように名を呼んでも彼女が吏史に視線を向けることはない、余裕もない。今は目の前にある脅威に対し果敢に挑もうとしていた。
「……ジル、」
何を寝ているのだろうか。今が、まさに助けるべき瞬間、今こそ受けた恩を返す時。
何故、体が動かない。手を伸ばすこともできず、鉄骨に凭れて項垂れた姿勢のまま、何故、指先一つも動かせないのか。
「…痛っ、゛…っぅ゛……」
しかしわずかに身を動かすだけでも全身を苛む痛みが走り、脈動が刻まれる度にクモガタにより容赦無く前足で穿たれて空いた腹部からは赤黒い血が滲み出るように湧いてばかりだ。
最早今の吏史には何もできないだろう。このまま手当も早々にされなければ混濁した意識は沈み、失血死を迎えかねない。
だけど息を吐いて目を伏せて、傷よりも危機に瀕するジルの方に意識を傾けた。
己の死に関しては、正直、吏史にとってどうでもいい。
どうでもいい、散々生きてはならない存在だと罵られてきたのだからわかりきってることを今更気にする必要はない。
――五年前のあの日。
努力も夢も否定されて唯一無二を奪われたあの時と、同じ。呆気なく月鹿に地に転がされた擬似展開が行われてるのが大問題だ。
このまま大人しく奪われていいのか?なら、己は、何のために生きて足掻いて強くなろうとしたのか。
胸中で叱咤するように、思う。
何も持てない、持つ資格がない『古烬』である己が唯一持てたものを失っていいのか。
いいやそんなわけはない。
「……奪わせ、…なぃ゛…っ」
絆、思い出、縁。正しい彼等から与えられる肯定だけが、心の全て。報復に縋り付く中での確かな想いがあった。
その者たちが生きて認めてくれることで透羽吏史は己の価値と実感を得られないのだから、奪われないと報復することを誓ったのならば、透羽吏史は例え死んでも足掻くべきだ。
「…ッ、ぐ、ぅぅ…ッ゛」
そして、耐え難い痛みを帯びてる中でも、吏史はもがく。
未だ顕現したままの兵器『ゴエディア』を纏う手が拳を握る。
「ジル、ジルは、っ絶対に……」
じわじわと広がるように吏史の服を赤黒い静脈血が服が染め上げた。未だ絶えず命が流れた影響が出始めて、呼吸が乱れ肌に汗粒が浮かび始めたが、それに構わず全身に力を込める。
食いしばった歯の隙間から気道から迫り上がった赤黒い静脈血が垂れ流れたがしかしそれでも吏史は、無理に己の身を起こそうとした。
己の、今の、唯一無二の存在を脅かす強奪者を、許してはならない。それが例え『古烬』ではなくアストリネであろうとも、奪うのであれば、――最も忌むべき敵だ。
その気概だけが、瀕死の彼を無謀な無茶に突き動かす。脅かす外敵である蜘蛛を鋭く睨む。
青と黄色の異色の瞳は宵闇でも示される照明灯か星のように、眩く煌めいていた。
「ジルは、絶対に奪わせない……っ!」
紅蓮のように燃える激情に呼応して、顕現されたままの強固たる黒骨の手甲『ゴエディア』からは、パキンと亀裂が走り砕ける音が立つ。
しかしそれは壊れたわけではない。
『ゴエディア』は現段階に於いて破壊不可だ。分析解読不可の物質で構築されている謎多きもの。未顕現時でも吏史や月鹿の体内で検出されなかったという次元干渉型空想兵器とされている。
それ故に起きたのは、崩壊ではなく――――進化。
氷山が連なるようにも亀裂が走った縦一線の『ゴエディア』の隙間からソーチェーンを彷彿とさせるような刃が並び編み出されていく。
やがて、その凶悪と言える刃に対し、淡い青色――宵闇に灯り示す光。藍白の炎が舞い上がった。
……………………………〔継承〕
・アストリネの代替りの儀式を指す。
現在のアストリネの成り方は、初めの肉体はは人間であり、継承を経て秀でた獣性のみを携えた知的生物アストリネと成る。
その事実含めて全てのアストリネや一部の人類にも周知されている継承方法は、下記二種のみ。
①血の継承
Ⅰ:其の肉体が甲のアストリネの血縁である
Ⅱ:其の肉体が全盛期を迎える前の無垢である
Ⅲ:Ⅰ、Ⅱを踏まえた上で前代となる甲の〔核〕を次代の乙が食らい、七日を経て異能の継承を果たす。
②絆の継承
Ⅰ:甲のアストリネは乙の人類に肉体の一部を移植している
Ⅱ:拒絶反応や変形もなく馴染んだ場合、乙の人類が甲の〔核〕を喰らうことで異能の継承を果たす。
基本行われているのは成功率の高い血の継承であり、絆の継承は『継承者の肉体が不定形に変貌した』などと血濡れた失敗談が非常に多い上に明確な成功例は記録されてない。
また、三十五歳になる前に子を持たねばならないのが鉄則だと語られているが、これには生殖機能の問題が関係しているため。
但し、必ずしも三十五歳という厳粛なルールはなく全盛期で肉体の成長が止まる関係上、アストリネによっては適性年齢が前後する。
……悪法だが、この継承時には異能が奇跡を起こすまでに活性化するため、アストリネたちの最終手段として用いられる歴もある。
なお、アストリネはこうした継承を重ねるたびに代が積み重なるが、数が多いほど終幕を下ろし継承を繰り返してるという証明だけであり代数ごと強くなるという事例や根拠はない。
(三代目ヴァイスハイトが数多のアストリネに対して起こした決闘劇を経て代数主義の認識が覆されたと語られている)




